太陽光発電の名義変更|相続や中古設備の購入時に必要な9つの手続き

太陽光発電の名義変更

最終更新日  2018.02.08 更新箇所:「2.設備認定(事業計画認定)|設備の所有者を変更する

相続や中古太陽光発電所の売買で、新しくオーナーになるあなたは
名義変更にどんな手続きをすれば良いのだろう、とご心配ではありませんか。

実は、太陽光発電設備も土地や車などの購入時と同じように、所有者が変われば名義変更に伴う手続きが必要です。

特に固定価格買取制度(FIT)を利用した設備は、権利(売電収入を得る権利)の売買という側面もあるので名義が非常に重要になります。

また、新たにオーナーになる人は、パネルやパワコンのメーカー保証もきっちり名義変更をしないと、事業を継続していく上で多くの不利益が発生するため要注意です。

中古太陽光発電所の売買の場合は、引き渡しが終われば売り手と連絡が取れなくなる場合もありますので、事前の準備が大事です。

この記事では、新所有者が不利益を回避するために必要な代表的な手続きを解説し、プラスアルファの注意事項も添えています。

これから中古太陽光発電所の購入・販売を考えている方
相続で急に発電所のオーナーになった方はぜひ最後までご覧ください。

そして、未着手の変更手続きがあれば、早急に済ませて後々の不利益やトラブルを回避しましょう。

注意】このブログはFIT制度を利用した50kW未満の低圧産業用の手続きについて説明しています。50kW以上の高圧太陽光発電については手続きが異なる場合がありますのでご注意ください。

 


1.手続きが必要なもの一覧

太陽光発電の所有者が変わることで、必要になる手続きは代表的なもので9つあります。下にチェック表を作成しましたので、どんな手続きが必要なのか把握しましょう。

名義変更手続きのチェック表

項目手続きの状態旧所有者の
書類の有無
□ ① 設備認定(事業計画認定) 特に重要済・未あり・なし
□ ② 売電契約 特に重要済・未あり・なし
□ ③ メーカー保証・パネル済・未・不要あり・なし
□ ④ メーカー保証・パワコン済・未・不要あり・なし
□ ⑤ 発電量遠隔監視装置済・未・不要あり・なし
□ ⑥ 賃貸借契約(借地・屋根貸し)済・未・不要あり・なし
□ ⑦ 施工保証済・未・不要あり・なし
□ ⑧ 損害保険済・未・不要あり・なし
□ ⑨ メンテナンス契約済・未・不要あり・なし
□ ⑩ 補助金(売主が必要な手続き)済・未・不要

チェックシートをダウンロードするには下のリンクをクリックしてください。pdfファイルが開きます。
  太陽光発電を中古で購入または相続した時に必要な代表的な手続きチェックシート (pdfファイル 245KB)

①・②は特に重要な必須の手続きです。確実に手続きを完了していないと、太陽光発電事業そのものが成り立たなくなる場合もあります。特に中古太陽光発電を購入する場合は、旧所有者(売主)と連絡が取れるうちに確実に実行しましょう。

次の章からは、各手続きについて順番に解説していきます。

 


2.設備認定(事業計画認定)|設備の所有者を変更する

太陽光発電は設置する前に、経産省の認定を受けています。(一部の独立型太陽光発電などは認定を受けていないものもあります)

2017年3月31日までは「設備認定」という名称でしたが、
2017年4月1日からは法改正(改正FIT法)に伴い「事業計画認定」と呼ばれています。

太陽光発電の認定通知書(画像クリックで拡大)

2017年(平成29年)に発行された太陽光発電の認定通知書

太陽光発電の認定通知書について詳しく知りたい方へ
事業計画認定申請が承認された後に発行される書類「認定通知書」について詳しく記載しています。
どのような内容が記載されているのかを画像を交えて解説しています。
万が一紛失してしまった場合の再発行方法も記載していますので、認定を受けられたことがある人は、ぜひ一度お読みください。
 3分でわかる太陽光発電の認定通知書|内容解説と紛失時の再発行方法

認定には、太陽光発電の設置者(所有者)を記載する欄があるため、所有者が変われば名義の変更手続きが必要です。

具体例

太陽光発電の変更認定申請が必要な場合

・中古太陽光発電所の売買などによる事業譲渡の場合は「変更認定申請」が必要になります。

競売物件の場合

競売物件に太陽光発電が設置されていた場合も「変更認定申請」ですが、通常の売買とは必要書類が異なります。ご注意ください。

太陽光発電付き住宅を売買や競売で購入した時の名義変更手順や必要書類をまとめました。次の記事をご確認ください。

太陽光付き中古住宅を購入時に必須!設置者の名義変更申請マニュアル

太陽光発電の事後変更届出が必要な場合

・相続や法人の社名変更の場合は「事後変更届出」が必要です。

 

どの変更手続きも、新しい所有者が手続きを行う必要があります。以前の所有者ではありません。
詳しくは、経産省ホームページの<変更内容ごとの変更手続の整理表> (pdfファイル)をご覧ください。下の画像は名義変更部分の抜粋です。

変更手続きの整理表・名義変更部分の抜粋

変更手続きの整理表・名義変更部分の抜粋2

 

具体的な申請方法については、経産省が作成しているこちらのマニュアル(pdfファイル)をご覧ください。

変更認定申請  再エネ電子申請 操作マニュアル【変更認定申請】 (pdfファイル)

事後変更届出  再エネ電子申請 操作マニュアル【事後変更届出】 (pdfファイル)

※インターネットを通じた申請ができない方は、必要書類JPEA代行申請センターに提出してください。

紙申請の必要書類  50kW未満太陽光発電の変更手続きに必要な書類

書類の提出先  JPEA代行申請センター

 

「変更手続き」は事業計画の提出完了後!

平成28年度までに認定を受けた案件の「変更手続き」は「事業計画」の提出完了でなければできません。「事業計画」の提出についてはこちらの記事をご覧ください。

 みなし認定の移行手続きガイド|事業計画の提出方法
※2017年6月30日現在の情報です。今後、手続き内容が変更になる可能性があります。

また、野立ての太陽光発電で出力が20kW以上の設備は、法律で標識の掲示が義務化されています。設備所有者が変われば、記載内容も改める必要がありますので忘れずに書き換えましょう。

改正FIT法で太陽光発電に設置義務のできた標識の内容

太陽光発電の標識(看板)の購入はYahoo!ショッピング で1枚2017円(税込・送料込)でお買い求めいただけます。

3.売電契約|売電収入の振込口座を変更する

太陽光発電で作った電気は、電力会社が買い取り、事前に指定している口座に振込まれます。

太陽光発電 銀行口座変更

売電収入を得るためには、振込先口座の変更が必要です。電力会社は太陽光発電を設置している地域によって異なります。

売電口座の変更について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

 太陽光発電の売電口座の変更方法|電力会社別ガイド【2017年版】


売電口座の変更は、新しい口座に切り替えるまでのタイムラグが生じる場合があります。電力会社の手続きにかかる時間や締め日が関係しているためです。事前に設備を管轄している電力会社の営業所に、口座変更を届け出る期日と振込口座が切り替わる期日を確認しておきましょう。

 


4.メーカー保証|メーカー保証を継承する

太陽光発電を構成するパネルやパワコンには、メーカーの保証がついています。

保証期間も10年、20年と長期になっているメーカーも多く、売電の権利と合わせて重要なポイントです。

人気の主要メーカーに、設置者名義が変わった時の対応について聞き取りをしました。

保証の引継ぎ可能な場合でも、きちんと手続きを行っておかないと保証対象外となったり、いざという時に手続きを行ってからの機器交換となっては多くの逸失利益が出てしまいます。

また、保証の継承ができないメーカーもありますので、注意してください。

【注意】必ずお読みください【注意】

各メーカーの保証対応については、独自に取材した2017.07.14現在の情報です。一般的に太陽光発電システムの保証は、施工販売店や商流(メーカーと消費者の間に入る販売代理店や卸売業者)によって対応が異なる場合があります。従って、こちらに記載している情報が必ずしも適用されないケースがあることをご了承ください。また、最新の情報については必ず自己の責任の元、一次情報でご判断ください

 

国内パネルメーカー

国内パネルメーカーは、なかなか慎重です。というのも、メーカーと消費者を繋ぐ販売ルートや、販売店によって保証が異なる場合があり複雑化しているためです。

 

パナソニック

パナソニックのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法設置業者を通じて、必要書類を郵送する
(あなたが直接パナソニックに送ることはできません)
必要書類・名義変更依頼書(※旧所有者、新所有者2名の印鑑が必要)
・以前の保証書
手続き期間1ヶ月程度
新しい保証書発行される
連絡先太陽光発電の設置業者

 

シャープ

シャープのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法販売店を通して必要書類を郵送する
必要書類・保証書記載事項変更届
・お客様の個人情報などの取扱いについての許諾(保証登録申込書と兼務)
・以前の所有者の保証書のコピー又は保証書管理番号
手続き期間1ヶ月程度
新しい保証書発行される
連絡先販売店
※販売店がわからない場合などの問合せ先
シャープ お客様相談センター
TEL 0120-48-4649

 

三菱

三菱電機のロゴ

保証が続くか相続の場合は継承される
売買の場合は継承されない
手続き方法設置した業者に依頼する
必要書類以前の所有者の保証書
手続き期間2週間程度
新しい保証書発行する
連絡先設置した業者

 

京セラ

京セラのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法ソーラーお客様窓口に電話で連絡する
必要書類特になし
手続き期間即日
新しい保証書発行されない
連絡先京セラ ソーラーお客様相談窓口
TEL:0120−71−9006

 

ソーラーフロンティア

ソーラーフロンティアのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法お客様サービスセンターに電話で連絡
必要書類以前の所有者の保証書
手続き期間即日
新しい保証書別途依頼すれば発行可能
連絡先ソーラーフロンティア お客様サービスセンター
TEL:0120−55−8983

 

東芝

東芝のロゴ

保証が続くか住宅用は保証期間内なら継承される続く
産業用は基本的に継続されない
手続き方法東芝のHPから保証記載事項変更届 をダウンロードする
問い合わせフォーム からファイルを添付して送る
必要書類保証記載事項変更届
手続き期間1ヶ月程度
新しい保証書郵送で送られてくる
連絡先東芝のHP / 産業用の場合は販売店に問い合わせ

 

海外パネルメーカー

海外メーカーの場合は、国内メーカーと異なりほとんどのところが保証が継続されるという回答でした。いずれも世界的に有名なトップメーカーであるのが理由かもしれません。(海外メーカーでも保証が継続されないところもあります)

トリナソーラー(Trina)

トリナソーラーのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法個別に発行していないため、名義が変わっても手続き不要
必要書類なし
手続き期間なし
新しい保証書名義の記載は無いが、トリナソーラーHP からダウンロードできる
連絡先なし

ジンコソーラー(jinko)

ジンコソーラーのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法変更手続きをしなくても、パネルのシリアルで管理しているので、
保証を受けることができる
新しい保証書が欲しい場合は、販売店を通して書面で連絡する
必要書類旧名義の保証書
手続き期間1週間程度
新しい保証書書面で依頼すれば発行可能
連絡先販売店

JAソーラー

JAソーラーのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法申請書を販売店経由で提出する
必要書類旧名義の保証書
申請書
手続き期間2週間程度
新しい保証書旧保証書と引き換えに発行する
連絡先販売店・保証書の表紙に記載されている代理店

カナディアンソーラー

カナディアンソーラーのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法「所有者変更届」を代理店に提出する
必要書類所有者変更届
手続き期間原則5営業日(特殊な案件は1ヶ月以上かかる場合あり)
新しい保証書発行される
連絡先販売店 

ハンファQセルズ

Qセルズのロゴ

保証が続くか保証期間内なら継承される
手続き方法「所有者変更届」を販売店に提出
必要書類所有者変更届(※新旧所有者、販売店の捺印が必要)
旧所有者名義の太陽光発電システム保証書
手続き期間1ヶ月程度
新しい保証書発行される
連絡先販売店

 

パワコンメーカー

以下、パワーコンディショナーメーカーの回答です。
基本的に、販売店や設置業者を通して連絡を、という回答が大半でした。
(ユーザーに直接販売をしていないため)

メーカーと商社間で保証をしているケースが多いので、メーカーが一概に答えられないのも無理はありません。問合せの際、製造番号や型式が必要なので、本体に貼ってあるシールを確認してください。

 

オムロン

オムロンのロゴ

保証が続くか一年以内なら初期不良で対応。それ以降は販売店との保証になる
※10年保証などはオムロンが直接保証するものでは無い
手続き方法設置業者、販売店に連絡する(メーカーでは対応できない)
必要書類
手続き期間
新しい保証書
連絡先設置業者、販売店

 

田淵電機

田淵電機のロゴ

保証が続くか保証期間内なら続く
手続き方法設置業者、販売業者に連絡
必要書類パワコンの型式、製造番号(本体に記載あり)
手続き期間販売店によって異なる
新しい保証書再発行は行わない
型式、製造番号がわかれば保証対応できる
連絡先設置業者、販売店
※倒産している場合などは、田淵電機コールセンター(0120−885−394)に電話する

 

新電元

新電元のロゴ

保証が続くか保証期間内なら続く
手続き方法設置業者、販売店に連絡する
必要書類製造番号
手続き期間
新しい保証書基本的に行わない
連絡先設置業者、販売店に連絡する
※倒産などで連絡ができない場合は下記問合せ窓口に電話する
パワーコンディショナお客様相談窓口
0120−55−595(平日9時〜12時、13時〜17時)

 

安川電機

安川電機のロゴ

保証が続くか保証期間内なら続く
手続き方法設置業者、販売店に連絡
必要書類販売店ごとの対応
手続き期間販売店ごとの対応
新しい保証書販売店ごとの対応
連絡先設置業者、販売店

 

IDEC(アイデック)

IDECのロゴ

保証が続くか保証期間内であれば続く
手続き方法販売店に連絡する
※販売店に連絡がつかない場合、メーカーに電話する
必要書類特になし
メーカーに直接問い合わせる場合、型番と製造番号が必要
手続き期間即日
新しい保証書発行しない
連絡先販売店

 

太陽光発電 標識 販売

5.遠隔監視装置|データ通信用のネット回線契約に注意

発電量の遠隔監視装置が太陽光発電設備に付属している場合、次の2点に気をつけましょう。

① インターネット回線の更新または新規契約
② 遠隔監視装置のログイン情報(ID・パスワード) 

遠隔監視装置は、日々の発電量やエラー履歴などのデータをインターネット回線でやりとりしています。そのため、あなたが新しくオーナーとなる場合は、ネット回線を新たに契約する必要があります。(旧オーナーは確実にネット回線の解約をしましょう)

また、機種によっては発電状況を確認するために、ログインIDやパスワードが必要です。あなたが購入する設備に付属する監視装置は、利用の際にどのような情報が必要なのか必ずチェックしましょう。

遠隔監視装置そのものについてはこちらの記事をご覧ください。

 あなたの太陽光発電所は大丈夫?遠隔監視でできること、できないこと

 

 


中古の太陽光の購入後に「賃貸借契約」をしては不利な状況になりますのでおすすめしません。

少なくとも、賃貸借契約には「太陽光発電の売買契約が不成立の場合は白紙」としたうえで
太陽光発電の売買契約にも「賃貸借契約が不成立となる場合は白紙」という特約が必要です。

後々のトラブルにならないよう気をつけてください。

 


7.施工保証|購入時に施工保証の継承が可能か確認

太陽光発電の設置時に、設置業者の施工保証が付いている場合は、名義が変わっても保証が続くのか確認してください。

太陽光発電の所有者が変わった後、急に連絡をしても保証をしてくれない可能性があります。

また、メンテナンスを受ける際には、太陽光発電の設備情報(パネルの配置図面や機器の構成図など)も必要なので、設置業者に連絡しておきましょう。

 

 


8.損害保険|購入時は必ず損保に加入する

太陽光発電の保険(火災保険、自然災害保険など)に加入していた場合、手続きが必要になります。

相続の場合と、売買等で第三者に名義が変わった場合で扱いが異なりますのでご注意ください。

8-1.相続により名義変更する場合

相続で太陽光発電の名義が変更した場合、保険も「権利継承」することで、
これまでの保険契約を、満期まで引き継ぐことができます。

保険の契約者と太陽光発電の設置者が異なる場合、注意が必要です。

詳しくはご加入の保険会社にご確認ください。

8-2.売買などで第三者に名義変更する場合

中古の太陽光発電を購入する場合は、あらたに保険に加入することを強くおすすめします。中古車を購入する時と同じです。

一方で、太陽光発電を手放す(売却する)場合は、損害保険の中途解約が必要です。解約しなければ、発電所を持っていないのに、保険料を払い続けることになります。

実は、中途解約すると残りの期間分の保険料が返還される場合があります。保険会社によって対応が異なりますので、ご加入の保険会社にご確認ください。

保険についてはこちらのページもご覧ください。

 太陽光発電の保険サービス

 

 


9.メンテナンス|売却時には確実に解約をする

・新オーナーが中古の太陽光発電を購入したらすぐにするべきこと

① 機器の総点検

機器の総点検が必要な理由は2つあります。

・旧所有者が自覚していない故障や不具合が発生している可能性が高い
・購入時のデータがなければ、後々不具合や故障が発覚しても比較ができない 

できれば、購入前に売主と関係のない第三者に点検をしてもらい、どのような不具合や故障があるのかを売主買主双方が認知したうえで購入するのが理想です。

② 発電記録の計測と定期メンテナンスの契約

・現オーナーが太陽光発電を売却する前にしておくべきこと

① メンテナンスの履歴

車でいう整備記録や、発電記録を用意しておきましょう。これがなければ新オーナーは安心して購入することができません。

② 定期メンテナンスの解約

あなたが太陽光発電の売却を検討していて、メンテナンスの長期契約をしている場合、所有者が変わるとどんな対応になるのか、確認しておく必要があります。例えば、5年の定期メンテナンスの契約をしていたとして、仮に3年経過時点で解約をする場合、残りの期間分の返金をしてもらえるのか確認しておきましょう。

また、契約を自動更新にしていると、名義変更後も代金の請求がきたり、口座から自動的に引き落としされることもありますので確実に解約しておく必要があります。

 

10.補助金|太陽光発電付き住宅の売却時に手続きが必要

補助金を使って太陽光発電を設置している場合、所有者の変更手続きが必要になる場合があります。補助金を交付された人(=主に太陽光発電付き住宅の名義人)が取るべき手続きです。

そもそも、補助金を受けていなければ全く関係ありませんので、該当しない方は読み飛ばしてください。

10-1.国の補助金

平成27年3月以前に自宅に太陽光発電を設置した場合、国の補助金をもらっている可能性があります。

太陽光発電の設置から17年以内に所有者が変更になる場合、必要な手続きがあります。

基本的に、補助金を交付されたものは、法定耐用年数(太陽光発電の場合は17年間)の期間は、補助金の交付を受けた人が保守管理する必要があります。そのため、設備の法定耐用年数の期間内にやむなく所有者が変わる場合は、名義変更の申請をしたり補助金の一部返還をする必要があります。

①相続により名義変更する場合は補助事業者名義変更申請」が必要

例えば、太陽光発電付きの家を相続する場合は補助事業者名義変更申請」が必要です。
詳しくは「JPEA 補助対象システムの管理・運用に関する変更」 をご覧ください。

②売買などで第三者に名義変更する場合は財産処分承認申請」が必要

補助金を受けて設置した太陽光発電を売却する場合(基本的には家ごと売却する場合)に該当します。補助金の一部について返還を求められる場合があります。

詳しくは「JPEA 財産処分承認申請」をご覧ください。

10-2.地方の補助金

地方自治体の補助金をもらっている場合があります。

一度、太陽光発電を設置している地方自治体に確認してください。

(10kW以上の場合、補助金の対象外であることが多いです)

国と同様、自治体の補助金についても、名義変更や財産処分の手続きが必要な場合があります。

詳しくは設置場所の自治体に問い合わせしてみてください。

 

 


まとめ

太陽光発電所のオーナーになるということは、改正FIT法を遵守して安心安全のもと太陽光発電事業を継続していく、ということです。そのためには、パネルやパワコンなどの各種保証や、売電の権利をきちんと把握しておく必要が出てきます。

・固定価格買取制度の権利を移譲するために名義変更が必要
・設備のメーカー保証を継承するためにパネル・パワコン・架台のメーカーに報告が必要
・中古太陽光設備を購入する際は、売主と連絡がつかなくなる場合もあるので事前に必要書類を揃えることが必要

売却する場合も同様に、今まで大切に使ってきた設備が最大限有効活用されるように新オーナーに引き継げる状態がベストです。そのためには、普段から関連書類をまとめて管理し、定期的なメンテナンスを実施する必要があります。

  • 今、太陽光発電を所有していて、別の人に名義を変える予定の人。
  • 新しく別の人から太陽光発電の名義を受け継ぐ予定の人。

それぞれの手続きをもれなく行い、安心して売電できるようにしましょう。

 

・太陽光発電の相続時に参考になるサイト

 厳選 相続弁護士ナビ相続に関することを幅広く説明しています。住所から最寄りの弁護士さんを検索できるので、相続が発生した場合、頼りになります。
 相続情報ラボ主に相続税のことについて説明しているサイトです。相続の時に気になる税金について参考にしてください。
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