2017年の7月は、梅雨の影響もあって雨や曇りの日が多くなりました。
岐阜の場合、６月の降水量は、平年比72％と雨が少なかったのですが、７月は平年比９４％と７月としては多くも少なくもない降水量でした。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電（地面設置）の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を１年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
＊予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量（kW）×各種係数（パワコン変換効率、温度係数など）
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2017年7月の天気
2017年の7月は梅雨前線が活発になり、九州では豪雨による被害が発生しました。
一方、北日本太平洋側は晴れる日が多く、日照時間が多くなりました。
気象庁は、７月の天候の特徴を以下のとおりに発表しています。
北・西日本で気温がかなり高かった
本州付近では、暖かい空気が流れ込みやすく、また高気圧に覆われやすかった時期があり、北・西日本では月平均気温がかなり高かった。北日本太平洋側で日照時間がかなり多かった
梅雨前線の影響を受けにくく、晴れる日が多かったため、北日本太平洋側の月間日照時間はかなり多かった。「平成29年7月九州北部豪雨」が発生するなど、北・東・西日本日本海側で局地的に大雨
梅雨前線の活動が活発になった時期があったために、北・東・西日本日本海側では局地的に大雨となり、5～6日には「平成29年7月九州北部豪雨」が発生するなど、各地で河川の氾濫や土砂災害などが発生した。また、東日本日本海側の月降水量はかなり多かった。
（引用元：気象庁 報道発表資料『７月の天候』より）
北海道の苫小牧、鹿児島県の沖永良部、沖縄県の南大東島では、７月で最も日照時間が多くなりました。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間（今月と昨年の比較）
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比（※）、昨年比を算出しています。
| 観測地点 | 日照時間（h） | 平年比 | 昨年比 |
|---|---|---|---|
| 岐阜 | 158.6 | 95% | 87% |
| 高山 | 136.8 | 93% | 91% |
気象庁（報道発表資料）より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」の日照時間は、平年より5％減、昨年より13％減、になりました。
一方の「高山」も平年より７％減、昨年より９％減となっています。
岐阜市は終日晴れの日が５日ほどしか無く、ほとんど曇りや雨でした。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量（今月と昨年の比較）
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して１年以上経過（昨年同月と比較するため）している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル（kW） | パワコン（kW） | 今月の発電量（kWh） | 今月/昨年 |
|---|---|---|---|---|
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 2403.1 | 92% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 3964.5 | 96% |
大垣市 | 21.20 | 16.5 | 2358.4 | 93% |
不破郡 | 29.95 | 27.5 | 3463.5 | 93% |
養老郡 | 63.6.0 | 49.5 | 7374.9 | 92% |
養老郡 | 41.34 | 39.6 | 4750.0 | 92% |
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 7009.5 | 94% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 5264.3 | 93% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 6815.1 | 93% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 5461.1 | 90% |
羽島郡 | 57.42 | 49.5 | 8385.0 | 112% |
羽島郡 | 43.56 | 38.5 | 5530.4 | 92% |
羽島郡 | 42.40 | 39.6 | 4622.3 | 93% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 7329.7 | 93% |
海津市 | 22.53 | 16.5 | 2260.6 | 93% |
岐阜市 | 13.50 | 11.0 | 1467.4 | 93% |
岐阜市 | 12.72 | 11.0 | 1502.8 | 94% |
岐阜市 | 46.19 | 36.9 | 5101.8 | 92% |
岐阜市 | 38.16 | 29.7 | 4357.6 | 92% |
岐阜市 | 10.60 | 11 | 1128.2 | 94% |
岐阜市 | 20.52 | 17.7 | 2318.9 | 94% |
岐阜市 | 35.19 | 33.0 | 4359.8 | 115% |
岐阜市 | 61.20 | 49.5 | 6928.7 | 96% |
岐阜市 | 14.84 | 11.0 | 1311.0 | 94% |
岐阜市 | 5.80 | 5.9 | 506.7 | 95% |
岐阜市 | 54.32 | 49.5 | 5922.2 | 95% |
山県市 | 10.80 | 11.8 | 1078.4 | 97% |
瑞穂市 | 27.04 | 22.0 | 3222.5 | 93% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 1837.9 | 96% |
本巣市 | 33.15 | 29.7 | 3101.4 | 92% |
本巣市 | 22.26 | 11.8 | 2150.7 | 90% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 2089.2 | 94% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 4891.1 | 96% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 5650.7 | 96% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 3638.8 | 110% |
揖斐郡 | 24.03 | 20.2 | 2540.9 | 95% |
揖斐郡 | 16.9 | 16.5 | 1923.5 | 93% |
揖斐郡 | 12.19 | 11 | 1282.9 | 92% |
揖斐郡 | 67.50 | 49.5 | 6960.9 | 94% |
関市 | 30.60 | 19.8 | 3584.8 | 102% |
関市 | 45.39 | 36.9 | 4570.6 | 96% |
関市 | 59.40 | 49.5 | 6268.6 | 97% |
加茂郡 | 27.00 | 23.2 | 3182.9 | 98% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1896.8 | 97% |
可児郡 | 58.14 | 49.5 | 6670.6 | 123% |
可児郡 | 48.96 | 39.6 | 5847.1 | 98% |
可児郡 | 61.20 | 49.5 | 6814.5 | 100% |
中津川市 | 66.30 | 49.5 | 7314.7 | 91% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 7891.4 | 100% |
中津川市 | 42.27 | 36.3 | 4738.8 | 102% |
瑞浪市 | 62.22 | 49.5 | 7622.0 | 100% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 4135.9 | 99% |
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh） | 116.3 | 97% | ||
岐阜県の発電量は、昨年比３%減になりました。
日照時間が減った分、発電量も少なくなっています。
一部の発電所は昨年より多く発電していますが、設置状況による差と考えてください。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh）」を記載しております。
岐阜県では「116.3（kWh）」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
（例）あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】116.3× 8.0 ＝ 930.4（kWh）
7月の月間発電量は、930.4kWh前後のはずです。 この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間（今月と昨年の比較）
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比（※）、昨年比を算出しています。
| 観測地点 | 日照時間（h） | 平年比 | 昨年比 |
|---|---|---|---|
| 津 | 183.9 | 97% | 86% |
| 上野 | 147.6 | 97% | 77% |
| 尾鷲 | 146.0 | 94% | 82% |
| 四日市 | 159.7 | 101% | 86% |
気象庁（報道発表資料）より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
三重県の４箇所の観測地点ほぼ全てで、平年比減、昨年比減となりました。
「四日市」のみ101％と平年比1％増ですが、昨年比は14％減になっています。
特に「上野」は、昨年比23％減と大きく差があります。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量（今月と昨年の比較）
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して１年以上経過（昨年同月と比較するため）している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル（kW） | パワコン（kW） | 今月の発電量（kWh） | 今月/昨年 |
|---|---|---|---|---|
伊勢市 | 45.05 | 36.9 | 5459.2 | 99% |
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 2409.9 | 96% |
四日市市 | 64.48 | 49.5 | 7529.6 | 96% |
四日市市 | 66.30 | 49.5 | 7160.0 | 99% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 6627.1 | 97% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 8282.9 | 116% |
津市 | 64.26 | 49.5 | 8347.0 | 96% |
津市 | 31.86 | 27.5 | 3474.3 | 96% |
津市 | 39.27 | 31.9 | 4120.6 | 97% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 2594.7 | 97% |
鈴鹿市 | 42.84 | 38.5 | 5448.2 | 98% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh） | 121.0 | 99% | ||
三重県の発電量は昨年比1%減になりました。
ほとんどの発電所が、昨年をやや下回りました。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh）」を記載しております。
三重県では「121.0（kWh）」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
（例）あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】121.0 × 8.0 ＝ 968.0（kWh）
7月の月間発電量は、968.0kWh前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間（今月と昨年の比較）
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比（※）、昨年比を算出しています。
| 観測地点 | 日照時間（h） | 平年比 | 昨年比 |
|---|---|---|---|
| 名古屋 | 172.9 | 105% | 94% |
| 伊良湖 | 225.6 | 117% | 101% |
気象庁（報道発表資料）より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「名古屋」は平年比5％増、昨年比6％減でした。
「伊良湖」は平年比17％増、昨年比1％増でした。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量（今月と昨年の比較）
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して１年以上経過（昨年同月と比較するため）している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル（kW） | パワコン（kW） | 今月の発電量（kWh） | 今月/昨年 |
|---|---|---|---|---|
一宮市 | 15.39 | 11.8 | 2010.7 | 98% |
一宮市 | 51.67 | 38.5 | 5835.9 | 90% |
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 5913.5 | 99% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 7001.6 | 94% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 6531.1 | 96% |
稲沢市 | 66.30 | 49.5 | 7524.4 | 95% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 5540.0 | 116% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 4606.3 | 96% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 6288.9 | 95% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 5581.9 | 104% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 6293.7 | 117% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 5841.5 | 91% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 6971.0 | 108% |
稲沢市 | 67.84 | 49.5 | 7944.9 | 94% |
稲沢市 | 67.84 | 49.5 | 7891.2 | 94% |
小牧市 | 50.74 | 47.2 | 5635.7 | 92% |
小牧市 | 64.26 | 49.7 | 7219.7 | 93% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 3864.6 | 100% |
大府市 | 62.64 | 49.5 | 7490.1 | 101% |
岡崎市 | 37.10 | 29.5 | 4630.3 | 104% |
弥富市 | 24.91 | 19.8 | 2695.4 | 97% |
弥富市 | 19.08 | 19.8 | 2114.2 | 97% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh） | 112.7 | 98% | ||
愛知県の発電量は昨年比2％減でした。
発電所ごとにやや差がありますが、昨年より発電量が少ない発電所が多くみられました。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量（kWh）」を記載しております。
愛知県では「112.7（kWh）」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
（例）あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】112.7 × 8.0 ＝ 901.6（kWh）
7月の月間発電量は、901.6kWh前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
7月の天気と発電量のまとめ
東海地方は、６月７日に梅雨入りし、７月１９日に梅雨明けしました。
梅雨明け後も雨が降ったため、平年より発電量が少なくなっています。
特に６月は晴れが多かったので、「（先月と比べて）発電量が減った」という方も多いのではないでしょうか。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
今月の発電量や、去年の発電量「２０１６年７月の発電量と天気 【岐阜・三重・愛知】」と比較してみましょう。
２０１７年７月の太陽光パネル1kWあたりの発電量
- 岐阜県の平均：116.3kWh
- 三重県の平均：121.0kWh
- 愛知県の平均：112.7kWh
あなたの発電所はいかがでしたか？
20％以上下回る場合、故障や何かしらの不具合が発生している可能性があります。点検をオススメします。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の３つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化（どれだけ発電しているか）
- 発電量の監視（今、発電しているか）
- 他所との比較（比べて少なくないか）
この３つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください！