今月の発電量、先月より少なかったけど…大丈夫かな?
あなたは、こんなことを不安に思ったことはありませんか?
「3月のデータと比べると、ちょっと今月は少ない気がする…でも、天気も悪かったしなぁ…」
そんなあなたは、ぜひこの記事を読んでください。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2016年4月の天気
4月は雨の日が多く、晴れたと思ったらまた雨が降って、という天気でした。
晴れた日と雨の日では、発電量に大きく差が出てくるので気になりますよね。
気象庁は、2016年(平成28年)4月の天候の特徴は以下のとおりに発表しています。
- 全国的に高温で、東日本以西では気温の高い状態が続いた
日本の南東海上で高気圧が強く、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、東日本以西では気温の高い状態が続き、月平均気温は、東・西日本と沖縄・奄美ではかなり高く、北日本で高くなった。- 全国的に降水量が多かった
本州南岸を中心に低気圧や前線が通過しやすく、また南から湿った気流が入りやすかったため、月降水量は、全国的に多く、西日本日本海側と沖縄・奄美ではかなり多くなった。- 東日本太平洋側と西日本では、日照時間が少なかった
東日本太平洋側と西日本では、上旬と下旬を中心に低気圧や前線の影響を受けることが多く、月間日照時間が少なかった。
(引用元:気象庁 報道発表資料『4月の天候』より)
全国的に気温は高かったものの、雨が多く、日照時間も少なかったようです。
太陽光発電としては、あまり条件のいい天候ではありませんでした。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 163.0 | 83% | 100% |
高山 | 167.1 | 96% | 114% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
岐阜県は「岐阜」も「高山」も、平年を下回る日照時間でした。
特に「岐阜」は平年比11%減。「高山」より日照時間が短くなりました。
2015年も日照時間が短かったため、昨年比では下回っていません。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 7027.9 | 122% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 4969.2 | 104% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 6331.1 | 104% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 5521.9 | 102% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 4688.1 | 100% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 5557.6 | 122% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 3520.8 | 100% |
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 2518.7 | 103% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 3505.2 | 104% |
可児郡 | 58.14 | 49.5 | 5158.9 | 84% |
可児郡 | 48.96 | 39.6 | 5503.0 | 105% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1838.7 | 104% |
岐阜市 | 35.19 | 33.0 | 3701.2 | 97% |
岐阜市 | 61.20 | 49.5 | 6081.0 | 94% |
関市 | 30.60 | 19.8 | 3055.3 | 103% |
関市 | 59.40 | 49.5 | 5726.4 | 104% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 3914.3 | 111% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 6927.2 | 111% |
中津川市 | 42.27 | 36.3 | 4461.6 | 196% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 7268.1 | 109% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 1719.4 | 99% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 2217.6 | 104% |
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 104.8 | 106% |
岐阜県の発電量は昨年比で約6%増、という結果になりました。
日照時間が増えた分、発電量も少し増えています。
設置条件によって昨年を下回ることもありますので、あくまで比較の目安としてお考えください。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「104.8(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 104.8 × 8.0 = 838.4(kWh)
4月の月間発電量は、838.4(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 168.9 | 89% | 121% |
上野 | 153.2 | 90% | 107% |
尾鷲 | 157.8 | 86% | 117% |
四日市 | 166.0 | 90% | 114% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
三重県も岐阜県と同じく、平年を下回る日照時間でした。
しかし昨年の日照時間は上回り、特に「津」では昨年比21%増と大きく増えました。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 2287.8 | 108% |
鈴鹿市 | 42.84 | 38.5 | 5099.7 | 109% |
津市 | 64.26 | 49.5 | 7664.7 | 110% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 2327.8 | 105% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 5944.2 | 107% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 6182.5 | 108% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 113.0 | 108% |
三重県の発電量は昨年比で約8%増、という結果になりました。
大きな差ではありませんが、昨年より少し多く発電しているのではないでしょうか。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「113.0(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 113.0 × 8.0 = 904.0(kWh)
4月の月間発電量は、904.0(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 175.5 | 89% | 121% |
伊良湖 | 180.2 | 91% | 135% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「名古屋」も「伊良湖」も、平年比を下回ったものの、昨年比は大きく上回りました。
設置して1年以上経っている人は、昨年の発電データと比較してみてください。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル | パワコン | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 5699.7 | 106% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 6625.5 | 107% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 6578.6 | 106% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 4605.7 | 107% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 4555.6 | 106% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 4662.6 | 109% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 5772.8 | 108% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 5734.4 | 108% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 5728.8 | 108% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 6008.3 | 108% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 6027.7 | 164% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 6416.8 | 113% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 3434.3 | 112% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 107.4 | 111% |
愛知県の発電量は昨年比で約11%増、という結果になりました。
岐阜県、三重県と比べて日照時間の伸びが大きかった分、昨年比の発電量もやや増えています。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「107.4(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 107.4 × 8.0 = 859.2(kWh)
4月の月間発電量は、859.2(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4月の天気と発電量のまとめ
あなたの発電量と比べていかがでしたか。
2016年(平成28年)4月は、平年より日照時間は少なかったものの、昨年よりやや多く発電していました。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!