
2017年の9月は、先月に比べ晴れの日が続いたため、日照時間が長くなりました。しかし、台風18号の発生により降雨の影響が少なかずあったと見られます。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2017年9月の天気
高気圧の影響を受け、沖縄・奄美では日照時間も長く気温も上がり月平均気温9月として1位タイの高温となるほどでした(統計開始は1946年)。また、それに伴い北日本と東日本海側も日照時間が多くなる傾向にありました。
逆に西日本では前線や湿った空気の影響が強くなり、日照時間が少なくなりました。
気象庁は、9月の天候の特徴を以下のとおりに発表しています。
・沖縄・奄美では、日照時間が多く気温がかなり高かった
沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われて暖かい空気に覆われやすかったため、月間日照時間は多く、月平均気温はかなり高かった。沖縄・奄美の月平均気温の平年差は+1.3℃となり、9月として1位タイの高温となった(統計開始は1946年)。
・日照時間は、北日本と東日本日本海側でかなり多く、西日本では少なかった
北日本と東日本日本海側では、高気圧に覆われやすく、月間日照時間はかなり多かった。一方、西日本では、前線や湿った空気の影響を受けやすく、月間日照時間は少なかった。
・中旬には、台風第18号により、北・西日本と沖縄・奄美を中心に大雨となった
中旬には、台風第18号と前線の影響で、北・西日本と沖縄・奄美を中心に大雨となり、河川の氾濫や浸水、土砂災害などの被害が発生した。
(引用元:気象庁 報道発表資料『9月の天候』より)
沖縄・奄美だけではなく北日本と東日本日本海側でも日照時間がかなり多くなったと言えます。しかし、西日本は雨が多く、日照時間も少なくなりました。
また、台風18号の発生により大雨の被害が発生した地域もあったかと思います。
同じ日本国内でも、地域による差がはっきりしています。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 186.5 | 118% | 183% |
高山 | 151.0 | 122% | 142% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」の日照時間は、平年より18%増、昨年より83%増になりました。
一方の「高山」も平年より22%増、昨年より42%増となっています。
平年比はもとより昨年比が大幅に増えました。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 |
パネル(kW) |
パワコン(kW) |
今月の発電量(kWh) |
今月/昨年 |
大垣市 |
26.00 |
29.7 |
2260.6 |
127% |
大垣市 |
40.28 |
29.7 |
3181.3 |
121% |
大垣市 |
21.20 |
16.5 |
2196.8 |
135% |
不破郡 |
29.95 |
27.5 |
3459.7 |
141% |
養老郡 |
63.6.0 |
49.5 |
6392.5 |
129% |
養老郡 |
41.34 |
39.6 |
4210.5 |
129% |
安八郡 |
64.60 |
49.5 |
6945.4 |
133% |
安八郡 |
44.00 |
39.6 |
4606.9 |
129% |
安八郡 |
59.00 |
49.5 |
6025.9 |
132% |
安八郡 |
50.00 |
49.5 |
4832.0 |
128% |
安八郡 |
22.52 |
16.5 |
2605.1 |
138% |
羽島郡 |
57.42 |
49.5 |
7701.3 |
160% |
羽島郡 |
43.56 |
38.5 |
5162.5 |
134% |
羽島郡 |
42.40 |
39.6 |
4109.8 |
128% |
羽島郡 |
63.00 |
49.5 |
7402.7 |
137% |
海津市 |
22.53 |
16.5 |
2036.2 |
133% |
岐阜市 |
13.50 |
11.0 |
1364.0 |
135% |
岐阜市 |
12.72 |
11.0 |
1320.6 |
129% |
岐阜市 |
46.19 |
36.9 |
4464.7 |
154% |
岐阜市 |
38.16 |
29.7 |
4093.0 |
134% |
岐阜市 |
10.60 |
11 |
1011.9 |
136% |
岐阜市 |
20.52 |
17.7 |
2014.7 |
124% |
岐阜市 |
35.19 |
33.0 |
4051.0 |
156% |
岐阜市 |
61.20 |
49.5 |
6190.0 |
128% |
岐阜市 |
14.84 |
11.0 |
1136.9 |
127% |
岐阜市 |
5.80 |
5.9 |
474.6 |
132% |
岐阜市 |
54.32 |
49.5 |
5463.3 |
130% |
山県市 |
10.80 |
11.8 |
958.7 |
129% |
瑞穂市 |
27.04 |
22.0 |
2805.8 |
129% |
瑞穂市 |
38.69 |
29.7 |
3567.2 |
132% |
本巣市 |
15.90 |
15.4 |
1645.0 |
131% |
本巣市 |
33.15 |
29.7 |
3092.0 |
139% |
本巣市 |
22.26 |
11.8 |
2151.9 |
133% |
本巣市 |
20.14 |
19.8 |
1964.2 |
137% |
揖斐郡 |
44.52 |
39.6 |
4520.6 |
134% |
揖斐郡 |
53.04 |
49.5 |
5677.5 |
138% |
揖斐郡 |
33.18 |
29.7 |
3437.3 |
135% |
揖斐郡 |
24.03 |
20.2 |
2318.7 |
131% |
揖斐郡 |
16.9 |
16.5 |
1937.3 |
139% |
揖斐郡 |
12.19 |
11 |
1300.2 |
138% |
揖斐郡 |
67.50 |
49.5 |
7353.1 |
139% |
関市 |
30.60 |
19.8 |
3251.6 |
142% |
関市 |
45.39 |
36.9 |
4522.1 |
138% |
関市 |
59.40 |
49.5 |
5653.6 |
139% |
加茂郡 |
27.00 |
23.2 |
2934.0 |
132% |
加茂郡 |
18.50 |
16.5 |
1909.5 |
145% |
可児郡 |
58.14 |
49.5 |
6311.1 |
134% |
可児郡 |
48.96 |
39.6 |
5251.1 |
132% |
可児郡 |
61.20 |
49.5 |
5318.6 |
128% |
可児郡 |
67.60 |
49.5 |
5724.7 |
129% |
可児郡 |
61.36 |
49.5 |
5960.4 |
127% |
中津川市 |
66.30 |
49.5 |
6776.0 |
128% |
中津川市 |
63.60 |
49.5 |
6468.9 |
120% |
中津川市 |
42.27 |
36.3 |
4252.6 |
129% |
瑞浪市 |
62.22 |
49.5 |
6294.4 |
126% |
土岐市 |
34.00 |
29.7 |
3677.2 |
128% |
高山市 |
10.60 |
11 |
924.4 |
125% |
高山市 |
15.11 |
11 |
1378.9 |
120% |
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) |
105.1 |
133% |
岐阜県の発電量は、昨年比33%増になりました。
日照時間の増加に比例する形で発電量も増えています。
8月は天気の悪い日が多くあったため、今月は日照時間が多くなったこともあり発電量も多くなりました。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「105.1(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】105.1 × 8.0 = 840.8(kWh)
9月の月間発電量は、840.8kWh前後のはずです。 この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 163.1 | 97% | 148% |
上野 | 147.1 | 108% | 143% |
尾鷲 | 137.8 | 106% | 174% |
四日市 | 152.8 | 104% | 159% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
三重県においてはの4箇所のうち3箇所が平年比増、昨年比については全ての観測地で増となりました。
特に「尾鷲」においては昨年比174%増と大きく増えました。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 |
パネル(kW) |
パワコン(kW) |
今月の発電量(kWh) |
今月/昨年 |
伊勢市 |
45.05 |
36.9 |
4121.1 |
126% |
桑名市 |
22.00 |
19.8 |
1366.3 |
84% |
四日市市 |
64.48 |
49.5 |
6911.0 |
133% |
四日市市 |
66.30 |
49.5 |
6756.7 |
133% |
三重郡 |
54.00 |
49.5 |
5547.6 |
128% |
三重郡 |
54.00 |
49.5 |
6941.6 |
152% |
津市 |
64.26 |
49.5 |
7012.6 |
126% |
津市 |
31.86 |
27.5 |
2965.7 |
127% |
津市 |
39.27 |
31.9 |
3455.5 |
124% |
津市 |
24.00 |
22.0 |
2088.4 |
122% |
津市 |
69.12 |
47.2 |
6796.0 |
133% |
鈴鹿市 |
42.84 |
38.5 |
4419.4 |
126% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) |
101.1 |
130% |
三重県の発電量は昨年比30%増になりました。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「101.1(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】101.1 × 8.0 = 808.8(kWh)
8月の月間発電量は、808.8kWh前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 174.1 | 115% | 172% |
伊良湖 | 164.1 | 100% | 146% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「名古屋」は平年比15%増、昨年比72%増でした。
「伊良湖」は平年比と同じ、昨年比46%増でした。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 |
パネル(kW) |
パワコン(kW) |
今月の発電量(kWh) |
今月/昨年 |
一宮市 |
15.39 |
11.8 |
1688.1 |
131% |
一宮市 |
51.67 |
38.5 |
5521.4 |
132% |
一宮市 |
53.00 |
49.5 |
5237.0 |
133% |
一宮市 |
58.66 |
49.5 |
6065.0 |
131% |
稲沢市 |
55.00 |
49.5 |
6307.3 |
133% |
稲沢市 |
66.30 |
49.5 |
6992.8 |
130% |
稲沢市 |
41.00 |
29.7 |
5308.1 |
173% |
稲沢市 |
41.00 |
29.7 |
4192.9 |
130% |
稲沢市 |
54.00 |
49.5 |
5488.8 |
129% |
稲沢市 |
54.00 |
49.5 |
5455.3 |
145% |
稲沢市 |
54.00 |
49.5 |
5439.8 |
144% |
稲沢市 |
55.08 |
39.6 |
5523.4 |
128% |
稲沢市 |
55.90 |
39.6 |
5616.4 |
180% |
稲沢市 |
65.31 |
49.5 |
6450.9 |
166% |
稲沢市 |
67.84 |
49.5 |
6889.5 |
129% |
稲沢市 |
67.84 |
49.5 |
6749.6 |
124% |
稲沢市 |
55.65 |
49.5 |
6546.0 |
144% |
稲沢市 |
21.84 |
19.8 |
2339.6 |
126% |
小牧市 |
50.74 |
47.2 |
4777.3 |
127% |
小牧市 |
64.26 |
49.7 |
6418.2 |
129% |
小牧市 |
66.78 |
49.5 |
6552.9 |
135% |
西尾市 |
54.00 |
49.5 |
2976.1 |
121% |
西尾市 |
28.00 |
29.7 |
4136.6 |
106% |
大府市 |
62.64 |
49.5 |
5981.9 |
124% |
岡崎市 |
37.10 |
29.5 |
3712.9 |
130% |
弥富市 |
24.91 |
19.8 |
2395.7 |
129% |
弥富市 |
19.08 |
19.8 |
1744.9 |
124% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) |
101.8 |
134% |
愛知県の発電量は昨年比34%増でした。
多くの発電所で昨年比120%を超える発電量となりました。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「101.8(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】101.8 × 8.0 = 814.4(kWh)
8月の月間発電量は、814.4kWh前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
9月の天気と発電量のまとめ
2017年9月は全体的に晴れの日が多くありましたが、台風の影響もあり前年とほぼ同じ発電量となった発電所がほとんどとなりました。
2016年9月の発電量と天気 【岐阜・三重・愛知】と合わせてご覧ください。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
2017年9月の太陽光パネル1kWあたりの発電量
- 岐阜県の平均:105.1kWh
- 三重県の平均:101.1kWh
- 愛知県の平均:101.8kWh
あなたの発電所はいかがでしたか?
20%以上下回る場合、故障や何かしらの不具合が発生している可能性があります。点検をオススメします。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!