東海地方の2017年12月の天気は、薄曇りや雨の日が多くなりました。
冬は月間発電量が少ないので、発電開始して間もない場合は、問題なく発電しているかご心配されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2017年12月の天気
12月に入ると積雪が懸念されますが、今年は雪の日が少なくすみました。
しかし、晴れの日も少なく実際には薄曇りや雨が多い月と言う印象です。
気温も12月にしてはあまり下がらなかった印象です。
気象庁は、2017年(平成29年)12月の天候の特徴を以下のとおりに発表しています。
- 全国的に気温が低く、西日本ではかなり低かった
強い寒気が断続的に流れ込んだため、全国的に気温が低く、西日本ではかなり低かった。- 北・東日本日本海側では降水量が多く、北日本や東日本日本海側では大雪となる時期があった
北日本や東日本日本海側では気圧の谷や低気圧の影響を受けやすく、東日本日本海側の降水量はかなり多く、北日本日本海側でも多かった。特に、12日頃や27日頃は発達した低気圧や、その後の強い冬型の気圧配置により北日本や東日本日本海側を中心に大雪となった。- 日照時間は北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少ない一方、東日本太平洋側で多かった
冬型の気圧配置がとなる日が多く、日照時間は北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり少なく、東・西日本日本海側で少なかった。一方、東日本太平洋側では多かった。(引用元:気象庁 報道発表資料『12月の天候』より)
2017月12月は、北海道や東北など北日本を中心に雨だけでなく降雪量も多くなりました。
冬型の気圧配置により日本海側や沖縄では日照時間が少なくなる一方、東日本の太平洋側では日照時間が多くなりました。
雪は冬の代名詞ですが、積雪で太陽光発電の発電量は下がってしまうので、あまり降らない方が嬉しいですよね。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量:平年よりやや少ない
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 167.0 | 104% | 92% |
高山 | 93.7 | 105% | 99% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」と「高山」どちらも昨年比と比較すると日照時間がやや少なくはありますが、平年並みの日照時間だったと言えるのではないでしょうか。
しかし同じ岐阜県内でも、「岐阜」と「高山」では73時間と、大きく日照時間が異なります。比較の際はご注意ください。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 1388.1 | 86% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 1562.1 | 94% |
大垣市 | 21.20 | 16.5 | 1151.2 | 93% |
不破郡 | 29.95 | 27.5 | 2273.8 | 93% |
養老郡 | 63.6.0 | 49.5 | 4211.5 | 95% |
養老郡 | 41.34 | 39.6 | 2749.3 | 95% |
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 4790.8 | 89% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 3100.2 | 110% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 3488.2 | 92% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 3027.8 | 90% |
安八郡 | 22.52 | 16.5 | 1856.5 | 86% |
羽島郡 | 57.42 | 49.5 | 5446.4 | 113% |
羽島郡 | 43.56 | 38.5 | 3307.7 | 91% |
羽島郡 | 42.40 | 39.6 | 2607.3 | 90% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 5750.7 | 95% |
海津市 | 22.53 | 16.5 | 1216.8 | 96% |
岐阜市 | 13.50 | 11.0 | 675.9 | 90% |
岐阜市 | 12.72 | 11.0 | 731.0 | 91% |
岐阜市 | 46.19 | 36.9 | 2861.2 | 89% |
岐阜市 | 38.16 | 29.7 | 2728.4 | 90% |
岐阜市 | 10.60 | 11.0 | 324.8 | 90% |
岐阜市 | 20.52 | 17.7 | 1117.1 | 89% |
岐阜市 | 35.19 | 33.0 | 2503.4 | 106% |
岐阜市 | 61.20 | 49.5 | 3886.7 | 91% |
岐阜市 | 14.84 | 11.0 | 623.4 | 91% |
岐阜市 | 5.80 | 5.9 | 220.2 | 90% |
岐阜市 | 54.32 | 49.5 | 3265.4 | 90% |
山県市 | 10.80 | 11.8 | 505.7 | 88% |
瑞穂市 | 27.04 | 22.0 | 1447.4 | 86% |
瑞穂市 | 38.69 | 29.7 | 1937.4 | 90% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 913.8 | 84% |
本巣市 | 33.15 | 29.7 | 1457.2 | 78% |
本巣市 | 22.26 | 11.8 | 1084.6 | 78% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 1210.2 | 92% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 2111.0 | 79% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 3807.3 | 91% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 1674.1 | 78% |
揖斐郡 | 24.03 | 20.2 | 966.8 | 87% |
揖斐郡 | 16.9 | 16.5 | 1155.7 | 86% |
揖斐郡 | 12.19 | 11.0 | 772.7 | 81% |
揖斐郡 | 67.50 | 49.5 | 5411.6 | 90% |
関市 | 30.60 | 19.8 | 1728.1 | 99% |
関市 | 45.39 | 36.9 | 1859.0 | 72% |
関市 | 59.40 | 49.5 | 2969.0 | 94% |
加茂郡 | 27.00 | 23.2 | 1997.8 | 96% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1547.7 | 95% |
可児郡 | 58.14 | 49.5 | 5246.2 | 97% |
可児郡 | 48.96 | 39.6 | 3907.9 | 96% |
可児郡 | 61.20 | 49.5 | 2982.3 | 96% |
可児郡 | 67.60 | 49.5 | 3154.3 | 95% |
可児郡 | 61.36 | 49.5 | 2519.7 | 104% |
中津川市 | 66.30 | 49.5 | 3753.5 | 96% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 3939.1 | 92% |
中津川市 | 42.27 | 36.3 | 2843.3 | 97% |
瑞浪市 | 62.22 | 49.5 | 4110.2 | 98% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 2574.4 | 92% |
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 64.8 | 93% |
岐阜県の発電量は昨年比で7%減、という結果になりました。
昨年をやや下回る発電量です。
設置場所の状況によっては、さらに下回る場所もあるかもしれません。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「64.8(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 64.8 × 8.0 = 518.4(kWh)
12月の月間発電量は、518.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量:平年並み
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 190.9 | 106% | 108% |
上野 | 157.6 | 116% | 117% |
尾鷲 | 187.8 | 106% | 105% |
四日市 | 156.9 | 100% | 94% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「津」「尾鷲」はほぼ平年並みでした。
「四日市」のみ平年より6%減とやや日照時間が短かったようです。
ほど平年と変わらない日照時間だったと言えるのではないのでしょうか。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
伊勢市 | 45.05 | 36.9 | 2559.8 | 97% |
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 1288.8 | 88% |
四日市市 | 64.48 | 49.5 | 5049.4 | 95% |
四日市市 | 66.30 | 49.5 | 5776.8 | 99% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 3479.0 | 93% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 4506.6 | 112% |
津市 | 64.26 | 49.5 | 5257.7 | 100% |
津市 | 31.86 | 27.5 | 1986.3 | 103% |
津市 | 39.27 | 31.9 | 2660.6 | 100% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 1596.7 | 101% |
津市 | 69.12 | 47.2 | 6645.0 | 115% |
伊賀市 | 10.60 | 11.0 | 631.5 | 103% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 73.6 | 102% |
三重県の発電量は昨年比で2%増、という結果になりました。
昨年よりやや発電量が増加となりました。
設置状況次第で差がありますのでご注意ください。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「73.6(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 73.6 × 8.0 = 588.8(kWh)
12月の月間発電量は、588.8(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量:平年よりやや少ない
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 179.5 | 104% | 94% |
伊良湖 | 185.7 | 103% | 94% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「伊良湖」も「名古屋」も日照時間が昨年より6%減と短くはなりましたが、平年比で比較すると100%を超えています。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
一宮市 | 15.39 | 11.8 | 1146.5 | 98% |
一宮市 | 51.67 | 38.5 | 3629.0 | 92% |
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 3325.7 | 95% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 4174.9 | 94% |
一宮市 | 6.48 | 5.9 | 631.6 | 96% |
江南市 | 11.61 | 11.0 | 592.6 | 95% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 5018.0 | 92% |
稲沢市 | 66.30 | 49.5 | 5371.8 | 91% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 3730.6 | 104% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 1978.1 | 94% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3967.5 | 95% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3757.1 | 108% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3647.3 | 109% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 3400.4 | 88% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 4420.8 | 123% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 4874.4 | 118% |
稲沢市 | 67.84 | 49.5 | 4799.2 | 93% |
稲沢市 | 67.84 | 49.5 | 5017.4 | 93% |
稲沢市 | 55.65 | 49.5 | 5483.3 | 94% |
稲沢市 | 21.84 | 19.8 | 1492.2 | 89% |
小牧市 | 50.74 | 47.2 | 2424.9 | 90% |
小牧市 | 64.26 | 49.7 | 3754.9 | 91% |
小牧市 | 66.78 | 49.5 | 5328.6 | 94% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 2096.7 | 93% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 2998.1 | 91% |
大府市 | 62.64 | 49.5 | 3944.3 | 92% |
岡崎市 | 37.10 | 29.5 | 2531.3 | 91% |
弥富市 | 24.91 | 19.8 | 1647.3 | 91% |
弥富市 | 19.08 | 19.8 | 1184.6 | 91% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 70.9 | 96% |
愛知県の発電量は昨年比で約5%減という結果になりました。
昨年よりやや少ないと発電量です。
岐阜県と同じような発電量になっています。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「70.9(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 70.9 × 8.0 = 567.2(kWh)
12月の月間発電量は、567.2(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
12月の天気と発電量のまとめ
あなたの発電量と比べていかがでしたか。
一年を締めくくる12月。
12月の発電量が少ないと、年間発電量も少なくなってしまう気がしますね。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!