今月の発電量少ないな…故障してないかな?
年の初めの1月。
雪が積もって太陽光パネルが影になると、発電は止まってしまい、発電量は少なくなります。
とはいえ、天候による影響で少ないのか、はたまた故障していて少ないのか、発電量を見ているだけではわかりませんよね。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2016年1月の天気
1月は月の前半は暖かい日が多かったのですが、後半で大雪が降りました。
冬真っ盛りでも、晴れた日が続けば太陽光の発電量は増えます。
気象庁は、2016年(平成28年)1月の天候の特徴を以下のとおりに発表しています。
- 西日本を中心に下旬に記録的な低温・大雪
25日前後は冬型の気圧配置が強まり、大陸からの強い寒気が流れ込んだ。このため、東・西日本と沖縄・奄美の74地点で統計開始以来の日最低気温の低い記録を更新し、3地点でタイ記録となった。また、長崎では、24日に最深積雪17cmを記録し、月最深積雪としては1906年の統計開始以来最も大きい値となる等、所々で大雪となった。- 沖縄・奄美では記録的に降水量が多かった
沖縄・奄美では、月を通して低気圧や前線の影響を受けやすく、月降水量は平年比243%となり、1946年の統計開始以来最も多い記録を更新した。- 東日本日本海側、西日本、沖縄・奄美では日照時間がかなり少なかった
気圧の谷や冬型の気圧配置の影響で、東日本日本海側、西日本、沖縄・奄美では日照時間がかなり少なかった。
(引用元:気象庁 報道発表資料『1月の天候』より)
今年の1月は、沖縄や長崎など西日本で大雪が降りました。どうしても雪が降ると日照時間も減ってしまいますよね。
雪がパネルに積もると、発電量が減ってしまったり、積もった雪の重みで負荷がかかるのも気になるところ…
冬の代名詞とはいえ、あまり雪は降らないでほしいですね。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 172.9 | 108% | 109% |
高山 | 94.8 | 99% | 117% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」も「高山」も日照時間が、昨年比で約13時間長くなっています。
高山は平年比99%なので、今年の天気が平年並み、ということがわかります。
「高山」は「岐阜」より日照時間が78時間少ないので、比較する際は注意してください。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 5574.8 | 133% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 3216.5 | 110% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 4055.6 | 106% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 3645.6 | 104% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 2546.5 | 110% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 4266.3 | 113% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 2012.9 | 114% |
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 1630.7 | 106% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 1667.8 | 130% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1659.6 | 111% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 3011.6 | 105% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 6221.9 | 108% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 1100.2 | 113% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 1459.0 | 108% |
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 74.3 | 112% |
岐阜県の発電量は昨年比で約12%増、という結果になりました。
昨年「岐阜」の日照時間は平年比で99%でしたので、それに比べると日照時間が長かった分、発電量も増えました。
1月としては十分な発電量なのではないでしょうか。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「74.3(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 74.3 × 8.0 = 594.4(kWh)
1月の月間発電量は、594.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 173.4 | 106% | 121% |
上野 | 146.5 | 119% | 143% |
尾鷲 | 177.7 | 99% | 102% |
四日市 | 159.6 | 105% | 111% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「上野」は平年を上回り、昨年比で43%増とかなり長くなっていました。
「津」「尾鷲」「四日市」はおよそ平年並みで、昨年よりやや長い日照時間でした。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 1440.9 | 110% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 1685.0 | 116% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 3970.8 | 106% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 4189.7 | 104% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kwh) | 73.3 | 107% |
三重県の発電量は昨年比で約7%増、という結果になりました。
昨年がやや平年を下回っていたので、おおよそ平年並みの発電量です。
2015年12月と似たような発電量になっています。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「73.3(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 73.3 × 8.0 = 586.4(kWh)
1月の月間発電量は、586.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 186.1 | 109% | 109% |
伊良湖 | 179.8 | 100% | 102% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「伊良湖」はちょうど平年と同じ日照時間でした。
「名古屋」は平年をやや上回っています。昨年が平年並みだったので、上ブレ分だけ日照時間が長くなりました。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 3579.1 | 101% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 3766.2 | 99% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 3949.0 | 104% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 4220.3 | 103% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 4057.6 | 103% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3937.5 | 103% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 4642.0 | 103% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 4223.4 | 132% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 4530.9 | 104% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 2325.7 | 104% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 76.3 | 105% |
愛知県の発電量は昨年比で約5%増という結果になりました。
昨年12月と同じような発電量になっていれば、心配ありません。
1月の発電量として一般的な数字ですので、他の年の発電量を比べる基準に良さそうです。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「76.3(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 76.3 × 8.0 = 610.4(kWh)
1月の月間発電量は、610.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
1月の天気と発電量のまとめ
岐阜県、三重県、愛知県の方、あなたの発電所の発電量と比較してみましたか?
今月の発電データを手元に用意して、ぜひ比べてみてください。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!