2016年9月の太陽光発電の発電量と天気|岐阜県・三重県・愛知県

岐阜三重愛知2016年9月の発電量

今月の発電量、ちょっと少ないかな…!? ひょっとして故障…?

あなたは、そんな風に考えたことはありませんか?

発電量の比較をしたくてもなかなか信頼できるデータは手に入れにくいですよね。

この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。

発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。

発電量を比較してわかること 発電量の比べ方

公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。

  • あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう
  • あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
  • 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
  • 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。

*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。

この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。


1. 2016年9月の天気

雨が激しく降っている写真
9月は稀に見る悪天候

9月はかなり天気の悪い日が続きましたね。
日照時間と発電量は、ほぼ比例する関係にあります。
あなたも発電量の少なさに驚きや不安があったのではないでしょうか。

気象庁は、2016年(平成28年)9月の天候の特徴は以下のとおりに発表しています。

  • 東日本以西で日照時間がかなり少なく、西日本では降水量がかなり多い
    (略)東・西日本、沖縄・奄美では月間日照時間がかなり少なく、西日本日本海側では平年比64%で統計を開始した1946年以降で最も少なくなった。また、西日本では月降水量がかなり多かった。
  • 台風第16号により西日本中心の大雨
    台風第16号が中旬後半に東シナ海から東海道沖へと東進したため、九州や四国では総降水量(17~20日)が400mmを超える大雨となり、土砂災害や浸水害など大きな被害が発生した。
    (引用元:気象庁  報道発表資料『9月の天候』より)

西日本海側で、統計開始以来70年ぶりの日照時間の少なさ、だったとは。
逆に言えば、固定価格買取制度が終わるまでの間に、これだけ日照時間が少ない9月は来なさそうとも言えますね。
ひとつの基準になりそうな良いデータになると思います。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。


2. 岐阜県の日照時間と発電量

岐阜県の画像岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)

下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。

観測地点日照時間(h)平年比昨年比
岐阜102.065%62%
高山99.180%81%

気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。

岐阜県では、北部と南部で昨年比で19%の差がありました。
「岐阜」では昨年より61時間も短くなっています。
一方で、「高山」の日照時間も昨年比で23時間も短くなりました。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。

岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。

設置場所

パネル(kW

パワコン(kW

今月の発電量(kWh

今月/昨年

安八郡

64.60

49.5

5227.9

95%

安八郡

44.00

39.6

3558.7

81%

安八郡

50.00

49.5

3779.1

78%

安八郡

59.00

49.5

4552.7

82%

揖斐郡

44.52

39.6

3375.6

78%

揖斐郡

53.04

49.5

4112.6

77%

揖斐郡

33.18

29.7

2550.3

77%

揖斐郡

24.03

20.2

1776.0

83%

大垣市

26.00

29.7

1774.9

82%

大垣市

40.28

29.7

2627.0

89%

海津市

22.53

16.5

1527.0

77%

可児郡

58.14

49.5

4705.3

78%

可児郡

48.96

39.6

3975.2

79%

加茂郡

27.00

23.2

2214.9

82%

加茂郡

18.50

16.5

1317.8

75%

岐阜市

13.50

11.0

1009.9

85%

岐阜市

38.16

29.7

3052.7

81%

岐阜市

61.20

49.5

4845.6

81%

岐阜市

35.19

33.0

2595.0

91%

岐阜市

54.32

49.5

4202.3

82%

関市

30.60

19.8

2289.9

81%

関市

59.40

49.5

4068.8

79%

土岐市

34.00

29.7

2879.6

81%

中津川市

66.30

49.5

5293.6

82%

中津川市

63.60

49.5

5370.1

85%

中津川市

42.27

36.3

3296.1

82%

羽島郡

57.42

49.5

4808.2

79%

羽島郡

43.56

38.5

3840.6

79%

羽島郡

42.40

39.6

3209.6

83%

羽島郡

63.00

49.5

5411.4

80%

瑞浪市

62.22

49.5

4998.3

83%

瑞浪市

27.04

22.0

2178.6

83%

本巣市

15.90

15.4

1254.5

80%

本巣市

20.14

19.8

1432.5

75%

山県市

10.80

11.8

745.8

101%

岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)

78.3

81%

岐阜県の発電量は昨年比で約20%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)9月の「岐阜」の日照時間は、平年比で103%でした。
特別、日照時間が長かったわけでもなく、平年並みですので比較としてわかりやすいと思います。
つまり、9月に関して言えば、統計開始以来(1946年)の非常に悪い日照条件でも平年並みの日照時間の80%程度で発電するということがわかりました。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。

岐阜県では「78.3(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。

(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 78.3 × 8.0 = 626.4(kWh)
9月の月間発電量は、626.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。


3. 三重県の日照時間と発電量

三重県の画像三重県の日照時間(今月と昨年の比較)

下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。

観測地点日照時間(h)平年比昨年比
110.275%68%
上野103.275%80%
尾鷲79.061%57%
四日市96.066%65%

気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。

三重県でも、全体的に昨年を大きく下回る日照時間となりました。
日照時間がもっとも少ない「尾鷲」では昨年よりも58時間短くなっています。
一方で、「上野」では昨年比で26時間減、割合では20%減にとどまりました。
この理由は、「上野」の昨年(2015年)の日照時間が三重県の観測地点で唯一、平年比を下回っていたためです。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。

三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。

設置場所

パネル(kW

パワコン(kW

今月の発電量(kWh

今月/昨年

桑名市

22.00

19.8

1618.4

80%

鈴鹿市

42.84

38.5

3502.4

78%

津市

64.26

49.5

5547.6

81%

津市

39.27

31.9

2779.2

80%

津市

24.00

22.0

1707.3

83%

三重郡

54.00

49.5

4317.4

83%

三重郡

54.00

49.5

4561.5

84%

三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)

80.0

80%

三重県の発電量は昨年比で約20%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)9月の「津」の日照時間は、平年比で104%でした。
特別、日照時間が長かったわけでもなく、平年並みですので比較としてわかりやすいと思います。
つまり、9月に関して言えば、統計開始以来(1946年)の非常に悪い日照条件でも平年並みの日照時間の80%程度で発電するということがわかりました。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。

三重県では「80.0(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。

(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 80.0 × 8.0 = 640.0(kWh)
9月の月間発電量は、640.0(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。


4. 愛知県の日照時間と発電量

愛知県の画像愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)

下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。

観測地点日照時間(h)平年比昨年比
名古屋101.567%64%
伊良湖112.268%65%

気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。

愛知県では、両方の観測地点で昨年比が約35%減のほぼ同じ結果になりました。
昨年の日照時間と比べると、「名古屋」では58時間も日照時間が短くなっています。
一方で、「伊良湖」も昨年比で60時間も日照時間が短くなりました。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。

愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。

設置場所

パネル(kW

パワコン(kW

今月の発電量(kWh

今月/昨年

弥富市

19.08

19.8

1412.2

85%

一宮市

53.00

49.5

3941.5

79%

一宮市

58.66

49.5

4628.0

80%

稲沢市

55.00

49.5

4748.3

78%

稲沢市

41.00

29.7

3071.8

73%

稲沢市

41.00

29.7

3219.8

74%

稲沢市

55.90

39.6

3125.3

72%

稲沢市

54.00

49.5

4242.2

85%

稲沢市

54.00

49.5

3759.7

76%

稲沢市

54.00

49.5

3778.0

76%

稲沢市

65.31

49.5

3886.4

71%

稲沢市

36.00

39.6

4325.3

79%

大府市

62.64

49.5

4824.5

81%

西尾市

54.00

49.5

3909.3

126%

西尾市

28.00

29.7

2469.3

121%

弥富市

24.91

19.8

1850.5

82%

愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)75.681%

愛知県の発電量は昨年比で約19%減、という結果になりました。
ちなみに昨年(2015年)9月の「名古屋」の日照時間は、平年比で106%でした。
特別、日照時間が長かったわけでもなく、平年並みですので比較としてわかりやすいと思います。
つまり、9月に関して言えば、統計開始以来(1946年)の非常に悪い日照条件でも平年並みの日照時間の80%程度で発電するということがわかりました。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。

愛知県では「75.6(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。

(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 75.6 × 8.0 = 604.8(kWh)
9月の月間発電量は、604.8(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。

太陽光発電 標識 販売

9月の天気と発電量のまとめ

太陽光パネルが設置されている家

あなたの発電量と比べていかがでしたか。

発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。

シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。

太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。

  • 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
  • 発電量の監視(今、発電しているか)
  • 他所との比較(比べて少なくないか

この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!