太陽光発電のリスク|全35の対策で20年間失敗しない超実践的手法

太陽光発電の購入時から撤去までのリスクと対策

太陽光発電を買った人の体験談には、「買って良かった!」という成功談がある一方で、「買うんじゃなかった…」という失敗談があります。

どちらも同じ太陽光発電を買っているのに、なぜ成功したり、失敗したりするのでしょうか?

今までソラサポにご相談いただいた方は、事前にリスクを把握できていなかったケースがほとんどでした。

この記事では、太陽光発電の購入時から売電期間の終了後までを10段階に分けて、各段階で発生する可能性のあるリスクを挙げ、その回避方法(対策)をまとめています。

細かいものも含めて結果的に35のリスクを紹介することになりましたが、もちろん全てのリスクが発生するわけではありません。

むしろ、きちんと対策をすれば十分回避可能なものばかりです。知っているだけでも、あなたに出来る対応や対処は大きく変わるはずです。無用な心配も減らすことができるでしょう。

設置前によく読んで、設置後のイメージを膨らませてください。設置検討中の方にも、私たちの同業者にとっても転ばぬ先の杖としてお役に立てれば幸いです。

※この記事では50kW未満(低圧)の太陽光発電について記載しています。


1. リスクとは

一般的にリスクとは、2つの意味があります。

リスク【risk】

1 危険。危険度。「ーを伴う」「ーの大きい事業」

2 保険で、損害を受ける可能性。
(デジタル大辞泉より)

太陽光発電の場合、例えば以下のようなことです。

  • 発電量が思ったよりも少ない
  • 思わぬトラブルが起こる
  • 想定外の支出が発生する(修理費など)
  • 発電開始が遅れる

次章から、計画開始から20年後の売電期間終了までを段階別に分けて発生しうるリスクと対策を解説していきます。

 


2. 契約までの太陽光発電のリスクと対策方法

太陽光発電の設置を計画してから、工事、売電開始して、売電期間を終えるまでに20年以上の期間を10個の段階にまとめました。

  • どんなリスク(危険)が発生する可能性があるか
  • あなたはそれに備えてどんな対策をするべきか
段階 発生する時期の目安
契約まで (1)場所選び
(2)見積もり
(3)契約
設置前まで (4)手続き
(5)施工
設置後 (6)発電開始から半年後まで
(7)設置後1年
(8)設置後10年
(9)設置後20年
(10)発電開始〜撤去まで随時発生するリスク

今、自分がどの段階なのか、今後、どんなリスクがあるのかを理解し、対策を行いましょう。

※挙げているリスクは、発生する可能性のあるものの一例です。

(1)太陽光発電設備の設置場所選びに関するもの

太陽光発電を設置しようと思ったとき、まずは設置場所を選びます。
ほとんどの方は次の3パターンのどれかになります。

  • 自己所有の土地や建物などにつける
  • 設置場所を購入する
  • 設置場所を借りる

法律面と技術面の両方に注意が必要

リスク 太陽光発電を設置できない可能性がある(法律や設置場所の状況による)
対策 業者に技術的に設置できるか確認する。
自治体に関係する法律を確認する。

せっかく見積もりをとって計画を進めていても、実は、法律上の制限や技術的な側面、または両方が原因となって太陽光発電が設置できないということがあります。
例えば、以下のような場所では、太陽光発電は設置できません。

  • 1981年(昭和56年)の建築基準法改正以前に建てられた建物の屋根(建物の強度が不足)
  • 屋根材に合う太陽光発電の取り付け金具が無い
  • 農地(設置前に転用手続きが必要。許可されない場所は設置不可)

まずは、法的に設置が可能か調べて、次に技術的に可能かを調べる必要があります。
野立て(地面設置)の場合、市役所などに電話で確認するのもオススメです。

 

太陽光発電の設置に関係する可能性のある法律(一部)

太字のものは特によく関係してくる法律です。

各種法令に違反すれば、撤去命令などの行政指導も受ける場合があります。

周知不足の条例にも注意が必要

平成29年4月からは市町村の条例も増えてきました。周知も十分とは言えないため、知らない内に条例違反となってしまう場合も考えられます。設置前にその市町村に、新しくできた条例の有無を確認する必要があるでしょう。

 

設置場所のリスクを軽視すると別のリスクを抱えることになる

法的な問題をクリアしたら、設置場所の情報をなるべく細かく設置業者に伝えましょう。技術的なリスクを軽視すると、次のようなことになりかねません。

  • メーカー保証を受けられない(設置条件無視の発覚)
  • 自然災害による被害(地滑り、洪水、雪害など)
  • メンテナンスを断られる、高額の費用を請求される(作業に危険を伴うような場所の場合)
田淵電機パワコン 設置してはいけない場所
田淵電機パワコン 設置してはいけない場所

 

いずれも非常に大きなリスクです。

業者が設置できないと判断した場合は理由を確認してください。
業者の技量不足ではなく、土地に問題があって設置できない場合は、別の土地を探しましょう。

設置場所を選ぶ時は、トータルで考えましょう!

設置場所は条件を総合的にみて、選びましょう。
日当たりが悪くても、土地代や総費用が安ければ、投資回収も可能です。
反対に日当たりが良くても、土地代や総費用が高ければ、投資回収が厳しくなります。

  • 日当たりがどうか
  • 土地代・賃料はいくらか
  • (土地の場合)造成が必要か
  • (屋根の場合)補修が必要か(葺き替え、塗装)
  • 土地の固定資産税はいくらか

 

(2)見積もり

設置するためには、まず計画を立てることが重要です。
見積もりを取って、どんな太陽光発電にするか決める時にリスクがあります。

 

相場を知らないと損をする 高すぎても安すぎてもダメ

リスク 相場がわからず、高額で買ってしまう
対策 複数の業者から見積もりを取ることで、概ねの相場を知る

太陽光発電は頻繁に買うものではありません。
初めて買う場合は、相場がわからなくて不安になることもあるかもしれません。もらった見積りが、相場より高い可能性もあります。

1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取って、比較しましょう。

オススメの相見積もりの比較方法

見積もりを比較するときの注意点は以下の通りです。

  • 見積もり内容に入っていないものは無いか(発電量を計測するもの、雑草対策、フェンスなど)
  • どんな部材(パネルやパワコンのメーカー型式、架台の材質、ケーブル、工法等)を使うのか
  • 保険、保証は入っているか
  • 発電シミュレーションは正確か(根拠があるか)
  • 収支計算をしているか
  • kW単価(総費用÷パネルのkW数)はいくらか

多くの方が、できるだけ安く太陽光発電を設置したいと考えると思いますが、「ただ安ければ良い」というものでもありません。「安かろう悪かろう」という言葉がある通り、安いものには理由があるはずです。表面的な金額だけに目が行きがちですが、システムの内容(架台や工事の品質等)を正確に理解した上で選びましょう。

また、販売業者の経営理念や知識・経験といったものは、お金では表現できません。
しかし、緊急時の対応や、プラスαの提案など、あなたの収益性に大きな影響を与えます。

見積もり金額以外にお金がかからないか、よく検討してください。

【関連記事】太陽光の見積もりの考え方

 価格と品質で失敗(後悔)しないために知っておくべき3つの対策

 

事業計画は慎重に やや悲観的な想定をする

リスク 楽観的な発電シミュレーションを信じてしまう
(売電収入が予想より少なく、借入金の返済が負担になる)
対策 発電シミュレーションの根拠(計算方法)を具体的に細かく聞く。
(例:影の影響を計算しているか、経年劣化を含めているか等)
その業者の過去の設置事例の発電実績を見せてもらう。

太陽光発電の見積もりには、発電シミュレーションがついてきます。
機器構成など設置条件が同じであれば、発電量も同じような数値になるはずです。
極端に多かったり、少なかったりする場合は注意が必要です。

何故なら、売りやすくするために、多めの発電量でシミュレーションを作成する業者がいるからです。(もちろん、そうでない業者もたくさんいますが)

見積もりを提出した業者に発電量の根拠や計算方法を聞いてみましょう。
影による発電量の低下や経年劣化、方位や角度による日照量の変化が計算に入っているかも確認してください。

岐阜県、三重県、愛知県の方は、過去の発電量と実績をまとめた記事がありますのでご参考にしてください。

  発電量と天気【岐阜・三重・愛知】 

ちなみに、2016年の東海3県の年間平均発電量は、1kWあたり1200kWh程度でした。
10-20%以上差がある場合は、必ず理由を確認しましょう。

楽観的な発電シミュレーションを信じてしまうと、期待していたほど発電しないというリスクを負うことになります。
特にローンで購入し、売電収入で返済していく場合は返済計画を見直す必要が出て来るかもしれません。

 

設置業者の経営方針と担当者の人柄に注目

リスク 悪質業者に引っかかる(業者が信用できず、安心して購入を決断できない)
対策 不安な内容は明文化する。複数の業者から選ぶ、経営理念を読む、担当者に働いている理由を聞く

金額やシミュレーションが間違いなさそうでも、設置する業者が信用できるかどうかも重要です。
太陽光発電は高額な買い物で、20年間売電することが前提になります。
長く付き合うことになるので、どんな業者に頼むのかは非常に重要です。

何故なら、太陽光発電システムは機械なので、何かしらの不具合や故障が発生するからです。
(一般的な家電より耐久性があり、手間はかかりませんが)

いざ、という時にその人は動いてくれるでしょうか?
過去にどんな不具合や故障があったか、どんな対応をしたのか聞いてみましょう。
「不具合は無い」という人は、問題を見過ごしているか、経験が少ないか、もしくはその両方ですので要注意です。

複数の業者を比較し、信用できる業者を選んでください。
ネットで「太陽光発電 岐阜」のように、地名を入れて検索すると、複数の太陽光発電業者や一括見積もりサイトが出てきます。

何社か問い合わせて見積もりをもらい、その中で信頼できる業者を選んでください。
詳しくは後述の「5. 最も大事なのは業者の選び方ー無用なリスクを減らすためにー」をご覧ください。

 

(3)契約

業者が決まったら、いよいよ契約です。

手元にお金を残しておきましょう

リスク 導入費用が高いため、初期の金銭的な負担が大きい
対策 融資やローンを活用する

太陽光発電は、高額商品です。
設備の規模によっては、1000万円以上になることもあります。
太陽光発電を買ったことで、手元の資金がなくなり、急にお金が必要になった時に困ってしまうようではいけません。

そこで強い味方になるのが、銀行や信販会社の融資です。
太陽光発電専用のプランを用意している場合があります。
金融機関(※)や設置業者に相談してみましょう。

※…日本政策金融公庫やマイホームの資金を借り入れをした銀行など。

例えば50kW規模の設備の場合、15年返済で金利1.5%〜2.5%ほどで借り入れする方が多いです。

※融資を前提に購入契約をする際は、必ず「ローンが通らなかった場合、契約は解除される」という特約が必要です。

豆知識:ローンの意外なメリット

  • ローンで太陽光発電を設置した場合、金利の返済は「経費」として計算できます。
    確定申告が必要な場合、経費を差し引いて計算できるので、課税金額が少なくなります。

 

お金が出て行くタイミングと入ってくるタイミングを調整しよう

リスク キャッシュフローが崩れる
設置完了までに時間がかかる
借り入れの場合、売電開始が返済に間に合わない可能性がある
対策 契約前に手続きを進めておく

平成29年9月現在、太陽光発電は基本的な手続きで4ヶ月〜5ヶ月ほどの時間がかかります。
(※前制度下では3ヶ月ほどで手続きが完了していましたが、改正FIT法ではシステムの混乱もあり、非常に長い時間待たされます。)

そして、着工から完工までに2週間〜1ヶ月(規模によっては1ヶ月以上)かかります。
希望する日程で工事、発電開始をするためには、余裕をもった日程調整が必要です。

特に借り入れをして、太陽光発電の設置をする場合は、返済開始月を可能な限り遅く設定しましょう。

なぜなら、発電開始が遅くなる要素として、時期天候というコントロールしにくい要素があるからです。遅くした分だけ金利が多くなりますが、一種の保険と考えていただくと良いかもしれません。

時期:年末・年度末は、手続きも工事も法人の需要が多くなるため、その分遅くなる場合がある

時期によって発電開始が遅くなる具体例

・経産省側の混雑で手続きが遅れる 手続きについては、「3-4. 手続きでも解説しています。
・メーカーの需給バランスが崩れてパネルやパワコンの納期が遅くなる
・工事業者の混雑で着工が遅い
・電力会社の混雑で竣工検査が遅くなる

天候:梅雨、台風、積雪で工事期間が延びる場合がある

天候によって発電開始が遅くなる具体例

・長雨で工事ができずに工事期間が延びる
・積雪で工事ができずに工事期間が延びる
・天候で電力会社による竣工検査が遅れる

設置業者にも事業主にもコントロールできない要素があるので、突発的な遅れにも対応できるよう、発電開始日の遅れを見込んで先回りしておきましょう。

 

売電収入=発電量(kWh)×売電単価(¥/kWh)

リスク 見積もりまたは契約時の収支シミュレーションが破綻する
対策 売電単価が確定してから契約する、特約を結ぶ
運転開始期限(H28.8.1以降の接続契約分)を確認する

売電収入は、発電量(kWh)と売電単価(¥/kWh)の掛け算ですので、信頼できるシミュレーションと固定価格買取制度の利用で概ねの予想が可能です。

つまり、売電単価が確定していなければ、収支計画に大きな影響が出るということです。

大前提として、売電単価は経産省と電力会社への手続きが完了した時に確定します。(平成29年9月現在)
売電開始した時ではありません。

売電単価の決定に必要な手続きとフロー

売電単価の決定に必要な3つの手続き
内容 提出先 期間
接続契約(電力網と発電所を繋げる契約) 配送電会社(分離までは電力会社) 1〜2ヶ月
電力受給契約(電気を売る契約) 各電力会社
事業計画認定申請 JPEA代行申請センター 2〜3ヶ月

配送電分離が進んでいる地域と進んでいない地域で手続きが異なる可能性があります。
 ソラサポが活動している岐阜・三重・愛知では、中部電力へ売電する場合接続契約と電力受給契約の申込み両方を中部電力へ行います。(2017年9月現在)

設置業者と契約しても、売電単価が確定していなければ、収支計画が決まりません。

 

運転開始期限に注意

平成28年8月1日以降に接続契約を結んだものについては、「運転開始期限」という新ルールが設けられています。一度、確定した売電単価であっても、発電開始日の期限を過ぎれば「失効」または「売電期間短縮」のペナルティがありますので、発電開始日の遅れには要注意です。

運転開始期限とペナルティの表太陽光発電の運転開始期限とペナルティ

詳しくは、こちらの記事で解説しておりますのでご参照ください。

 改正FIT法の概要 新ルール5つの大きな変更点 (2−2−③ 運転開始期限とペナルティ)

 

いずれにしても、単価が確定していることを示す書類(事業計画認定)を見せてもらう、単価確保ができない場合には契約を解除するという条件をつけるなどの対策が必要です。

※書類など客観的な資料が無いと、業者の手違い、記憶違いなどが起こる可能性があります。

 


3. 発電開始までの太陽光発電のリスクと対策方法

(4)手続き

太陽光発電の設置前に、経産省と電力会社(※)それぞれに申し込みが必要です。
※電力会社と配送電会社が異なる場合があります。
設置業者が行う場合が多いですが、売電単価を決める重要な手続きです。

売電単価の決定に必要な手続きとフロー

 

手続きミスでさらに時間がかかる

リスク 経産省、電力会社への申し込み内容が間違っている
手続きミスで余分な時間がかかり、売電開始が遅くなる
対策 申請前に各項目の記載内容の説明を受けて内容を確認する
申請後に申請内容を確認(内容、提出日等)

設置業者は多くの物件を抱えています。
うっかり、住所などの記入ミスをしてしまうことがあります。

経産省の申請では、一度申請した設置住所を変更するには無駄な時間(余分に2ヶ月ほど)が発生します。
申請前に見せてもらい、確認しましょう。

 

お役所関係の各種手続きには思ったよりも時間がかかる

リスク 関係法令に関する手続きに時間がかかり、売電開始が遅くなる
対策 どんな手続きや法令があり、どのぐらい時間がかかるか把握しておく

地面設置だと、都道府県や市役所などに法令の許可申請や届出が必要な場合があります。
経産省に申請した内容から、太陽光パネルのメーカーなどの情報を少しでも変更すると、変更の手続きが必要です。
手続きが大変なのはもちろん、売電開始するまでに時間がかかり、融資の返済とタイミングが合わなくなる可能性があります。

どんな手続きが必要で、手続きの完了までに何日ぐらいかかるのか、あらかじめ把握しておきましょう。

手続き申請から完了までのおおよその目安を記したスケジュール表をもらいましょう。

 

(5)施工(着工から完工まで)

工事が始まった後もリスクがあります。

 

施工ミスの思わぬ被害を防ごう

リスク 施工ミスにより、雨漏りしたり、部材が破損する
対策 施工実績の豊富な業者に頼む 施工保証の産むと内容の確認をする

職人の経験不足や安請け負いによって、防水処理が甘くて雨漏れしたり、ボルトの締め付けが甘くてパネルが飛んだりする場合があります。

せっかく太陽光発電を設置しても、最低でも20年間、安心・安全のもと発電できなければ後からの支出が増えるので、長い目で考えましょう。

こちらは実際にあった施工ミスのかなりひどい事例ですが、パワコンの設置工事のミスにより発火してしまった太陽光発電所の写真です。

施工ミスで燃えた太陽光パネルとパワーコンディショナの写真

施工件数が多く、慣れている業者を選びましょう。
価格が「売りもの」になっている業者に注意しましょう。
業者の選び方については後述の「5. 最も大事なのは業者の選び方ー無用なリスクを減らすためにー」も合わせて読んでください。

具体的には、あなたの設置予定の条件に似た施工実績の写真や現場を見せてもらいましょう。

 

契約から着工までのスケジュールを確認する

リスク 工事開始まで時間がかかり、売電開始が思っていた日より遅くなる
対策 契約から着工、売電開始までの期間を聞いておく

太陽光発電の架台や金具はオーダー(海外生産含む)で作成されるものもあります。
契約してから部材の納品、着工まで時間がかかるので注意が必要です。
契約時に大まかな日程が記載された工程表をもらいましょう。

また、経産省や電力会社への手続きや関係法令の手続きは、業者では必要日数をコントロールできません。
そのため、受け取った工程表でも、遅い日程で考えておきましょう。

これらのリスクを軽視して、融資の返済開始日を早めてしまうと、売電収入が電力会社から振り込まれるまで、持ち出しが発生する事が考えられます。また、法人の場合、発電開始日が設備の取得日になるので、経理上の不都合が発生します。

契約から初回売電収入の振込までに起きること(工事編)

項目 必要な日数の目安
❶部材(手配・荷受け) 4-8週間程度
❷工事日程の調整 2週間程度
❸【設置業者による工事】基礎工事・架台工事・パネル工事・配線工事・発電量監視装置設置工事・引き込み柱工事・雑草対策工事・フェンス工事・竣工検査) 2-4週間程度
❹【電力会社による工事】外線工事(電力会社の電柱・トランス)・系統連系工事・竣工検査 ❶〜❹と同時並行
2-8週間程度
❺売電開始(電力会社) ❺の完了次第
❻初回検針(電力会社) 電力会社の検針日による
❼初回売電額振込(電力会社) ❻の3週後程度

※内容は、設置場所によって異なります。ご参考までにご覧ください。

土地境界は隣地トラブルの元 確定測量が必須

リスク (地面設置の場合)土地境界が不明瞭で、太陽光発電の設置ができない
対策 工事前に隣地の所有者と立会い測量を行う
確定測量を行う

地面に設置する場合、土地の境界がはっきりせず、隣地トラブルになる場合があります。
太陽光発電の設置範囲がわからないため、施工できない可能性もあります。

工事を行う前に、土地家屋調査士に測量を依頼するのがオススメです。特に土地を購入して設置する場合、購入条件として確定測量も含めておきましょう。

境界杭の写真

何故なら、土地の取得後に隣地と境界でもめてしまうと、工事の中断をする必要が生じるからです。また、中には土地の購入者が過去の事情を知らないことを利用して、隣地の地権者が敷地を広げようとすることもあるので注意が必要です。

そして、土地の面積が想定より面積が狭くなった場合、土地の損失以外にも次のリスクが派生するためです。

土地境界が不明瞭なことで派生するリスク 具体的な内容
売電単価の取り直し 申請内容から「パネル容量」の減少が20%以上になると、売電単価の取り直しとなるため、最初から手続きのやり直しになります。または「発電出力」の減少が10kWかつ20%以上になると同様の結果になります。
売電開始が遅れる 売電単価の取り直しにならない範囲であっても、設置内容の変更の手続きが必要となるので、其の手続きに必要な時間をロスします。そのために売電開始が遅れます。
収支計画の下方修正 パネルの設置容量を減らすことで当初予定していた売電収入が比例して減少します。
その他 すでに発注済みまたはに受け済みの部材がある場合、交換費用などの損失が発生します。

 

売電開始日は電力会社の検査が終わった日

リスク 設置工事が終わった日に売電開始できる訳ではない
対策 売電開始日を確認する

太陽光発電の設置が完了しても、すぐに売電開始とはなりません。

何故なら、電力会社の引き込み工事や竣工検査が必要だからです。
設置工事の日程だけでなく、売電開始予定日も確認しましょう。

※以前は引き込み工事と設置工事が完了した時点で売電開始することができました。
 しかし、制度の運用が見直された結果、電力会社による竣工検査が完了するまでは売電開始できないようになりました。

地面設置の場合、工事中に標識の設置が必要です。
標識に書いてある「運転開始予定日」を見ておきましょう。

※標識について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。  

 4-1.標識の掲示(義務その①)9分でわかる改正FIT法|太陽光の認定取消を回避する手続きと義務

 


4. 設置後○年頃に多い太陽光発電のリスクと対策方法

発電開始したらおしまいではありません。
設備を撤去するまで、様々なリスクが潜んでいます。
(もちろん潜んだままの場合もあります)

設置後○年後頃に起きることが多いリスクと、売電期間中いつ起きるかわからないリスク。
両方把握しておきましょう。

 

(6)発電開始〜半年

融資の返済開始日は可能な限り遅くしておこう

リスク 融資・ローンの返済開始に初回の売電収入の振り込みが間に合わない
売電収入がもらえるのは1ヶ月〜2ヶ月後
対策 検針日・振込予定日を確認する

発電開始しても、すぐに売電収入は入金されません。
電力会社によって処理期間が異なりますが、最初の振込までに2ヶ月以上かかる場合もあります。

発電開始から初回振込までのイメージ図

電力会社に設置住所を伝えると、毎月何日ごろに検針するか教えてくれます。
検針から振込実行までの日数は決まっているので、売電開始後、何日ぐらいで初回振込が行われるか予測できます。

 

太陽光発電のご近所トラブル❸つの原因に気をつけよう

リスク 設置場所の近隣住民とトラブルが起こる
対策 設置前の挨拶を行いきちんとお付き合いをする
敷地管理を怠らない

太陽光発電所の近所の人とトラブルになる可能性があります。

相手にもよりますが、感情の部分でもつれてしまうと、理屈では通じにくくなります。通常であれば、揉める必要のない内容であっても関係が悪化していれば捉え方も変わってしまうものです。

関係が悪化しないように特に気をつけたいことは次の3つです。

❶ 騒音(パワコンのファンの音)トラブル

ファンがついているパワコンは、運転中に音が出ます。
(40デシベル程度。エアコンの室外機と同程度)
故障時は音が大きくなります。
夜間は発電が停止するので無音です。

ファンのないパワコンはほとんど音が出ません。

 

❷ 雑草の繁茂による隣人トラブル

地面設置の太陽光発電の場合、雑草対策は非常に重要です。よくある雑草リスクをまとめましたので、把握しておきましょう。

大分類 雑草リスクの具体例
ご近所さんへの迷惑 景観が悪化する
雑草の隣地浸入
自治体からの指導
害獣・害虫の住処になる
雑草を放置しておくことで派生するあなたへの実害 不法投棄されやすくなる(見た目が汚いのでゴミを捨てやすい)
雑草の影による発電量の低下
パネルの故障率の上昇(ホットスポット化)
ホットスポットによる火災
パワコンの故障率の上昇(雑草の内部浸入)
人間関係が悪化した近隣住民からの嫌がらせ
雑草の陰によってホットスポット化しつつある太陽光パネル
太陽光パネルに雑草がかかる様子 雑草によるホットスポット現象

設置時にきちんと「雑草対策」をするか、定期的(年に最低3-4回)な除草が必要です。
雑草対策について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 太陽光発電の雑草対策|防草効果と成功率が格段に上がる4つの秘訣

 

❸ 反射光トラブル

太陽光パネルの設置条件(角度、方位)によっては、反射光が隣家に当たる場合があります。

反射光が当たることで近隣トラブルに発展する恐れがあります。
反射光について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 太陽光パネルの反射光!裁判事例とオーナーが設置前に知っておくべき回避方法

近隣トラブルの大元は、日頃のお付き合いと敷地管理にあることが多いです。
太陽光発電を知らない人は、「よくわからない物が近所にできた」と不安になってしまうかもしれません。
工事前に挨拶をする等、普段からきちんとした関係を作りましょう。

 

設置後に発生する❹つの支出も把握しておこう

リスク 太陽光発電設備の維持費を見込み忘れて収支計画が崩れる
対策 発生する維持費の内容を把握して維持費を含めた収支シミュレーションで考える

太陽光発電設置後の維持費用(支出)

太陽光発電は買っておしまい、ではありません。買ってからの20年が本番です。
税金、保険、メンテナンス費用、機器の交換・修理費等の維持費が発生します。
維持費を考えておかないと、売電収入が思ったよりも貯まらない、ということにもなりかねません。

太陽光発電の収支シミュレーションには、次に挙げる維持費用も必ず見込んでおきましょう。

 

税金

太陽光発電に関する税金は4つあります。
固定資産税(償却資産税)、売電収入に対する所得税、住民税、消費税です。
税金について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 【税理士監修】太陽光発電設置で発生する税金の種類【低圧・50kW未満】

 

損害保険

厳密には加入義務はありませんが、万一に備えて、保険の加入をオススメします。自然災害や盗難、休業補償をカバーできる保険商品もあります。保険について詳しくは「保険サービス」をご覧ください。

 

メンテナンス費用

平成29年4月1日に施行された「改正FIT法」により、メンテナンスが義務化されました。(一部例外があります)
すでに売電開始済みの太陽光発電所も対象です。メンテナンスの頻度の目安は最低4年に1度です。
メンテナンス業者、または設置業者に相談しましょう。

【無料】ソラサポでは24時間、相談・お見積もりのご依頼を受付中です

機器の交換費用(修理費)

太陽光発電システムは壊れにくいものですが、機械である以上、時間経過とともに必ず何かしらの不具合が発生します。

故障した場合、交換や修理の費用がかかります。
(メーカー保証で無償修理できる可能性もありますが、保証が切れたら有償補償になります)
目安として、総費用の0.5%〜1.5%程度、毎年積み立てておきましょう。

 

 

(7)設置後1年

設置後一年経った頃に発生する可能性のあるリスクについて説明します。

メーカー保証の期間切れに注意

リスク (一年保証の場合)保証期間が終了し、メーカー修理にお金がかかる
対策 延長保証が可能なら加入する

機器の保証が1年の場合、保証期間が終わってしまいます。
見積もり時に可能であれば10年以上保証のあるものも検討しましょう。
有償で保証期間が延びる場合、金額と比較して検討してください。
ただし、延長保証が高すぎては意味がありませんのでトータルで考える必要があります。

後から延長保証に加入できない場合が多いので、ご注意ください。

保証終了後にメーカー修理になった場合、
太陽光発電に限ったことではありませんが、実費が請求されます。

 

購入後に後悔しないために、シミュレーションに要注意

リスク 発電シミュレーションが間違っているため、思ったより発電しない
対策 相見積もりをとる

発電シミュレーションと比較して発電量が少ない場合、そもそもシミュレーションが間違っている可能性があります。
販売業者、パネルメーカーの計算ミス、営業担当者が自分の売上を伸ばしたいためのオーバートーク、などが考えられます。

同じ太陽光パネルで同じ設置場所であれば、発電量に大きな差はでません。
発電シミュレーションも当然、同じような数字になるはずです。
(回路構成やパネル配置、設置角度が違う場合や、影の影響を見込んでいるかなどで多少の違いはあります)

他の業者の発電量より極端に差があるシミュレーションなら、どんな計算方法をしているのか、確認した方がいいでしょう。

発電量をきちんと把握することが重要!

  • 発電量、売電量が少なくなる原因は複数あります。
  • 発電量を小まめに確認していたら、減ったことに気がつきやすくなります。
  • 発電量を監視する装置(遠隔監視装置)をつけるのがオススメです!

発電量の遠隔監視装置についてはこちらの記事をご参考にしてください。

 あなたの太陽光発電は大丈夫?遠隔監視装置でできることできないこと

 

確定申告をする必要がある
リスク 会社員でも確定申告が必要になり、手間がかかる
対策 税理士に相談する
自分でできるように情報収集をする

太陽光発電は所得税が発生するため、確定申告が必要になります。
確定申告では手間がかかり経費を計算して、節税することもできます。

太陽光発電の経費についてはこちらの記事をご参考にしてください。

 太陽光発電とメンテナンス経費 賢いオーナーが知っている一覧表【税理士監修】

 

(8)設置後10年

メーカー保証期間の終了
リスク 保証期間が終了(10年保証)し、メーカー修理が有償になる
対策 修理代・交換費用を見込んでおく

保証期間が10年の場合が多いものの代表的なものを挙げます。

・日本メーカーの太陽光パネル
・日本メーカーのパワーコンディショナ
・太陽光発電システム(全体丸ごとセット)
・施工保証

有償で保証期間が延びる場合、金額と比較して加入を検討するのも一つの選択です。

保証期間終了後にメーカー修理が必要になれば、実費が請求されます。
場合によっては交換してしまった方が早く、安い可能性もあります。

保証期間終了後に、それぞれの機器に1回は修理代がかかると見込んでおきましょう。

太陽光発電も機械です。10年、20年の間で何かしらのトラブルがあるものと考えておきましょう。
20年の売電期間の中で、有償のメーカー修理・交換代の支出を見込んだ計画が必要です。

※太陽光発電のパワコンは大量に作られている工業製品なので、商品の価値は将来に向かって下落傾向になります。
実際に、5kW程度パワコンは、2007年は70万円前後でしたが、2017年現在では15万〜20万円で購入可能です。
設置台数に応じた交換・修理費を収支計画に見込んでおきましょう。

 

(9)売電期間終了後(住宅用は10年後、産業用は20年後)

固定価格買取制度終了後の運用
リスク 売電単価が不明なため、設置前に売電収入を計算できない
対策 発電した電気を使い、買う電気の量を減らす
新電力会社に売る
2022年(FIT先発終了組)の動向に注目しておく

固定価格買取期間が終了した後、売電単価は決まっていません。
ひょっとすると7円/kWh前後になるかもしれません。

10kW未満の場合、蓄電池を導入するなど、太陽光発電で作った電気を使うことで、電気代が削減できます。

10kW以上の場合、近くに電気を使用する設備がある場合、配線を変えて発電した電気を使うというのも一つの手段です。
電気自動車の充電をしたり、蓄電池を併用する等で、電気代の削減効果で、利益を生むことができます。

固定価格買取制度が始まってから2016年12月末までに、約145万基もの太陽光発電が稼働しました。
(※経産省公開資料「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題について」平成29年5月25日 設備導入量より)
その全てが例外なく発電期間が終了するので、大きなビジネスチャンスが生まれるはずです。
少なくとも、今、設置前にこれを読んでいるあなたよりも5年早く(2012年に)設置している人たちが大勢いるので、
その人達が2022年に何をするのか見てから考えることができます。

 

20年後 野立て太陽光発電の事業継続の判断が必要
リスク (地面設置の場合)太陽光発電を撤去するか継続するか判断が難しい
対策 固定資産税などランニングコストと売電収入で比較する

地面に設置している場合、土地の固定資産税がかかります。
太陽光発電を設置したままでは家を建てたり他のことに使えません。
自宅から遠い場合、前項のように発電した電気を使うことも難しいでしょう。
発電を続けるのか、やめてしまって土地を売却したり他のことに使うのか、決める必要があります。

固定価格での売電期間終了後に事業を継続するか終了するか判断する際のポイント

固定資産税を含めたランニングコストより売電収入が少ない場合、他の用途で利益が増えるのであれば、発電はやめてしまった方がいいかもしれません。
売電収入が少なくても、土地を売ったり他に使う予定が無いのであれば、発電を続けることをオススメします。

ランニングコストと売電収入の収支、どちらに傾くかが1つの目安になるでしょう。設置から15年目(売電期間終了の5年前)あたりまでに売電期間終了後にどうするかを考えておけば、余裕を持って対応できます。

野立て太陽光発電の20年後の選択肢(例)
発電を続ける 自分で事業継続する(新電力に売電するなど)
発電をやめる 設備を撤去して処分する
設備を他人に売却する
設備を他人に貸す

 

太陽光発電設備を撤去費用を積み立てておく
リスク (撤去する場合)解体・撤去費用がかかる
対策 売電収入から解体・撤去費用を積み立てておく

太陽光発電をやめてしまう場合、解体や撤去に費用がかかります。
「やめよう」と思ったらそれでおしまい、ではありません。

前々から積み立てて置けば、いざ費用が発生しても安心です。
※平成29年4月1日以降、太陽光発電の事業計画策定ガイドラインでは撤去費用について次のように義務付けています。

”事業終了後に適切な撤去及び処分を行うため、その実行に係る費用を想定した上で、事業計画を策定すること”

目安は建設費用の5%とされています。ただし、使用している部材や設置状況により費用は異なります。同じ状況の方が全国で同時に多発するので何かしらの新しいビジネスが始まるでしょう。

 

リスク (屋根設置の場合)屋根の穴が残り、見た目が悪い。雨漏りの可能性がある
対策 穴をあけない工法で設置する
架台は撤去しない

売電期間終了後も自家用に電気は使えるので、あえて外す必要はありませんが、屋根に付いていた太陽光発電を外すと、架台を固定していた穴が残ります。

当然、雨漏れにならないような補修が必要ですが、設置時に穴をあけない架台にするのもオススメです。
ガルバリウム鋼板などの金属屋根の場合、掴み金具を使用すれば穴をあけずに設置できます。

キャッチ工法の金具

 

(10)売電期間中に経過年数に関係なく発生するリスク 

(6)〜(9)のどの段階で発生してもおかしくない太陽光発電の売電期間中のリスクと対策を紹介します。

発電設備の内部環境に起因するリスク
リスク 安定して発電せず、止まってしまう
対策 監視装置を設置する、小まめに発電量をチェックする

売電期間中、一度も不具合がないのが理想ですが、機械なので何らかの原因で停止することがあります。
製品の初期不良や施工ミスが原因で太陽光発電が止まることもあります。

一般的に機械の故障率は、初期と末期に多くなります。

故障率と時間経過を表すバスタブ曲線

バスタブのような形なので、バスタブ曲線と言われます。

どんな原因で、いつ発電設備が止まるのを予知することはできません。
できるだけ早く異常に気づき、対応することが肝心です。

まずは監視装置を設置しましょう。手元で日々の発電量を確認できるようになります。
設置後1ヶ月ほどは、小まめに発電量(できれば毎日)を確認し、異常を発見できるようにしましょう。

 

保護機能の作動(電圧上昇抑制と温度上昇抑制)
リスク パワコンの安全装置によって電圧上昇抑制・温度上昇抑制がかかり、発電が止まる
対策 抑制について業者に質問する
抑制がかかったと発見できる状況を作る(発電状況の定期的な監視)

太陽光発電はパワコンの安全装置が作動し、発電が止まってしまう場合があります。(故障ではありません)

保護機能の作動は、パワコンが故障しないための正常な挙動です。
電圧抑制について詳しく知りた方はこちらをご覧ください。

 売電収入ダウン! パワコンの電圧抑制・温度抑制での損失を最小限にする方法

抑制のことを知っている業者であれば、設置後に対応を依頼できます。
遠隔監視や目視で、抑制がかかっていたら発見できるようにすることもオススメです。

【図1】電圧抑制対策前の発電量グラフ 【図2】電圧抑制対策後の発電量グラフ
電圧抑制対策前の発電量グラフ 電圧抑制対策後の発電量グラフ

 

出力制御(発電設備の外部環境に起因する事業者にコントロールできないリスク)
リスク 電力会社により出力制御され、売電量が減る
対策 出力制御には順序があり、太陽光発電は対象になる可能性が低い

電力会社によって売電を止められる可能性があります。
平成27年4月1日以降、一部を除いた電力会社で出力制御機器対応のパワコンの設置が義務付けられました。(東京電力、関西電力、中部電力は対象外)

太陽光発電の売電を止める機能(出力制御機器対応)をつける義務があります。
太陽光発電を止めるのは、作る電気(発電量)と使う電気の量のバランスが取れないからです。

言葉のインパクトが強いので、何でもかんでも発電を止められると心配されている方もいらっしゃいますが、大きな誤解です。
作る電気を調整する際は、下記のように止めていく優先順位があり、太陽光発電は5番目になっています。

出力の抑制等を行う順番優先給電ルールの考え方について 九州電力ホームページより

太陽光発電の優先順位は5番目なので、制御が発生する可能性はあまり高くないと言われています。

出力制御について詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
自然災害(発電設備の外部環境に起因する事業者にコントロールできないリスク)
リスク 自然災害、火事、事故などが発生し、発電所が壊れることで予期せぬ費用が発生する
故障中の売電収入が減少する
対策 損害保険に加入し、リスクに備える

石や雹(ヒョウ)が当たったり、台風などの災害で発電所が壊れると、発電量が減ってしまいます。
そして、売電量も減り、収入も減ってしまいます。
さらに交換や修理でお金がかかってしまいます。

保険によって、災害による機器の交換・修理費用をまかなうことができます。
修理が終わるまで期間、得られなかった売電収入(遺失利益)をカバーする保険商品もあります。

注意:保険請求には審査があります。

保険請求には審査があります。
事故が発生し、保険請求をしたからといって100%保険金が下りるわけではありません。
審査には時間がかかります。
また、客観的に事故だと保険対象事故とあなたが証明する必要があります。
機器の検査やメーカーの見解が必要になる可能性もあります。

詳しくは「太陽光発電の保険サービス」をご覧ください。

 

天候不順(発電設備の外部環境に起因する事業者にコントロールできないリスク)
リスク 天候不順で発電量が思ったよりも少なくなる
対策 過去の悪天候の年の日照データも収支シミュレーションに組み込んで、悪天候が続いたとしても目標の利回りが確保可能な条件で購入する

太陽光発電は曇りや雨のときは、発電量が少なくなります。
晴れる日もあれば、曇りの日もあります。天気によって発電量は異なります。

発電シミュレーションを作る時、20年〜30年間の平均的な日射量を元にします。
年によって、曇りや雨が多い日もあるので、悪天候の年の発電量を考えておくのがオススメです。
(※ソラサポでは、平均日射量で計算した発電量から、15%少ないもので考えるようにしています)

2016年8月の月間発電量【8860.2kW】

2017年8月の月間発電量【7145.1kW】

 

外部環境の変化 将来、新たにできる影も考慮しておく
リスク 影ができたことで発電量が少なくなる(外部環境の変化)
対策 ・周囲が変化した場合の発電量を考える
・金額次第では周りの土地も購入してしまう
・雑木であれば切らせてもらう

設置後、発電所周囲の木が大きくなったり、新たに建物が建てば、太陽光パネルに影がかかります。
影がかかれば発電量が少なくなり、売電収入も減ってしまいます。

発電量を予測するときに、隣地があなたの名義でなければ、マンションや家が建つ可能性もあります。
隣に建物が建った場合などをあらかじめ考えておきましょう。
影で発電量が下がっても、売電収入が十分確保できるであれば安心です。

下の図では、発電所の真南に一般的な2階建ての住居が建った場合のシミュレーションを比較しています。

影がかからない場合の発電シミュレーション
予想年間発電量【86,208kW】
影がかかる場合の発電シミュレーション
予想年間発電量【81,279kW】

 

どんな会社にも倒産リスクがある
リスク 設置業者が倒産してしまい、相談する相手がいない
対策 他の業者が対応可能。書類をまとめておく

10年後、20年後、設置した業者が倒産してしまったり、太陽光発電業界から撤退している可能性があります。
そうなれば、もし故障しても、どこに連絡したらいいのかわからない、ということになるかもしれません。

設置時の書類(パネル配置図、設備認定書類、電力関係書類、保険書類、保証書類など)があれば、メンテナンスを依頼することもできます。
いずれにしても、書類をきちんとしっかりとしたファイルなどで管理しておくことをおすすめします。

太陽光発電業者の倒産について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 太陽光発電業者が倒産!オーナーが取るべき4つの行動

 

パネルメーカーやパワコンメーカーの倒産リスク
リスク 設置したパネルメーカーが倒産・撤退し、保証が無効になってしまう
対策 他のメーカーの商品に交換して対応できる

メーカーが倒産すると、当然「メーカー保証」は無効になります。
故障しても、既に存在しない会社には、交換・修理を依頼できません。

太陽光発電を構成する機器(パネル、パワコンなど)は、色々なメーカーのものがあります。
同じ寸法のパネルなら架台を流用して設置できますし、同じ規格のコネクタ(パネルとパネルをつなぐ部品)を使用しているパネル同士は繋げることができます。(出力が違う場合はロスが出ますし、繋ぎ方によっては交換したパネルもメーカー保証対象外となります。)

独自の規格・寸法で製造しているメーカーの場合は壊れた部分の修理を諦めるか、全てのパネルを取り替えるということになりかねません。

※パネルの構造・寸法が異なる場合、交換できません。
多くの太陽光パネルは、シリコン系(単結晶、多結晶など)です。
ソーラーフロンティア化合物系のため、他メーカーのシリコン系パネルと混在することができません。

 

パネルの汚れで発電性能が低下する
リスク パネルの汚れにより発電量が下がる
対策 パネル清掃を行う

設置して3年、4年と経つと、徐々にパネル表面の汚れが気になってくるかもしれません。

太陽光パネルの清掃をすることで、落とせる汚れもあります。
かかる費用と回復できる発電量を天秤にかけて、必要に応じて掃除してください。
 

太陽光パネルの掃除の仕方には注意が必要!

  • 太陽光パネルを掃除する場合は、ゴシゴシ力を入れてこすってはいけません。
  • パネルのガラス面に傷がつき、光が取り込みにくくなり、発電量が下がる恐れがあります。
  • 表面のコーティングは保証が切れたり、効果が実証されていないものが多いので要注意です。

各メーカーのパネル掃除に対する考えについては、こちらの記事をご覧ください。

 太陽光パネル清掃ってどうなの?主要国内海外メーカー10社に聞いた結果

パネル洗浄をご検討中の方はこちらの記事もご覧ください。

 発電量回復!ソーラーパネル清掃で得する人損する人

 

世界恐慌や戦争、大規模な災害で制度そのものが崩壊する
リスク 売電単価が途中改定し、売電収入が減る可能性がある
対策 例外なので心配しても仕方がない

太陽光発電の売電単価は、FIT法によって保証されていますが、例外があります。

”物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、調達価格等を改定することができる、と定められています。「物価その他の経済事情に著しい変動」とは、急激なインフレーションやデフレーション、スタグフレーションのような例外的な事態を想定しています。”

なっとく!再生可能エネルギー よくある質問 Q2-4 より引用)

心配しても仕方がありません。そもそも急激なインフレ・デフレになれば、太陽光発電どころか、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。どうしても気になるのであれば、設置の検討を見直すべきでしょう。

 

事業者の寿命で相続人への口座の変更が必要になる
リスク 設置者が死亡。売電収入が故人の口座に振り込まれてしまう
対策 名義を変更に必要な書類と方法を用意しておく

あまり考えたくないことですが、売電期間は長期にわたります。途中で亡くなる可能性も考えなくてはいけません。
そうなれば、せっかく売電期間が残っているのに、受け取る人がいない、という状態になるかもしれません。

太陽光発電の名義は、相続や譲渡で変更できます。
ご家族などに書類の保管場所を教えておくと、いざという時も安心です。
名義変更の具体的なやり方や必要書類については、こちらの記事をご覧ください。

 太陽光発電の名義変更|相続や中古設備の購入時に必要な9つの手続き

 太陽光発電の売電口座の変更方法|電力会社別ガイド【2017年版】

 

太陽光発電 標識 販売

5. 最も大事なのは業者の選び方ー無用なリスクを減らすためにー

色々なリスクを挙げましたが、一人で全てのリスクを管理するのはほぼ不可能でしょう。

そこで、良い業者を20年間のパートナーとして選べば、太陽光発電の無用なリスクが減らすことができます。
それでは、どんな業者が良い業者なのか、基準をまとめましたのでご参考にしてください。

実績が豊富

太陽光発電の設置実績がたくさんある業者は施工経験も豊富です。
特にあなたの発電所と似たような場所(屋根が似ている、設置住所が近い)で設置したことがあるか、聞いてみてください。
そして、発電所の現場か写真を見せてもらいましょう。各設置工程の写真もあるはずなので見せてもらいましょう。

発言に根拠がある

営業さんは色々な説明をしてくれます。その中で気になることがあれば、客観的な根拠(証拠)を見せてもらってください。
発電量の実際のデータや、過去の実例を教えてくれなければ、実績より大げさに説明しているか、経験不足のどちらかかもしれません。

丁寧なシミュレーション

発電シミュレーションを見積書と一緒に提出する業者がほとんどです。

どのような計算方法をしているのか、聞いてみましょう。
発電量だけでなく、機器の経年劣化や陰による発電量の損失に加えて維持管理費用も含めた収支のシミュレーションを作成してくれる業者であれば、設置後のイメージがしやすくなります。

1年分の予想発電量を単純に10倍、20倍にしているだけでは、経年劣化による発電量の低下や、維持費が入っていないので心配です。

見積もり金額が妥当

相見積もりをしたときに、極端に高かったり安かったりしないか確認してください。

取扱量も関係しますが、同じ機械であれば、どの業者でもそれほど価格差はありません。
あまりに高い場合、安い場合は、見積もり内容や項目(パネルなどの機器や、モニターなどのオプション品、サービスや工事の質等)がそもそも異なる可能性があります。

実物を見せてくれる(発電所、部材)

実際の発電所や、太陽光パネルなどの実物を見せてくれる業者を選びましょう。
施工実績もあるし、「発電所を見せてもいいよ」と、過去の太陽光発電のオーナーさんに思ってもらえるような業者だからです。

リスク、デメリットについて両面提示してくれる

太陽光発電のいいところだけでなく、リスクやデメリットもきちんと説明してくれる業者がオススメです。
なぜなら、どんな物にも良いところと悪いところがあるからです。両方説明してくれる業者を選びましょう。

複数メーカーの提案ができる

より良い選択するためには複数の選択肢が必要です。

1つのメーカーしか提案できない業者(特定メーカーの代理店)の場合、どうしても売り手都合の提案になります。
実は他にもっといいメーカーがあっても、しがらみがあって提案できないからです。
複数の取り扱いメーカーの中から、あなたに最適なメーカーを提案してくれる業者を選びましょう。
なぜなら、設置する場所や容量、面積、あなたが太陽光発電を設置する目的によって、ベストな機器構成は絶対に異なるからです。

設置場所に近い

遠くの業者の場合、何かトラブルが発生した時に対応に時間がかかったり、
実際に現場に行くのは下請け業者だったりします。
近いに越したことはありません。

熱意を持って仕事をしている

ただ「太陽光発電は儲かるから売っている」という業者と、「あなたの抱えている問題を解決したい」という業者。どちらがいいでしょうか。

営業担当の人に、「どうしてこの仕事をしているのか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。
また、会社としてどんな理念で活動しているのか、太陽光発電のプロとしての主義・主張を聞いてみてください。
会社概要も参考になるので見てましょう。


6.分譲型太陽光発電のリスク

太陽光発電を検討している方の中に「分譲型太陽光発電」を検討されている方も多くいるかと思います。

分譲型太陽光は、一般的な太陽光発電のリスクとは別に、独特のリスクがあります。
分譲物件を検討している人向けの記事を公開していますので、ぜひご覧ください。

土地付き分譲型太陽光発電16のリスク
分譲型太陽光発電の16のリスクを詳しく解説しています。
実際に1730万円の失敗をしてしまった事例を交えて、実用的な解説をしていますので、ぜひご覧ください。
土地付き分譲型太陽光発電16のリスク

 


まとめ

野立ての太陽光発電

太陽光発電をつけて、「失敗したなぁ」と後悔しないためには、次の3つのことが重要です。

①事前にどんなリスクがあるのか把握する

②把握したリスクへの対策を準備し実行する

③ 「①」「②」を実現するために良いパートナーを選ぶ

そもそも、どのようなリスクが存在するのか知らなければ、対策のしようがありません。
10年後、20年後に、あなたが「太陽光発電を設置して本当に良かったなあ」と思えるようにしましょう!

ソラサポでは無料で太陽光発電設置のお見積もりをしております。

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