最終更新日 2018.02.26 更新箇所:(5-4.【追記】提出期限を守っていれば、2017年度売電価格の適用を受けられる)
再生可能エネルギー特別措置法(旧FIT法)の改正に伴って、2017年4月より新しい「固定価格買取制度」がスタートしました。
新制度が始まることは知っているけれど、自分にどんな影響があるのかよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
この「改正FIT法」と呼ばれる制度変更によって、太陽光発電を設置済みの人も、これから設置する予定の人も、新しく手続きや義務が発生します。
絶対に気をつけたいのは、手続きや義務を怠った場合、認定が失効、売電できなくなる可能性があることです。
売電単価が取り消しになったら、融資の返済や投資回収の計画がメチャクチャになってしまいますよね。
この記事を読めば、「改正FIT法」であなたに必要な義務や手続きの内容と、次に取るべき行動が何かを把握することができます。
一部、取り扱いが未定の内容もあるため、内容は随時アップデートしていきます。今のうちにブックマークをしておいてください。
【おしらせ】2020年度版事業計画策定ガイドラインの改訂が公開されました。
FIT法改正と同じく、稼働済み太陽光発電にも影響があります。最新情報を確認しましょう。
「5-4.【追記】提出期限を守っていれば、2017年度売電価格の適用を受けられる」で解説します。
【おしらせ】みなし認定(旧FIT法で売電単価が確定済み)の事業計画を提出するために必要な書類と具体的な手順をまとめた記事を公開しました。自分自身で移行手続きを行う方、社内で手続きの担当になった方は必読です!
みなし認定の移行手続きガイド|20分で完了する事業計画の提出方法 9月30日締め切り
新規に2017年度の売電単価を取得するための手続きを知りたい方は、こちら↓の記事をご覧ください。
太陽光発電の事業計画認定の申請方法が図解でわかる完全マニュアル
申請に出てくる4種類のIDについて詳しく知りたい方は、こちら↓の記事をご覧ください。
新登場!太陽光のID(登録者・設置者・設備・申請)4種を徹底解説
1.改正FIT法があなたに影響があるかがわかる一覧表
改正FIT法で加わったルールはいくつもありますが、あなたの状況によっては関係がないものもあります。
まずは、あなたに関係がある手続きと義務は何かを知りましょう。
設備の状況別に必要となる手続きと義務を一覧表にまとめました。
複数の発電設備を所有している方や、複数の設置計画がある方はそれぞれ異なる手続きと義務になる場合もあります。必ず目を通してください。
一覧表の見方
【引用元】 【調査】 | |||||
●:手続きが必要な項目 ー:特に何もしなくていい項目 ▲:義務ではなく推奨の項目 | |||||
売電中(稼働済み)の太陽光発電のケース | 手続き | 義務 | |||
事業計画 | 接続契約 | 標識掲示 | メンテ | フェンス | |
地面(野立て)太陽光発電 | |||||
□10kW未満の設備を所有(2012.07.01以後に発電開始) | ● | – | ▲ | ● | ● |
□10kW以上20kW未満の設備を所有 | ● | – | ▲ | ● | ● |
□20kW以上50kW未満の設備を所有 | ● | – | ● | ● | ● |
屋根の太陽光発電 | |||||
□10kW未満の設備を所有(2012.07.01以後に発電開始) | ● | – | – | ● | – |
□10kW以上20kW未満の設備を所有 | ● | – | – | ● | – |
□20kW以上50kW未満の設備を所有 | ● | – | – | ● | – |
未稼働の太陽光発電のケース | 手続き | 義務 | |||
事業計画 | 接続契約 | 標識掲示 | メンテ | フェンス | |
地面(野立て)の太陽光発電 20kW未満 | |||||
□売電単価の確保ができている (設備認定・接続契約が完了済み) | ● | – | ▲ | ● | ● |
□売電単価の確保ができていない(設備認定・接続契約がいずれか未完了) | ● | ● | ▲ | ● | ● |
地面(野立て)の太陽光発電 20kW以上 | |||||
□売電単価の確保ができている (設備認定・接続契約が完了済み) | ● | – | ● | ● | ● |
□売電単価の確保ができていない(設備認定・接続契約がいずれか未完了) | ● | ● | ● | ● | ● |
屋根の太陽光発電 20kW未満 | |||||
□売電単価の確保ができている (設備認定・接続契約が完了済み) | ● | – | – | ● | – |
□売電単価の確保ができていない(設備認定・接続契約がいずれか未完了) | ● | ● | – | ● | – |
屋根の太陽光発電 20kW以上 | |||||
□売電単価の確保ができている (設備認定・接続契約が完了済み) | ● | – | – | ● | – |
□売電単価の確保ができていない(設備認定・接続契約がいずれか未完了) | ● | ● | – | ● | – |
そもそも売電単価が確保できているかわからない →「5. 売電単価が確保できているか確認する方法」をご参照ください |
【具体例】あなたが49.5kWの地面設置型・太陽光発電設備(稼働済み)を所有していたとします。
その場合、こちらに該当することになります。
売電中(稼働済み)の太陽光発電のケース | 事業計画 | 接続契約 | 標識掲示 | メンテ | フェンス |
□20kW以上50kW未満の設備を所有 | ● | – | ● | ● | ● |
それぞれの手続きと義務については、「3.オーナーに発生する2つの手続き」と「4.オーナーに発生する3つの義務」をご覧ください。
*RPS法で10kW未満の太陽光発電を設置された方
RPS法で10kW未満の太陽光発電のケース | 事業計画 | 接続契約 | 標識掲示 | メンテ | フェンス |
□10kW未満の設備を所有(2012.06.30以前にRPS法で発電開始)野立て | – | – | ▲ | ▲ | ▲ |
□10kW未満の設備を所有(2012.06.30以前にRPS法で発電開始)屋根 | – | – | – | ▲ | – |
旧FIT法が始まる前のRPS法時代に設置された方は、取り扱いが未定のものが多く、現状では個別に資源エネルギー庁に問い合わせることになります。10kW以上の設備については、一覧表をご参照ください。
2.改正FIT法とは
- FIT法とは
- FIT法とは、再生可能エネルギーの普及を主な目的として2012年に導入された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」の通称です。
- 改正FIT法とは
- 2017年4月より施行されるFIT法の改正版です。FIT法が時間の経過や情勢の変化に伴い変更が必要になったため、新たなルールが加わりました。
2-1.旧FIT法の趣旨と改正FITの目的
旧FIT法とその成果
FIT法の導入から6年が経ち、再生可能エネルギーの導入は飛躍的に伸びました。その反面、いくつかの問題も明らかになりました。
旧FIT法で明らかになった3つの問題
①電気を買い取るための国民負担が増加した(再エネ賦課金)
②日差しのある時間しか発電できない太陽光発電ばかりが導入されている(不安定電源or自然変動電源)
③売電する権利を確保しているのに設置しない案件が増えた(未稼働案件)
改正FIT法の目的
国民負担を抑えつつ、太陽光発電以外の再生可能エネルギーもより多く導入するためにFIT法が改正されました。
2-2.改正FIT法の概要 新ルール5つの大きな変更点
改正FIT法の5つの大きな変更点は、売電単価や期間に関わることです。発電設備を設置した人、設置しようとする人どなたにも関係があるので注目されている方も多いのではないでしょうか。
変更点①:「事業計画」の登場(認定制度の変更)
変更点②:メンテナンス(O&M)義務化
変更点③:運転開始期限の導入とパネル変更が可能に
変更点④:旧認定取得者の扱い(みなし認定)
変更点⑤:2017年度以降の売電単価の決まり方
それでは、順に確認していきましょう。
①認定制度の変更「設備認定」から「事業計画認定」へ
固定買取価格制度を活用するのに必要な経済産業省への手続きが、「設備認定」から「事業計画認定(※)」へと変わります。
「事業計画認定」への変更にともなうポイントは3つです。
1. 旧制度で認定を取得した人も事業計画の提出が必要になる
2. 認定の審査基準の明示がされた
3. 変更手続きも変わる(変更認定申請・軽微変更届 → 変更認定・事前変更届出・事後変更届出)
※「事業計画」については「3-1.【事業計画】とは、改正FIT法で必要となる手続きの一つ」で説明します。
②メンテナンス(O&M)の義務化
改正FIT法では、「保守点検・維持管理」の計画を作り、実施する必要があります。
詳しくは「4-2.メンテナンス(O&M)の実行(義務その②)」をご覧ください。
③運転開始期限の導入とパネル変更が可能に
- 運転開始期限とは
- 認定を受けた日から売電開始(連系)するまでに設けられたタイムリミットです。事業計画の認定日から一定の期間内に発電開始しなければペナルティが生じます。
- 一方で、所定の手続きを行えば、設置する太陽光パネルのメーカーや種類の変更が可能になりました。
2016年7月31日までに電力会社との接続契約(※)を結んだ案件には運転開始期限、パネル変更共に適用されません。(表2を参照)
※「接続契約」については「3-2. 接続契約とは、電気を売るために必要な2つの契約のこと」で説明します。
太陽光発電の運転開始期限とペナルティ
運転開始期限は太陽光発電の設備の規模に応じて決められます。下の表をご覧ください。
・規模が10kW未満の場合は、1年でアウト!
「事業計画認定」を取得した日(または「みなし認定」)から1年間です。
超過した場合の罰則は「認定の失効」となります。
・規模が10kW以上の場合は、3年で期間短縮!
「事業計画認定」を取得した日(または「みなし認定」)から3年間です。
超過した場合の罰則は「売電期間の短縮」となります。
売電期間の短縮は、1ヶ月単位です。例えば、期限から1日超過しても20日超過しても1ヶ月短縮されます。
2018年2月1日に、資源エネルギー庁に確認したところ、10kW以上の太陽光発電の売電期間の短縮は1日単位で短縮されるように制度の調整が進んでいるようです。2017年3月時点での説明では「1ヶ月単位の短縮」ということでしたが少し緩和される方向で変更がありました。
太陽光発電の運転開始期限の注意ポイント
- どのような理由であっても一切の例外が認められません。
- 駆け込みで運転開始となると、天候や事故など予想外の遅延原因が発生した場合に危険です。
- 余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
太陽光パネルの変更した場合の売電単価の取り扱い(新旧ルール比較)
太陽光パネルの変更(メーカーや種類)が可能になりました。(パネルを変更しても売電単価が変更されません)
実は、旧FIT法でも2016.8.1以降に接続契約を結んだものは、パネル変更をしても売電単価が変更されないルールに変わっています。
太陽光パネルのメーカーや種類が変更可能にして、運転開始を少しでも早めさせたい(またはコストを低下させたい)という狙いがあります。
【余談】以前、ある大手の太陽光パネルメーカーが「パネル変更をすると売電単価が下がるルール」を逆手にとって消費者の足元をみた商売をしていたことがあり、問題となりました。
(注)「変更あり」については、接続契約(変更契約も含む。)の締結日又は変更認定時のいず れか遅い日が属する年度における調達価格が適用。「変更なし」については、変更認定に伴 って調達価格は変更されない。なお、新ルールでの変更認定申請は、接続契約書の写しが必要。
※1 メーカーが当該種類の太陽電池の製造を行わなくなった場合又は10kW未満の発電設 備の変更の場合は、調達価格の変更なし。
※2 電力会社の接続検討の結果を受けて出力を変更する場合又は10kW未満の発電設備の 出力増加であって、変更後も10kW未満の設備である場合は、調達価格の変更なし。
※3 10kW未満の発電設備の出力増加であって、変更後も10kW未満の設備である場合 は、調達価格の変更なし。(経済産業省資源エネルギー庁 「平成28年8月1日以降に接続契約を締結する太陽光発電設備の運用変更について」(リンク切れ)より抜粋)
④旧認定取得者の扱い(みなし認定)
旧FIT法で設備認定を取得したものは、2017年4月1日に新認定制度で認定を取得したとみなされます。
「みなし認定」の対象となる太陽光発電所とは
- 2017年3月31日までに旧制度で認定を取得、電力会社と接続契約を締結している
みなし認定でも、「3.オーナーに発生する2つの手続き」「4.オーナーに発生する3つの義務」で説明する手続きや義務が発生します。
⑤2017年度以降の売電単価
売電単価の決まり方も変更されました。
10kW未満の太陽光発電では、3年後に事業計画認定を取得した場合の売電単価まで公表されます。
2MW以上の太陽光発電には、入札制度が導入されました。
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3.オーナーに発生する2つの手続き|事業計画と接続契約
改正FIT法になると太陽光発電を設置するためには、【事業計画】と【接続契約】という2つの手続きが必要になります。
3-1.事業計画とは、改正FIT法で必要となる手続きの一つ
- 「事業計画」とは
- 「事業計画」とは、2017年4月1日から施行される改正FIT法(固定価格買取制度)で必要となる手続きの一つです。
旧固定買取価格制度では、「設備認定」と「電力申請(接続契約+特定契約)」の2つの手続きが売電単価の決定に必要でした。新制度では、この「設備認定」から「事業計画認定」に変わります。
「事業計画」の申請は、いつでもできますが「事業計画認定」を取得するには、「接続契約」の締結が必要です。
・事業計画認定が下りた日付が重要に
事業計画認定を受けた日付で売電単価が確定します。
運転開始までの期限も、事業計画認定を受けた日付が起算日になります。
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3-2.接続契約とは、電気を売るために必要な2つの契約のこと
- 「接続契約」とは
- 「接続契約」とは、電力会社に太陽光発電(または風力発電などの再生可能エネルギー)の電気を売るための契約です。
「接続契約」には、次の2つの契約が含まれます。
- ①電力会社の「連系承諾」
- ②連系に必要なための「工事費負担金契約(電力会社が行う工事費用)」
新制度(改正FIT法)では、先に「接続契約」が締結されないと「事業計画認定」の取得ができません。
「事業計画認定」が取得できないと、売電単価・調達期間が決まりません。
このように取り扱いが変わったのは、旧制度ではとりあえずの幽霊申請(からおさえ)が多く未稼働の発電設備の大量発生が問題視されたことが原因のひとつです。勘違いされている方が、多いので念のために書いておきますが
「接続契約」=「売電開始」ではありません。
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3-3.認定取得までのフローチャート
事業計画と接続契約の2つの手続きについて、時系列で把握しましょう。
【事業計画】とは、経済産業省に申請、認定を取得する手続きです。詳しくは「3-4.【事業計画】認定手続き」をご覧ください。
【接続契約】とは、送配電事業者(一般には中部電力などの電力会社)との間で結ぶ契約です。詳しくは「3-5.【接続契約】締結手続き」をご覧ください。
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3-4.【事業計画】認定手続きのポイントと解説
事業計画手続き3つのポイント
1. 認定を受けるには接続契約締結が必要
送配電事業者(電力会社)と接続契約をむすぶ前に申請することができます。
ただし、認定を取得できる条件として接続契約の締結が必要になります。
2. 旧制度で設備認定を取得している人も手続きが必要
旧制度で認定を取得している場合、2017年4月1日から、新制度で認定を取得したとみなされます。(=みなし認定)
2017年9月30日までに手続きを行わないと、認定が失効(取り消し)になります。
売電開始済みの発電所も対象となるので注意してください。
3. メールアドレスが原則必須に
制度の重要な変更などをメールで配信するため、設備設置者のメールアドレス登録が原則必須となりました。
何らかの事情でメールアドレスがない場合、添付する書類が増えます。また、審査の手続き上時間がかかります。
3-4-1.事業計画の内容(みなし認定の場合)
・申請項目一覧表
みなし認定の場合、設置規模によって申請内容が異なります。下表の通りです。
申請項目(※)の項目は、10kW未満の場合不要 |
---|
設置者氏名、電話番号、e-mailアドレス、住所 |
運転開始状況 |
(※)太陽電池の合計出力 |
事業区域の面積(平方m) |
接続契約締結日 |
接続契約締結先(送配電事業者、電力会社) |
特定契約締結先(売電先) |
買取価格(税抜き) |
(※)電源接続案件募集プロセス参加の有無 |
(※)工事負担金(任意) |
(※)連系工事期間(任意) |
遵守事項への同意確認(チェック形式) |
・添付資料は接続の同意を証する書類のみ
接続契約締結日などの確認のため、「接続の同意を証する書類」が必要になります。
・メンテナンス計画は提出する必要なし
メンテナンスの計画を作成し保管する義務があります。(提出しなくても良いけど、当然作ってくださいねという意味)
3-4-2.事業計画の内容(新規認定の場合)
・申請内容は設置者の情報、発電所の仕様、設置から撤去処分までの計画
新規認定申請の場合、設置規模だけでなく、個人か法人かによって少々異なります。
新規認定の申請内容は次の3つに大別できます。
①設置者(個人・法人)の個人情報
②発電所規模、仕様の情報
③設置や保守管理の計画
①、②は旧制度の設備認定とほぼ同じ内容です。法人の場合、法人番号が必須となります。
③の「設置や保守管理の計画」は新FIT法から加わった内容です。
事業の開始からメンテナンスや事業終了後の撤去・処分について申請します。
主な内容は、事業の開始予定時期、メンテナンスや撤去・処分にかかる見込みの金額、そして保守点検の計画です。
・添付資料は発電所や設置者によって異なる
添付資料は発電所や設置者によって異なります。
添付書類で絶対に必要なものは、「接続の同意を証する書類」です。
他人が所有する土地、屋根を買って、または借りて設置する場合、持ち主の同意を示す書類が必要になります。申請を業者に代行してもらう場合、経産省に登録するためのメールアドレスがないと委任状と印鑑証明が必要になります。
3-4-3.期限:事業計画の提出期限は?
事業計画の提出期限は、2通りあります。
旧制度で認定を取得している場合は
期限:2017年9月30日まで
2017年4月1日以降で、認定日の翌日から9ヶ月以内に接続契約を締結した場合は
期限:接続契約の締結日から6ヶ月以内
提出期限をすぎた場合の罰則は、聴聞を行ったうえで「認定取消」の可能性がある(2017.4.11追記)
提出期限を超過した場合の処置について、資源エネルギー庁のご担当者からお電話で指摘が入りました。(2017.04.11)
いただいたご指摘によれば、事業計画の提出期限を超過した場合、即座に「認定失効」ではなく、聴聞を行ったうえで「認定取消」の可能性があるとのことです。「失効」という言葉の意味が強力なのでご心配される方も多いと思いますが、十分な期間と提出手段がありますので落ち着いて行動しましょう。
2017年度の単価を取得したい場合、2018年3月末までに事業計画認定を取得する必要があります。審査にかかる日数を考慮し、早めに提出する必要があります。
余談:改正FIT法のパンフレットや資料には、「認定失効」と「認定取り消し」という言葉が使い分けられています。その言葉の意味の違いが気になったので資源エネルギー庁に確認してみました。(2017.3.15)
資源エネルギー庁(2017.3.15)
- 【認定失効】:期日が来たら通知等無しに認定を取り消し
- 【認定取り消し】:是正勧告など行ったうえで、改善されない場合認定を取り消し
- 連系済で、事業計画を期日までに提出しなかった場合の「認定失効」については、詳細は未定。(※)
- 認定が失効してしまった発電所はどんな手続きをすればいいのかは未定。
資源エネルギー庁(2017.4.11)追記
- ※…事業計画の提出期限を超過した場合、即座に「認定失効」ではなく、聴聞を行ったうえで「認定取消」の可能性がある。
と、いうことでした。
認定が取り消されると、売電単価も取り消しになります。詳しいことが分かり次第、情報を更新します。
3-4-4.提出方法:どうやって提出するか?
提出方法(原則):インターネットでの電子申請 ←基本は電子申請
提出方法(例外):紙面での郵送(直接持参は不可)←例外的に郵便
郵送の宛先 再生可能エネルギー新制度移行手続代行センター
〒273-0011 千葉県船橋市湊町2-6-33 NTT船橋湊ビル2階
※紙で事業計画を提出する場合は、必ず郵送。持参しても受付不可なので注意。
事業計画認定は、代行機関を通じて経済産業局へ提出します。
再生可能エネルギー電子申請というインターネット上のシステム(https://www.fit-portal.go.jp/)を使用します。
みなし認定の事業計画を提出する具体的な方法はこちらの記事をご覧ください。
3-4-5.注意事項:提出時には「ID」と「パスワード」が必要
インターネット上のシステム(https://www.fit-portal.go.jp/)を利用して申請するために、IDとパスワードが必要です。
- 旧制度で登録した「申請者ID」とパスワードを使用する。
- 新たにユーザー登録してIDとパスワードを発行してもらう。
という2つの手段があります。
特にみなし申請の場合、旧制度で登録した「申請者ID」が必要となります。(※「設置者ID」では手続きできないので注意)
こんなケースは「紙面での手続き」になります。
- 設置業者が事業を撤退・倒産してしまい申請者IDを確認できない場合
- 設置業者から申請者IDを何らかの理由で教えてもらえない場合(※)
(※)設置業者の中にはどのお客様の申請も同じ申請者IDで提出している場合があります。その場合、自分で手続きするから教えて欲しい、と言っても教えてもらえません。
「申請者ID」がわからなくても慌てることはありません。
「紙面での手続き」を行いましょう。
3-4-6. 事業計画の申請承認の流れ
事業計画を申請すると、2通のメールが届きます。
1通目は、設置者に割り振られたユーザー名のパスワード設定のメールです。パスワードを変更しましょう。
※クリックすると画像が拡大されます(新しいタブで開く)
2通目は、「申請することに同意するかどうか」確認するためのメールです。
※クリックすると画像が拡大されます(新しいタブで開く)
内容が正しければ、メールに記載されている「承認コード」を入力して承認ボタンを押すことで、申請が完了します。
どのような内容が記載されているのかを画像を交えて解説しています。
万が一紛失してしまった場合の再発行方法も記載していますので、認定を受けられたことがある人は、ぜひ一度お読みください。
3-4-7. 費用:業者に依頼する場合の費用の目安
費用:1万円〜2万円(業者に依頼した場合)
太陽光発電のメンテナンスや太陽光発電の設置工事、フェンス・標識等の設置と合わせて依頼した場合、サービスで行ってくれる業者もあります。
3-4-8. 変更手続:事業計画を変更した場合
事業計画を変更する場合、手続きが必要になります。
「変更認定」「事前変更届出」「事後変更届出」の3種類となります。
旧制度と同様に、変更する内容によって、売電単価が変わる場合があります。
詳細は未定です。発表され次第、更新します。
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3-5.【接続契約】締結手続きの解説
売電するためには、送配電事業者(電力会社)との手続きが必要になります。
電力網と接続する契約を「接続契約」といい、固定価格で売電する契約を「特定契約」といいます。
申し込み手続き(書類の提出)を行い、送配電事業者から接続の同意を得られると、接続契約が締結されます。
3-5-1. 内容:何をするのか?
送配電事業者(通常は、管轄の電力会社)に必要書類を提出する
・パネル配置図
・接続契約申込書(売電の振込先口座を記載)
・引き込み図面 等
※送配電事業者によって提出する書類が異なります。詳しくは各送配電事業者にお問い合わせください。
基本的に、電気工事店しか接続契約の申込み手続きをできません。(中部電力の場合は、低圧太陽光発電に限って、個人でも電気工事士免許を所有していれば、申請可能です)
旧制度では「再生可能エネルギー発電設備を用いた発電の認定について(通知)」(設備認定通知書)を提出する必要がありました。新制度は手続きの流れが変更になったため、必要書類が変わります。
3-5-2. 期限:接続契約の締結期限は?
旧制度で認定を取得していて、2017年3月末までに接続契約を締結していない場合、認定が失効します。(2017年7月1日~3月31日に認定を取得した場合を除く)
新制度で認定を取得している場合、特に期限はない。
ただし、接続契約が締結されないと、資源エネルギー庁の認定を取得することができず、売電単価を確保することもできません。
(例)2017年度の単価で太陽光発電を設置したい場合
売電単価の決定には、2018年3月末までに「事業計画認定」を取得する必要があります。その処理にかかる時間を見込んで遅くとも「2018年1月末(目安)」までには「接続契約」の締結を完了しておく必要あります。
年末と年度末は、毎年混み合い時間が長くかかりますので要注意。
3-5-3.誰に:どこへ提出するか?
提出先:各送配電事業者(東京電力パワーグリッド、中部電力など)
送配電事業者とは、ほとんどの場合電力会社のことです。
3-5-4.費用:業者に依頼する場合の費用の目安
費用:1万円〜3万円(業者によって異なります)
設置した太陽光発電業者の事業撤退など何らかの理由で接続契約の申込み手続きを業者に依頼する場合があるかもしれません。
費用は1万円~3万円ほど見込んでおきましょう。(業者によって金額が異なります)
引き込み図面の作成にあたり、設置場所付近の確認が必要になるので、事業計画の提出よりも高額になることがあります。
太陽光発電の設置工事と合わせて依頼した場合はサービスで行ってくれることもあります。「太陽光発電 地域名」などで検索をして問い合わせをして見てください。
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4.オーナーに発生する3つの義務
改正FIT法でオーナーに発生する義務は3つあります。
改正FIT法でオーナーに発生する義務は3つ
- 標識の掲示義務(屋根置きの場合は不要)
- メンテナンス(O&M)の実施義務
- フェンスの設置義務(屋根置きの場合は不要)
出典:改正FIT法に関する直前説明会配布資料(資源エネルギー庁) 事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)pdf
4-1.標識の掲示(義務その①)
標識の掲示は、出力20kW以上で地面設置の発電設備に対して、原則として義務づけられます。標識の目的は、緊急時の連絡先や苦情の窓口ですので、屋根上の太陽光発電のように所有者が明確なものは対象外です。
太陽光発電の標識について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
太陽光発電の標識(看板)設置の完全ガイド|ルール・書き方・選び方
4-1-1.標識に書くべき内容の解説
標識に書く内容は、基本的に事業計画に記載した内容と同じものを書きます。(下図参照)
以下、標識の記載項目(ア)〜(サ)について、それぞれ解説します。
記載項目 | 書く内容 | |
設備の情報 | (ア)区分 | 再生可能エネルギー発電設備の区分を書きます。太陽光なら「太陽光発電設備」。 |
(イ)名称 | あなたの太陽光発電設備の名前を記入します。 | |
(ウ)設備ID | 設備認定書に記載されている。 | |
(エ)所在地 | 設備が設置されている住所を記載します。 | |
(オ)発電出力 | 申請上の出力を記載します。パネルの出力ではありませんので要注意! | |
所有者の情報 | (カ)氏名 | ・個人の場合は、フルネームを記載します。 ・法人の場合は、法人名を記載します。(代表者の名前は任意) |
(キ)住所 | (カ)で書かれた氏名の住所を記載します。 | |
(ク)連絡先 | (カ)で書かれた氏名の電話番号を記載します。(コ)に記載する場合は不要。 | |
メンテ責任者 | (ケ)氏名 | メンテナンス責任者(契約中のO&M業者など)を記載します。 |
(コ)連絡先 | (ケ)で書かれたメンテ責任者の電話番号です。(ク)に記載の場合は不要。 | |
(サ)運転開始年月日 | ・稼働済みの場合は、実際に発電開始した年月日(西暦)を記載します。 ・未稼働の場合は、運転開始予定日を記載します。 |
- 「設備認定書」または「事業計画書」を見て同じ内容を記載しましょう。
- 契約していないメンテナンス業者の連絡先は書かないようにしましょう。
4-1-2.標識の仕様(大きさ・素材)
大きさ:縦25cm以上、横35cm以上
A3の紙よりもやや小さいサイズです。標識設置の目的は、太陽光発電設備に何か問題(外観的な破損や事故など)があった時に連絡が取れる状態にすることです。内容がすぐわかるように、ある程度の大きさが必要になります。
素材:風雨により劣化・風化し文字が消えることがない適切な材料
屋外看板用の仕様(アルミ複合板・UVシート)にしておけば、大丈夫です。
PP板(ポリプロピレン)系の素材など、耐候性がないと1年ほどでダメになるものが多いので「いつ間にかはずれて無くなっていた」ということがないようにしましょう。
4-1-3.掲示する場所
掲示場所:外部から見えやすい位置
発電設備の外部から見やすい位置に取り付けます。
標識には、あなた(設置者)の氏名や住所などの個人情報を記載する必要があるので、あまり見せたくないかもしれません。
しかし、標識掲示の目的が、太陽光発電設備に何か問題(外観的な破損や事故など)があった時に連絡が取れる状態にすることですので、客観的にわかりやすい場所にすることが求められます。
東京で開催された改正FIT法の説明会では、「太陽光発電も事業なので明らかにする必要がある」と説明がありました。
4-1-4.標識設置の期限
期限:2018年3月31日まで(旧FIT法で稼働済みの設備の場合)
期限:未着工の場合は着工時 今すぐ(2017年4月以降に着工する場合)
2017年3月31日以前の旧FIT法で設備認定を取得していて、既に発電開始している案件については、改正FIT法の認定を取得したとみなされた日(4月1日)から「1年以内」に設置する必要があります。
注意点として、2017年4月1日から「1年以内」ですので、2018年3月31日が期限となります。
2017年4月以降に設置する方は、土地の開発・造成後(開発・造成を行わない場合は、太陽光発電設備の着工後)、速やかに掲示します。旧FIT法で認定を受けたものであっても未着工であれば同様です。
4-1-5.標識の費用の目安
費用の目安:2,000〜15,000円
(画像をクリックするとYahooストアの詳細ページに移動します。)
1枚2,017円で「Yahoo!ストア」からご購入いただけます。
記載事項は空欄にしておりますので、ご自身で記入してください。
ご自身で発注される際は、看板の材質や強度が屋外に長期間設置しても問題ないか(耐候性があるか)確認してください。
一般的に、数枚程度の発注だとデータの作成費などが発生するため6~9000円程度と割高になってしまいます。
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4-2.メンテナンス(O&M)の実行(義務その②)
改正FIT法とメンテナンス
- 事業計画認定申請時にメンテナンスの計画を提出する
- 発電開始後は、事業計画申請時のメンテナンス計画に則り、適切なメンテを実施する必要がある
みなし認定の場合も、メンテナンス計画を作成し実施する義務があります。(ただし提出不要)
具体的なメンテナンスの内容、頻度については「民間のガイドラインが基準」になります。
メンテナンスの一般的な費用については、「太陽光発電日常点検」をご覧ください。
4-2-1.メンテナンスの内容
メンテナンスの内容は、メンテナンス計画に則る必要があります。メンテナンス計画には「定めるべき内容」として以下の6つの項目が挙げられています。
計画に定めるべき内容
【いつ】保守点検及び維持管理スケジュール
【だれ】保守点検及び維持管理の人員配置・体制計画
【どこ】保守点検及び維持管理の範囲
【どう】保守点検及び維持管理の方法
【法律】保守点検及び維持管理時の安全対策
【記録】保守点検及び維持管理結果の記録方法
最低限、この6項目を民間のガイドラインに従って決める必要があります。
4-2-2.メンテナンスの頻度
民間のガイドラインでは、メンテナンスの頻度が設置容量10kW未満と以上で、このように示されています。
10kW未満の頻度:1年目、5年目、9年目、以降4年に1回
10kW以上の頻度:4年に1回
4-2-3.メンテナンスの費用の目安
設備の規模や必要な内容によって費用が異なります。
一般的な費用については「太陽光発電日常点検」をご覧ください。
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4-3.フェンス・侵入防止柵の設置と立入禁止の看板の掲示(義務その③)
フェンスは、感電等の事故防止、いたずら等で発電所が止まることの防止を目的として義務づけられました。屋根上に設置している場合など、発電設備に第三者が物理的に近づけない場合は対象外です。
4-3-1.フェンスの仕様
フェンスに求められる仕様は、素材の「金網等」というもの以外あまり具体的ではありません。3つのポイントに注意しましょう。
①:外部から触れられないように、パネル等の発電設備と十分な距離をとること
②:容易に立ち入ることのできない高さの柵塀等を設置すること
③:金網等、第三者が容易に取り除くことができないものをつかうこと(ロープなどの簡易な物はダメ)
設置期限や罰則についても記載していますので、野立て太陽光発電オーナーさんはぜひご一読ください。
4-3-2.フェンスの設置期限
期限:2018年3月31日まで(旧FIT法で稼働済みの設備の場合)
期限:未着工の場合は着工時 今すぐ(2017年4月以降に着工する場合)
2017年3月31日以前の旧FIT法で設備認定を取得していて、既に発電開始している案件については、改正FIT法の認定を取得したとみなされた日(4月1日)から「1年以内」に設置する必要があります。注意点として、2017年4月1日から「1年以内」ですので、2018年3月31日が期限となります。
2017年4月以降に設置する方は、土地の開発・造成後(開発・造成を行わない場合は、太陽光発電設備の着工後)、速やかに設置します。旧FIT法で認定を受けたものであっても未着工であれば同様です。
4-3-3.フェンスの費用の目安
素材や基礎の仕様、総延長によって異なります。あくまで目安としてお考えください。
費用の目安:6,000~10,000円/m
4-3-4.立入禁止の表示義務
低圧の太陽光発電(屋根設置などは除く)もフェンスに「立入禁止」の看板を掲示する必要があります。客観的に見て「立入禁止」であることがわかれば問題ありません。
なぜなら、事業計画ガイドライン(資源エネルギー庁)に、このような記載があるためです。
柵塀等については、第三者が容易に取り除くことができないものを用いること。また、出入口に施錠等を行うとともに、外部から見えやすいいちに立入禁止の表示を掲げる等の対策を講ずること。
「事業計画ガイドライン」平成29年3月 資源エネルギー庁 「4..周辺への配慮 ⑤」より引用
通常、ほとんどの太陽光発電設備は、誰かが常駐していません。そして、現状では地面設置型の太陽光発電に第三者が簡単に近づけることが問題になっています。万一、設備が故障している場合に第三者が感電するなどの危険防止や安定的な発電が邪魔されないように設けられた措置です。
太陽光発電を設置する際には、「事業計画ガイドラインに従って適切に事業を行う」必要があるのでオーナーの義務となります。
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5.過去に取得した売電単価が確保できているか確認する3つの方法と注意点
取得している売電単価を確認する方法は3つあります。
5-1.電力会社に確認する
1つ目の方法は、「電力会社に確認する」ことです。
電力会社に確認することで1次情報を得ることができます。伝達ミスの発生が極めて低くなりますので、一番オススメの確認方法です。
それでは、実際に電力会社に確認する際のステップを見ていきましょう。
電力会社に売電単価を確認する6ステップ
step1. 設置場所の管轄営業所に電話をする
管轄営業所がわからない方は、電力会社のホームページに記載されている電話番号に電話をして担当営業所を聞きましょう。
step2. 太陽光発電の担当者に繋いでもらう
「太陽光発電のご担当者をお願いします。」と伝えてください。
step3. 担当者に「設置場所の住所」と「設置者名義」を伝える
あらかじめ番地までの正確な住所がわかるものを用意しましょう。
step4. 「いつの売電単価が適用されているか」を確認する
平成何年度の単価か?と聞くのがポイントです。
step5. 相手方の氏名(フルネーム)と担当課を確認する。
勘違いや再問い合わせ時に必要です。
step6. 日時と内容のメモをする
可能であればFAXをもらいましょう。
電話確認時の注意ポイント
- 売電単価が36円でも24円でも「売電単価は確保できている」という回答になります。
- 「平成**年度の売電単価が確保できているか」を確認する必要があります。
5-2.電力会社の書類を探す
中部電力の場合、原則として「工事費負担金の請求書」が届いていれば、売電単価が確保されています。
売電単価は、「接続契約締結時」に確定することになっています。
工事費負担金の請求書は、接続契約後に発行されるものです。
つまり、「工事費負担金の請求書が届いている=売電単価が確保できている」ということになります。
注意ポイント
- 「接続契約締結」のタイミングは電力会社によって異なります。
- 発電開始=接続契約ではありません。
- 接続契約は発電開始前に結ばれるものです。
接続の同意(接続契約の締結)を示す書類の名称は電力会社ごとに異なります。管轄の電力会社について確認してください。※旧制度で認定を取得し、接続契約が締結されている場合、売電単価は確保できています。
5-3.申請を依頼した太陽光発電業者に根拠を確認する
業者に「売電単価が確保されている」ことを確認する場合は、根拠を求めましょう。
電力会社からの接続の同意(接続契約の締結)を示す書類等があれば安心です。
注意ポイント
- 業者が「申請したつもり」で「売電単価は確保できている」と思い込んでいる場合もあります。何を根拠にして「確保できている」と言っているのか、注意してください。
5-4.【追記】提出期限を守っていれば、2017年度の売電価格が適用される
FITの認定が遅れている問題で、経産省(資源エネルギー庁)からアナウンスがありましたので追記しました。
《 2017年度のFIT認定審査について(報告) 2018年2月22日 資源エネルギー庁 》※リンク切れ
総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会 再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第3回)‐配布資料
要約すると『FITの審査が遅れているけど、元々の各提出物の締め切りを守っていれば2017年度の売電価格を適用します。(経過措置)』という内容です。
配布資料の内容まとめ | |
---|---|
FIT審査の状況 | 未審査・審査中案件が昨年度同時期比で173%になった。 年度内に審査を完了するのは非常に困難。 |
FIT審査の問題 | 申請期限を守っていても2017年度の売電価格が適用されないと事業の採算性が大きく変わる。 |
FTI審査の対応策 (経過措置) | 経過措置として、あらかじめ設定されていた期限までに申請した案件は、認定日が2018年4月以降になったとしても、2017年度の売電価格を適用する。 |
あらかじめ設定されていた期限 | ・申請期限:2018年1月12日(バイオマスは2017年12月12日) ・接続同意提出期限:2018年2月16日 どちらの期限も守っていることがポイント。 |
ちなみに書類のタイトルが「報告」となっているので、本日(2/26)、新エネルギー課へ確認したところ、「決定」だそうです。
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まとめ 改正FIT法のポイントと今後の予定
改正FIT法による必要な手続きと義務について把握していただけたでしょうか。
おさらいとして必要となる5つの手続きと義務は以下の通りです。
5つの手続きと義務 「いつまでに」「何をすれば良いか」を確実に理解しておきましょう。
- 【手続き】事業計画の提出
- 【手続き】接続契約の締結
- 【義務】標識の掲示(屋外設置除く)
- 【義務】メンテナンスの実施
- 【義務】フェンスの設置(屋外設置除く)
「いつまでに」「何をすれば良いか」を確実に理解しておきましょう。
現状、文言の解釈など細かい部分について情報が更新され次第、この記事に追記していく予定です。実際に、東京で開催された資源エネ庁による第1回説明会の内容からの変更点も多くありました。
固定価格買取制度は、これまでにも細かい部分で毎年のように規制が追加されてきた経緯があります。
今回の「改正FIT法」は今までにない大型のアップデートとなりましたが、今後も太陽光パネルの増設や過積載についての取り決めなどルールが追加されることが予想されます。
大切な設備を安心安全に運用するためにも、こまめな情報収集を欠かさないようにしましょう!