今月の発電量は多かったな。他の人はどうなんだろう?
あなたは、こんなことを疑問に思ったことはありませんか?
今月は雨が少なく、特に2月と比べると良く発電していたのではないでしょうか。
たくさん発電していると、他の人のデータと比べたくなりますよね。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2016年3月の天気
いよいよ冬が終わり、春になる3月。
今月は特に雨が少なく、春らしい天気が多かったように思います。
気象庁は、2016年(平成28年)3月の天候の特徴は以下のとおりに発表しています。
- 東・西日本では、月平均気温がかなり高かった
日本の東海上で高気圧が強く、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、月平均気温は、東・西日本ではかなり高く、北日本で高かった。- 全国的に気温の変動が大きかった
全国的に上旬と中旬後半は暖かい空気に覆われたが、中旬前半と下旬は寒気が流れ込み気温の低い時期があったため、気温の変動が大きかった。- 東日本日本海側では、3月として1位の少雨となった
東日本日本海側では、月を通して低気圧の影響が小さかったため、月降水量が平年比45%となり、1946年の統計開始以来3月として1位の少雨となった。- 北日本太平洋側と西日本日本海側では、日照時間がかなり多かった
北日本太平洋側と西日本日本海側では、月の後半を中心に高気圧に覆われることが多く、月間日照時間がかなり多かった。
(引用元:気象庁 報道発表資料『3月の天候』より)
3月は平均気温が高かったものの、月の中旬前半、下旬は冷え込みました。
東日本日本海側では、統計開始以来最も雨が少なく、平年の半分以下だったようです。
日照時間は、北日本太平洋側、西日本日本海側でかなり多かったので、発電量も多くなっているのではないでしょうか。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 229.3 | 122% | 118% |
高山 | 173.5 | 115% | 121% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」の日照時間は「高山」より55h多く、同じ岐阜県でも、南部と北部で差が大きくなっています。
どちらの観測地点も、平年比、昨年比は15%以上増になっています。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 8371.0 | 130% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 5492.8 | 115% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 6929.0 | 114% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 6163.4 | 111% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 5260.8 | 110% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 6518.5 | 111% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 4015.7 | 111% |
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 2772.5 | 108% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 3371.7 | 113% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 2326.1 | 112% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 4604.1 | 110% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 7856.3 | 120% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 8897.5 | 111% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 2035.4 | 114% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 2531.9 | 113% |
岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 122.5 | 114% |
岐阜県の発電量は昨年比で約14%増、という結果になりました。
日照時間と同じように発電量も増えたイメージです。
設置条件(パネルの角度、周囲の影のかかり方など)によって、多少の差がありますのでご注意ください。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「122.5(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 122.5 × 8.0 = 980.0(kWh)
3月の月間発電量は、980.0(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 223.7 | 127% | 119% |
上野 | 176.7 | 123% | 115% |
尾鷲 | 197.6 | 107% | 104% |
四日市 | 211.9 | 122% | 117% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「津」「上野」「四日市」は平年を20%以上上回る日照時間でした。
昨年比でも15%以上増加しています。
一方「尾鷲」は、平年比7%増、昨年比4%増と、下回っていないものの、他の観測地点より差は小さくなっています。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 2514.3 | 109% |
鈴鹿市 | 42.84 | 38.5 | 5430.7 | 108% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 2609.3 | 110% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 6548.1 | 112% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 6840.7 | 112% |
三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 121.6 | 111% |
三重県の発電量は昨年比で約11%増、という結果になりました。
日照時間が増えた分、発電量も増えています。
また、岐阜県のパネル1kWあたりの発電量と、ほとんど同じような発電量になりました。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「121.6(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 121.6 × 8.0 = 972.8(kWh)
3月の月間発電量は、972.8(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 232.7 | 123% | 118% |
伊良湖 | 226.5 | 118% | 115% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「名古屋」も「伊良湖」も、平年比23%増、18%増となっています。
昨年比でも、18%増、15%増と日照時間が多くなっています。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 6376.6 | 110% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 7220.2 | 110% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 7815.7 | 113% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 5485.8 | 112% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 5350.0 | 110% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 5490.1 | 114% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 6357.4 | 113% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 6312.7 | 113% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 6296.5 | 113% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 6956.8 | 114% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 6912.3 | 111% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 3688.3 | 111% |
愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 121.0 | 112% |
愛知県の発電量は昨年比で約12%増、という結果になりました。
日照時間と同じように、発電量も昨年より増えています。
岐阜県、三重県と1kWあたりの発電量にあまり差はありませんでした。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「121.0(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 121.0 × 8.0 = 968.0(kWh)
3月の月間発電量は、968.0(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3月の天気と発電量のまとめ
今月は、岐阜県、三重県、愛知県の三県で、発電量の差はほとんどありませんでした。
あなたの発電所と比べると、いかがでしょうか?
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!