「太陽光発電を設置したいけど、お隣さんとトラブルにならないか心配だなぁ」と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際に、太陽光発電の設置がきっかけでトラブルになるケースがあります。
なぜなら、ほとんどの方にとって初めての設置なのでどんな苦情があるか想像できないからです。
しかし、そのほとんどが事前に対処をすれば防ぐことができることばかりです。
どのようなことがトラブルになるのかを知らずに設置してしまうと、お隣さんや近隣の住民の方からクレームが入り、あなたのストレスの原因となってしまうかもしれません。
この記事では、そもそも太陽光発電に関わる近隣トラブルにはどのようなものがあるのかを紹介し、あわせてその回避方法をご紹介します。
この記事を読んで、事前に対策をすれば十分に回避することができるので、これから太陽光発電を検討する方はぜひご覧ください。
1.近隣住民とのトラブル一覧と対処法
太陽光発電を設置して発生する可能性がある近隣トラブルを紹介します。
ほとんどのトラブルが事前に対策をすることができます。
1-1.反射光トラブル【地面、屋根共通】
反射光トラブルは、太陽光発電の代表的な近隣トラブルと言えるでしょう。
過去には裁判にまで至った事例もあります。
なぜ反射光問題が起こるのでしょうか?
それは販売業者が反射光のことをよくわかっていないからです。
【対策】反射光は計算ができるので事前に調査をする
反射光は計算することができるので、事前に計算をすれば回避することができます。
また、反射光が当たる場合は事前にそこのお宅に「どの程度当たるのか」を説明することができます。
※説明した上で、近隣の方が納得するかどうかは別ですが…
ソラサポでは反射光について過去の裁判事例をもとに詳しく解説した記事を公開しています。
ぜひご一読ください。
1-2.雪のトラブル【屋根】
太陽光パネルから落ちる雪にも近隣トラブルの可能性が潜んでいます。
写真の通り、屋根の太陽光パネルから雪が一気に落ちる可能性があります。
パネルから落ちた雪が人や隣地のものを傷つけるとトラブルに発展します。
【対策】雪止め金具を設置するなど、雪が落ちないような対策をする
雪が落ちる地域では「雪止め金具」を設置することをおすすめします。
契約前に設置業者へ雪止め金具設置の依頼をしましょう。
(パネルと屋根の間に設置するもは、屋根材に固定するタイプです。)
1-3.音のトラブル【地面、屋根共通】
太陽光発電を設置するときに「パワーコンディショナー」という機械が取り付けられます。
パネルで発電した直流電力を一般家庭などで使う交流電力に変換する太陽光発電システムの心臓部です。
パワーコンディショナーは動作音がします。
その動作音により近隣の方とトラブルになってしまうケースでがあります。
【対策】パワコンの動作音のレベルを知り、事前に隣地へ説明する
動作音は40デシベル程度で、エアコンの室外機と同程度の音を発します。
エアコンの室外機というと「騒音レベルではない」と思う方が多いですが、実際にパワコンの動作音によりトラブルになるケースがあります。
しかし、そのトラブルというのも元々お隣さんと仲が悪く、事あるごとに文句を言われるケースが多いです。
ただ確かに動作音はしますので、事前にお隣さんに「エアコンの室外機程度の音が出ます。」と説明しておいたほうが良いかもしれません。
ファンのないパワコンはほとんど音が出ません。
この動画のパワコンはファンがありませんのですごく静かですが、ファン付きのパワコンはもう少し音が大きくなります。
1-4.電磁波トラブル【地面、屋根共通】
太陽光発電システムを設置してお隣さんから「電磁波の影響で体調が悪くなった」と言われてトラブルになるケースがあります。
「電磁波が…」と言われてしまうと、一般の方が証明することは難しいと思います。
相手の主観で一方的に言われるケースもありますので、事前に客観的な知識を得ましょう。
【対策】正しい知識を得る
確かに、太陽光発電システムは電磁波を発生させますが、一般住宅にある家電製品も電磁波を発生させます。
太陽光発電システムの電磁波は、研究機関の一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センターの発表によると、国際機関のガイドラインの基準を十分下回る数値とのことです。
詳しく知りたい方は以下の資料をご覧ください。
太陽光発電システムから発生する電磁界
(引用元:一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター ジェイクくんのなっとく!電磁波)屋根に設置しようと考えていますが、発生する電磁界は健康に悪い影響を及ぼすのでしょうか?
(引用元:一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター よくある質問)太陽光発電システムから発生する静磁界及び商用周波数磁界
(引用元:一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター)太陽光発電システムからの磁界測定結果
(引用元:一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター)
1-5.雑草の苦情トラブル【地面】
野立て太陽光発電の場合、雑草が近隣トラブルの原因となる可能性が高いです。
写真のような状態になると
・景観を悪くする
・獣や虫が棲みつく
・火災の危険がある
・雑草が隣地に侵入する
このような要因から苦情が入ってきます。
せっかく投資で太陽光発電を設置したにもかかわらず、周辺住民との関係が悪くなってしまうとストレスになります。
【対策】雑草が生えにくい環境を作る
そうならないように野立ての太陽光発電所では雑草対策をするようにしましょう。
太陽光発電所の雑草対策をまとめた記事がありますのでぜひご一読ください。
1-6.土壌流失のトラブル【地面】
野立て太陽光発電は強い雨が降った際にお隣の土地に土壌流失してトラブルになる可能性があります。
特に傾斜がある土地では、太陽光発電所の土や砕石が流れる可能性があるので、十分に注意が必要です。
【対策】土壌流失をしないように防草シートやグランドカバープランツをする
土が剥き出しの状態では雨のときに土が流れやすくなってしまいます。
防草シートやグランドカバープランツなどをすれば土壌流出防止につながります。
ソラサポでは公共事業などで土壌流失防止のために植えられる「クラピア」を取り扱っています。
きになる方はぜひご覧ください。
1-7.土地境界トラブル【地面】
野立て太陽光発電所の工事をするときにお隣の方が「俺の土地だぞ!」とクレームをつけてくる場合があります。
土地境界が曖昧だと、自分の土地はもっと広いと主張する方がいます。
【対策】工事前に確定測量をする
事前に確定測量をすれば工事で越境することも無ければ、お隣から「俺の土地はもっと広いぞ!」なんて言われる心配もありません。
後々のトラブルを防ぐためにも、事前に測量をしておきましょう。
1-8.「子供が入って危ない」と近隣から苦情が入る【地面】
これは非常に多いトラブルです。
太陽光発電所に子どもたちが入らないように措置をする必要があります。
また、地面設置の太陽光は一定規模以上になると標識やフェンスの設置義務があります。
地面設置の太陽光発電を検討されている方は次の記事も合わせてお読みください。
2.近隣トラブルの他に太陽光設置前に必ず読むべき記事一覧
これから太陽光発電を設置する方向けにぜひ読んでいただきたいブログを紹介します。
事前に対策をすることで太陽光発電の成功率が格段に向上するでしょう。
大きな投資を失敗しないためにも、ぜひお読みください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
あなたが心配していたトラブルも、事前に対策をすることで十分に回避できることがお分かりになったと思います。
太陽光発電は、事前に「どのようなリスクがあってどのような回避方法があるのか」を知ることが非常に大切です。
事前に対策をして、順調に売電事業を行うことがあなたにとって最高の結果と言えるでしょう。