今月の発電量、少ないかな…!?他の人はどうなんだろう?
あなたは、こんな不安や疑問をもったことはありませんか?
発電量の比較をしたくても、発電所オーナーの知人が居ないと信頼できる発電データを見るのは難しいですよね。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2016年10月の天気
10月は天気のいい日、悪い日が数日ごとに入れ替わりました。
全体としては、やや雨や曇りの日が多かった印象です。
日照時間と発電量は、ほぼ比例する関係にあります。
9月に引き続き、発電量があまり伸びなかったのではないでしょうか。
(9月のデータが気になる方は『2016年9月の発電量と天気 【岐阜・三重・愛知】』をご覧ください)
気象庁は、2016年(平成28年)10月の天候の特徴は以下のとおりに発表しています。
- 西日本では月間日照時間がかなり少なかった
湿った空気が流れ込みやすかったため、西日本では曇りや雨の日が多く、月間日照時間がかなり少なかった。特に西日本日本海側では、月間日照時間が平年比66%となり、1946年の統計開始以来最も少なかった。- 北日本では下旬に記録的な低温
北日本では、上旬は気温が高かったが、下旬は強い寒気が流れ込んだためかなり低くなり、気温の変動が大きかった。特に30日から31日にかけて強い寒気が流れ込んだため、北海道を中心に44地点で日最低気温が統計開始以来10月として最も低くなった(タイ記録5地点を含む)。
(引用元:気象庁 報道発表資料『10月の天候』より)
西日本の日本海側は、9月に引き続き日照時間が統計開始以来最も少なかったのは驚きです。
天候は同じような傾向が続くこともある、ということでしょうか。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 156.3 | 90% | 64% |
高山 | 124.5 | 99% | 68% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
岐阜県では、北部と南部で9%差があり、北部はほぼ平年通りでした。
昨年の日照時間と比べると、「岐阜」では昨年比86時間短くなっています。
一方で、「高山」も昨年比で58時間短くなりました。
これは2016年10月の天気が悪かった、というよりも2015年10月の天気が良かった結果です。
(2015年10月の日照時間は、平年比で岐阜は139%、高山は145%でした)
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 6007.3 | 91% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 3734.5 | 78% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 4822.7 | 79% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 4091.3 | 76% |
羽島郡 | 57.42 | 49.5 | 5486.7 | 79% |
羽島郡 | 43.56 | 38.5 | 4395.7 | 79% |
羽島郡 | 42.40 | 39.6 | 3477.8 | 82% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 6607.7 | 80% |
加茂郡 | 27.00 | 23.2 | 2524.7 | 81% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1785.4 | 75% |
可児郡 | 58.14 | 49.5 | 5805.2 | 93% |
可児郡 | 48.96 | 39.6 | 4685.7 | 76% |
海津市 | 22.53 | 16.5 | 1630.3 | 77% |
関市 | 30.60 | 19.8 | 2472.1 | 79% |
関市 | 59.40 | 49.5 | 4462.2 | 77% |
岐阜市 | 13.50 | 11.0 | 1097.6 | 83% |
岐阜市 | 38.16 | 29.7 | 3510.0 | 81% |
岐阜市 | 35.19 | 33.0 | 2862.0 | 88% |
岐阜市 | 61.20 | 49.5 | 5241.9 | 78% |
岐阜市 | 54.32 | 49.5 | 4632.2 | 80% |
山県市 | 10.80 | 11.8 | 773.7 | 91% |
瑞穂市 | 27.04 | 22.0 | 2242.1 | 80% |
瑞浪市 | 62.22 | 49.5 | 5491.8 | 79% |
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 1954.3 | 81% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 2476.4 | 89% |
中津川市 | 66.30 | 49.5 | 5650.6 | 80% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 5627.5 | 79% |
中津川市 | 42.27 | 36.3 | 3820.1 | 77% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 3329.7 | 76% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 1314.8 | 81% |
本巣市 | 33.15 | 29.7 | 2411.8 | 78% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 1562.6 | 74% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 3567.9 | 79% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 4845.3 | 78% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 2800.2 | 78% |
揖斐郡 | 24.03 | 20.2 | 1746.6 | 82% |
岐阜県に設置されたパネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 86.7 | 80% |
岐阜県の発電量は昨年比で20%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)10月の「岐阜」の日照時間は、平年比で139%でした。
今年は平年比で90%なので、平年比のポイント差が50%近くあります。去年より少なくて当然ですね。
あまり「去年より発電していない!」と気にする必要はありません。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「86.7(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 86.7 × 8.0 = 693.6(kWh)
10月の月間発電量は、693.6(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した三重県内の観測地点における、今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 136.9 | 83% | 60% |
上野 | 119.8 | 83% | 58% |
尾鷲 | 111.8 | 79% | 55% |
四日市 | 116.9 | 75% | 55% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
三重県でも、全体的に昨年を大きく下回る日照時間となりました。
日照時間がもっとも少ない「尾鷲」では昨年よりも92時間短くなっています。
「四日市」は昨年比94時間短くなっており、半分に近い数字になっています。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 1674.2 | 76% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 4490.9 | 76% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 4761.4 | 77% |
津市 | 64.26 | 49.5 | 5818.6 | 75% |
津市 | 39.27 | 31.9 | 2937.2 | 74% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 1769.0 | 76% |
三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 83.3 | 76% |
三重県の発電量は昨年比で約30%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)10月の「津」の日照時間は、平年比で139%でした。
平年より多い年、悪い年として、年ごとの発電量のブレ幅の目安になるかと思います。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「83.3(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 83.3 × 8.0 = 666.4(kWh)
10月の月間発電量は、666.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 143.5 | 85% | 60% |
伊良湖 | 136.0 | 82% | 60% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
愛知県では、両方の観測地点で昨年比が約40%減のほぼ同じ結果になりました。
「名古屋」は昨年より97時間も短くなっています。
一方で、「伊良湖」の日照時間も昨年比で90時間も短くなりました。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 4096.4 | 76% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 5032.8 | 80% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 5480.2 | 77% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 3656.4 | 69% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 3576.3 | 71% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 3653.4 | 69% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 4682.2 | 78% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 4083.4 | 69% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 4037.9 | 69% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 4437.6 | 68% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 4991.7 | 76% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 2581.2 | 87% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 3724.9 | 61% |
大府市 | 62.64 | 49.5 | 5147.2 | 76% |
弥富市 | 24.91 | 19.8 | 2082.8 | 79% |
弥富市 | 19.08 | 19.8 | 1507.1 | 82% |
愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 80.9 | 73% |
愛知県の発電量は昨年比で約27%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)10月の「名古屋」の日照時間は、平年比で142%でした。
今年はは平年比85%なので、57%差があります。去年10月と比べて少なくなっていても、ある程度は天候のせいだと言えます。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「80.9(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 80.9 × 8.0 = 647.2(kWh)
10月の月間発電量は、647.2(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
10月の天気と発電量まとめ
あなたの発電量と比べていかがでしたか。
設置角度や周囲の影によって若干異なる場合がありますが、あまりに差がある場合は注意が必要です。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!