【税理士監修】太陽光発電設置で発生する税金の種類【低圧・50kW未満】

【税理士監修】太陽光発電設置で発生する税金の種類【低圧・50kW未満】

太陽光発電を設置する税金が発生することは、ご存知だと思います。
それでは、どんな税金が発生するか全て把握されていますか?
こう聞かれるとなかなか難しいですよね。
うっかり納税を忘れていると、加算税や延滞税がかかり、余分にお金を払うことに…。
と、ならないようにご自宅の屋根や遊休地に太陽光発電を設置した方は、ぜひこの記事を読んでご参考になさってください。

【注意】本記事の内容は一般的なものです。
実際の税に関するご相談は、必ず管轄の税務署またはお近くの税理士さんにお問い合わせください。

1.太陽光発電にかかる税金って何があるの?

太陽光発電にかかる税金は、大きくわけて4つあります。

「固定資産税(償却資産税)」:太陽光発電の設備に対してかかる税金です。
「所得税」:売電の所得に対してかかる税金です
「住民税」:売電の所得に対してかかる税金です。
「消費税」:売電金額には消費税が含まれています。

それぞれの税金について、詳しく説明します。

※太陽光発電を設置した土地や建物にも固定資産税がかかりますが、この記事では説明しておりません。

2.固定資産税(償却資産税)ってどんな税金なの?

土地や住宅等の固定資産を持っていると、税金がかかります。
同じように太陽光発電にも固定資産税がかかります
建物と同様、太陽光発電は年々価値が下がる(減価償却する)ため、税額も徐々に少なくなります。

2-1.固定資産税の計算方法

例えば、1000万円の太陽光発電システムを買った場合の固定資産税はどうなるのでしょうか。
下の表は、1年目から14年目までの課税標準額(税金の評価基準となる金額)と固定資産税(実際の税金額)の推移です。

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目
課税標準額 9,360,000 8,171,280 7,133,527 6,227,569 5,436,668 4,746,211 4,143,442
固定資産税 131,000 114,300 99,800 87,100 76,100 66,400 58,000
8年目 9年目 10年目 11年目 12年目 13年目 14年目
課税標準額 3,617,225 3,157,838 2,756,792 2,406,680 2,101,031 1,834,200 1,601,257
固定資産税 50,600 44,100 38,500 33,600 29,400 25,600 22,400

課税標準額が150万円未満の場合、固定資産税はかかりません
※自治体によっては固定資産の減税を実施している場合があります。
詳しくは設置場所の市役所(役場)へお問い合わせください。(お住まいの市役所ではありません)
1年目に131,000円、2年目に114,300円かかります。
このケースでは、15年目以降は課税標準額が150万円未満になるため、固定資産税がかからなくなります。全体として876,900円かかります。

2-2.固定資産税の具体的な手続き方法

太陽光発電の固定資産税は申告制です。
毎年1月1日時点で所有している太陽光発電設備を設置場所の市役所(役場)に申告します。
申告された情報によって、税額が決まり、通知が送られてきます。

《ちょっとラッキー!?例外あれこれ》
10kW未満の住宅用太陽光発電については、課税対象外とする地方自治体もあります。
10kW以上であっても、自宅の屋根上設置であれば対象外となる場合もあります。

太陽光発電設備所在の市役所(役場)の税務課等にご確認ください。

3.所得税がかかるって聞いたけど…?

太陽光発電と所得税太陽光発電の売電収入に、所得税がかかります。
所得税が発生しないのは、売電をしないで完全に自家消費をしている場合です。
売電をしなければ所得が発生しませんので、当然といえば当然ですがわかりにくいですよね。

 

3-1.雑所得について

太陽光発電の売電収入は、所得税の中でも「雑所得」という区分になります。
事業として行われていない原稿料収入やFX取引、講演での謝礼金などと合算して計算します。
雑所得の合計が20万円以上になると、税額確定のために、確定申告が必要になりますのでご注意ください。

3-2.確定申告について

企業に勤めている多くの人は、年末調整を行い会社で税金の計算をしてもらっていると思います。
しかし、売電収入が多い人は、確定申告を行う必要があります。
詳しい方法は、管轄の税務署(※)や税理士に相談してください。
※…意外に思われるかもしれませんが、同じ税制でも管轄によってルールが微妙に異なることがあります。

3-3.経費計上して節税が可能!

所得税は売上(売電金額)ではなく、所得に対してかかります。
つまり、メンテナンスの費用や、太陽光発電の動産保険料、ローンや融資の返済金利などが、経費として売上から差し引くことができます。
もし、売電収入が20万円を少し超えそうな場合は、メンテナンス等で経費をかけて節税するという方法もあります。どんなものが経費になるかは、「太陽光発電とメンテナンス経費 賢いオーナーが知っている一覧表【税理士監修】」をご覧ください。

4.住民税はどのぐらい増えるの?

太陽光発電を設置して売電収入が得ると、所得が増えた分だけ住民税が増えます。
住民税は、通常、住んでいる都道府県、市町村に払っている税金ですね。
この住民税には2つの種類あります。

①均等割
所得金額に関係なく課税されます。金額は地方自治体によって異なります。この金額は太陽光発電の設置前後で違いがありません。

例えば岐阜市に住んでいる人の場合は…
岐阜県:2,500円 岐阜市:3,500円となり、合計の6,000円が課税されます。

②所得割
前年の所得合計額に対して10%の割合で課税されます。

前章「3」の所得税で書いた通り、売電収入は雑所得として所得に含まれます。
従って、売電収入により増えた所得金額の10%分だけ住民税が増加します。
住民税は前年の所得に対して課税されますので、売電開始の翌年の住民税から増加することになります。

5.消費税って払わなくていいの?

消費税売電収入には、消費税が含まれています。
本来、受け取った消費税は納税する必要があります。
しかし、消費税が課税されるのは、前々年の売電収入が1,000万円を超える場合です。
1,000万円を超える売電収入を得るには、かなりの容量の設備が必要です。
具体的に計算してみましょう。

平成28年度の売電単価は、1kWhあたり税別24円(税込25.92円)ですので
年間収入(1,000万円)÷単価(25.92円)=年間発電量(約386,000kWh)となります。
年間発電量で、386,000kWhを得るにはどのくらいの設備容量が必要となるでしょうか。

1kWあたりの設備容量が年間に発電する量を仮に1,000kWhとすると、

年間発電量(386,000kWh)÷1kW当りの年間発電量(1,000kWh)=設備容量(386kW)となります。

平成28年度の売電単価では、386kW以上の太陽光発電システムで1,000万円以上の売電収入となり消費税も収める必要が出てくることがわかりました。(※目安です。発電効率によって異なります。)

当然、低圧太陽光発電所1基以下では消費税の対象になりません。

ちなみに、消費税が8%から10%に上がった場合は、10kW以上の太陽光発電では売電単価も上がります。
(平成28年の場合、税込単価が25.92円→26.4円)
設備の効率が単純に2%UPするようなものですので、年間1,000万円以下の売電収入を得られる太陽光発電事業者にとっては、消費税増税は収入が増えることになります。
一方で、10kW未満の設備の場合は、売電単価が税込(内税)で決められていますのでこの効果はありません。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。
把握されていない税金はありませんか?税金が未納の場合、加算税や延滞税で余分に課税されることもあります。払う必要のあるものをきちんと理解しておきたいところです。

太陽光発電は、手に入れておしまい、という商品ではありません。
場合によっては、メンテナンスや保険の加入も活用されると、節税対策になることがお分かりいただけたと思います。
低圧の太陽光発電を新たにご検討されている方や、順調に稼働している方も一度現状をご確認ください。