未提出の太陽光定期報告に経産省が指導|認定取消の可能性を簡易書留で直接通達8月31日

2018年8月31日付で「定期報告に関する指導について」という文書が資源エネルギー庁から公開されました。
定期報告を締め切り(2018年8月10日)までに提出していない設置者に、経済産業大臣の指導を行いました、という内容です。

お手元に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく指導について」という文書が届いていませんか?

定期報告の指導書類

この文書が経済産業大臣の指導です。
届いていたら要注意です。

新たに区切られた2018年9月20日までに対応しないと、売電の取り消しになる可能性があります。

いきなり期限付きの文書が届いて、どうしたらいいのかわからないこともあると思います。

この記事では、次の5つについて解説します。

【定期報告の概要】ー そもそも定期報告とは何か
【指導の対象者】 ー 今回の指導で定期報告の提出を求められているのはどんな人か
【提出期限】ー いつまでに提出しないといけないのか
【未提出の罰則】ー 提出しなかったらどうなるのか
【対応方法】ー どうやって提出すればいいのか
【問い合わせ先】 ー 個別の事情がある場合、どうしたら良いのか

今回の文書は7月の注意喚起よりも厳しい内容になっています。

確実に対応して、発電事業を続けて行きましょう。


1. 定期報告は再エネ発電事業者に義務付けられた定期的な報告

定期報告とは、再生可能エネルギー発電設備を設置して、固定価格買取制度で売電を行う事業者に義務付けられた報告書です。
太陽光発電に限らず、風力発電、小水力発電、バイオマスなども対象です。

次の3種類に分けられます。

・設置にかかった費用 ー 設置費用報告
・発電設備の運転にかかった費用 ー 設置費用報告
・設備を増設した場合は増設にかかった費用 ー 設置費用報告

中でも運転費用報告は、1年に1回報告する義務があります。

詳しくは次の記事をご覧ください。

太陽光の定期報告|設置・運転・各費用年報の義務と書き方マニュアル

 


2. 指導の内容

今回の文書は、2018年7月23日付で公表された「定期報告に関するお知らせ(注意喚起)」で示された罰則の一つ、「指導」にあたります。

指導の内容を確認して対応しましょう。

2-1. 指導の対象は3つの条件に当てはまる事業者

今回の指導は、次の3つの条件に当てはまる事業者に簡易書留で送られています。

・2018年8月10日時点で、定期報告を提出していないこと
・20kW以上の太陽光発電設備の設置者であること
・2017 年度以降に新規認定又は変更認定等を出している場合、ログイン ID・パスワードの通知又はシステムのデータ反映が済んでいること

3つ目の条件を簡単に言い換えると、「資源エネルギー庁側から見て、電子申請システム上で定期報告を出せる状態にある」ということです。
設置者側の都合で通知やデータの反映を確認できなくても関係ありません。

また、今回指導の対象となっていなくても、今後対象となる可能性があります。
未提出のものがある場合は、できるだけ早く提出しましょう。

引越しや名義変更が絡む場合は要注意!本来は対象なのに届かないこともある

3つの条件に該当しているのに、あなたの手元に文書が届かない場合があります。

・太陽光発電の設置後に引越ししている
・中古の太陽光発電を購入した

このような場合、引越し前の住所に届いたり、元所有者に届く可能性があります。
変更認定申請を出していなかった、不備で却下されていた場合などです。

心当たりがある場合は、JPEA代行申請センターや仲介業者に問い合わせてみましょう。

2-2. 定期報告の提出期限は9月20日

今回の指導で区切られた提出期限は、2018年9月20日です。

電子申請の場合は20日中に提出する必要があります。

書面申請の場合は20日に担当部署まで届いている必要があります。
20日に郵送しては間に合いません。確実に届いたとわかるように、簡易書留など到着がわかる方法で余裕を持って発送しましょう。

2-3. 罰則として「認定取り消しの可能性あり」

未提出の場合どうなるかは、次の通りです。

なお、報告がされない場合、法第15条の規定に基づき認定を取り消すことがありますので、御留意ください。

経済産業省20180814資第1号 平成30年8月31日 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく指導について」より

どのような手順となるかは不明ですが、認定を取り消されると固定価格で売電できなくなります。

定期報告に関するお知らせ(注意喚起)」で明示された「指導」が実際に行われています。
認定の取り消しも、実際に行われると考えましょう。


3. 対応方法

指導への対応方法は定期報告を提出するしかありません。

2通りの提出方法をご紹介します。

3-1. 定期報告を電子申請(原則)で提出する

定期報告は電子申請で提出することが原則です。

電子申請のメリットは2つあります。

・いつでもその場で申請できる
・システム上で進捗段階が確認できる

できるだけ電子申請で提出しましょう。

具体的な提出方法は、電子申請システムの操作マニュアルと次の記事の「4. 定期報告の提出方法」を参考にしてください。

太陽光の定期報告|設置・運転・各費用年報の義務と書き方マニュアル

3-2. 定期報告を書面で申請する

電子申請できない場合、書面で申請できます。

書面申請は以下の点に注意が必要です。

注意点1 発送後、届くまでに時間がかかる

提出期限までに、申請書面がJPEA代行申請センターの報告グループに届いている必要があります。
期限の数日前に発送することが必要です。

注意点2 郵送した書類が届いたか、問い合わせても確認できない

簡易書留、レターパックなど、追跡できる方法で送る必要があります。
なぜなら電話で問い合わせても、郵便物が届いたか原則確認できないからです。

注意点3 電子申請システムで提出する場合よりも時間がかかる

書面申請は電子申請よりも時間がかかります。
届いた書面を元に、代行申請センターが電子申請システムに入力するためです。

書面申請は手間の割にデメリットが多い方法です。
できるだけ電子申請システムで提出しましょう。

設備ID、パスワードの確認が間に合わないなど、事情があって書面申請する場合もあると思います。
具体的な提出方法は次の記事の「4-4. 書面での提出方法」をご覧ください。

太陽光の定期報告|設置・運転・各費用年報の義務と書き方マニュアル


4. わからない時の問い合わせ先

4-1. 申請内容で困ったらJPEA代行申請センターへFAXで問い合わせを

定期報告の窓口はJPEA代行申請センターです。

申請内容でわからないことがあったら、JPEA代行申請センターへお問い合わせください。

JPEA代行申請センターの定期報告に関するお問い合わせ窓口

【TEL】0570-07-8210
【FAX】03-35788082

受付時間:平日の9時20分から17時20分まで

認定申請に関する窓口と連絡先が違います。
間違った窓口に連絡しても、正しい窓口を案内されるだけで回答は得られません。ご注意ください。

4-2. システムの操作方法で困ったら操作マニュアルと問い合わせフォーム

システムの操作方法については操作マニュアルが手続きごとに公開されています。

確認しながら手続きを進めましょう。

▶︎再生可能エネルギー電子申請 操作マニュアル

どうしても操作方法がわからない、表示がおかしいなどありましたら、問い合わせフォームから質問できます。

▶︎再生可能エネルギー電子申請 よくある質問と問い合わせフォーム

よくある質問も掲載されているので、まず確認してから問い合わせてみてください。

4-3. Q&A|ソラサポによく寄せられる質問

7月の注意喚起以来、ソラサポにもたくさんの質問が寄せられています。
よくある質問をまとめましたので、ご参考にしてください。

Q1. IDまたはパスワードがわからないけどどうしたらいいですか?

A1. 大きく分けて3つの方法があります。

事業計画認定(設備認定)の手続きを行った業者に代行してもらう

定期報告は登録者IDからでも提出することができます。
認定申請手続きを代行してもらった業者(設置業者など)に代行申請が可能かお願いしてみましょう。

電子申請システムでパスワードを再発行する

設置者IDがわかっている、かつ登録してある設置者メールアドレスがわかる場合は、電子申請システムからパスワードを再発行できます。

電子申請システム パスワード再発行ページ

設置者IDと設置者メールアドレスは、認定を取得する手続きをした人(設置業者など)なら確認できます。
一度連絡してみましょう。

書面で提出する

業者が倒産して設置者IDも確認できない、設置者として古いメールアドレスを登録していて使えないこともあります。
このような場合は、パスワードの再発行ができません。

メールで設置者IDとパスワードを確認する方法もありますが、9月20日には間に合いません。

このような場合は書面で申請しましょう。

Q2. 設置後1回も出していないけど、どうしたらいいですか?

A2. まずは設置費用報告を提出しましょう。

システム上、定期報告を1つ提出してから受理されるまでの間、次の定期報告を提出することはできません。
そのため、複数提出する必要がある場合、期限までに全てを提出することはできない場合もあります。

そのような場合でもまず1つ提出し、受理されたら次の報告を提出してください。

Q3. 昔提出したはずの定期報告がなかったことになっているのですが、どういうことでしょうか?

A3. 制度開始当初に書面で申請した定期報告は、電子申請システム上反映されていない可能性があります。

手元に控え等なく、心配な場合はJPEA代行申請センターへお問い合わせください。
過去に提出した定期報告の確認方法を教えてくれます。

Q4. 初めて定期報告を提出しようとしたら「申請中です」と表示されて提出できません?

A4. 変更認定申請や事前変更届出、事後変更届出の申請中ではないでしょうか。

定期報告は、他の認定申請や届出と合わせて1つまでしか提出できません。
すでに提出している認定申請や届出が受理されるまで待ちましょう。

Q5. ○○だけど手続きは必要ですか?

A5. 書面で指導が届いていたら、設置費用報告を提出してください。

定期報告は、再エネ設備を設置して固定価格買取制度で売電している設置者の義務です。
固定買い取り価格で売電している限り、定期報告を提出する必要があります。

例外は10kW未満の太陽光発電だけです。
それも、経産大臣の要望があった場合は提出する必要があります。

Q6. 中古で購入した設備の定期報告はどうしたらいいですか?

A6. まずはJPEA代行申請センターへ対応を問い合わせてください。

原則として、中古で発電設備を購入した場合、名義変更前の定期報告は以前の設置者に提出義務があります。
名義変更後は購入者に提出義務があります。

実際にはすんなり行かない場合があります。
適当に判断せず制度を管轄する資源エンルギー庁や、代行機関であるJPEA代行申請センターの判断を確認してください。

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まとめ

今回の文書は、2018年7月23日付の「定期報告に関するお知らせ(注意喚起)」で明記された罰則の一つ、「指導」です。

経産省は、期限までに対応しなければこうなりますよ、と宣言したことを実行しています。
「認定を取り消すことがあります」という言葉は断言ではありませんが、実行されるでしょう。

「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく指導について」が届いている場合は、9月20日までに提出が間に合うよう行動しましょう。

今回対象になっていなくても、未提出のものがある場合は今後指導が入る可能性があります。
早めに順次提出しましょう。

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