雪が積もってたけど、今月の発電量って少なくないかな?
2017年1月の一大ニュースといえば、アメリカの大統領がトランプ氏に変わったことでしょうか。
天気に関することでは、全国的に大雪が降り、太陽光パネルに雪が積もってしまった、という人も多いかもしれません。
パネルが雪で覆われている間は、発電がストップします。
発電量が0の日が続くと、発電量が少ないような気がしますよね。
この記事では、岐阜県、三重県、愛知県に設置された太陽光発電(地面設置)の月間発電量のデータを設置パネル容量・パワコン容量とともに公開しています。
発電量のデータは、昨年同月との対比が必要なためソラサポで設置していただいたお客様の発電量を1年以上、遠隔監視をしたものです。周囲に影となる建物が出来るなど発電量に影響を与える変化のない発電所を対象としています。
昨年の発電量は「2016年1月の発電量と天気 【岐阜・三重・愛知】」をご覧ください。
発電量を比較してわかること 発電量の比べ方
公開データとあなたの発電量を比較することで、異常の早期発見や、無駄なメンテナンス費用の回避ができます。
- あなたの設置場所と【近い地域】で比べてみましょう。
- あなたの発電所と【同規模】で比べてみましょう。
- 【1kWあたりの発電量】で比べてみましょう。
- 【昨年同月の発電量】との割合を比べてみましょう。
*予想発電量は、傾斜面日射量×太陽光パネル設置容量(kW)×各種係数(パワコン変換効率、温度係数など)
で計算することができます。
この記事では、天候の目安として「日照時間」のデータを記載しております。
日射量ではありませんのでご注意ください。
1. 2017年1月の天気
1月の半ばに大雪が降り、交通渋滞や事故の原因になっていましたね。
岐阜県、三重県、愛知県でも各所で積雪を記録し、雪かきのご依頼を多数いただきました。昨年12月は、ほとんど雪が降らなかったので、大慌てでスコップを出し、雪かきをしたのを思い出します。
気象庁は、2017年(平成29年)1月の天候の特徴を以下のとおりに発表しています。
- 月平均気温は沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった
上旬と下旬後半に冬型の気圧配置が緩み、顕著な高温となった影響で、月平均気温は沖縄・奄美でかなり高く、東・西日本で高かった。
- 中旬から下旬前半にかけては全国的に寒気が流れ込み、日本海側を中心に大雪となった
中旬から下旬前半にかけては冬型の気圧配置が強まり、全国的に気温が平年を下回った。また、日本海側では中旬は東北地方から山陰にかけて、下旬前半は西日本を中心に大雪となり、太平洋側でも大雪となった所があった。
- 西日本では日照時間がかなり多かった
西日本太平洋側では低気圧や前線の影響を受けにくかった。また、西日本日本海側では、寒気の影響を受ける時期はあったものの、月としては寒気の影響が弱かった。このため、西日本では日照時間がかなり多かった。
(引用元:気象庁 報道発表資料『1月の天候』より)
今年1月は、上旬と下旬後半で晴れが多く気温が高くなり、西日本では日照時間も多くなりました。
ただ、先ほども書いた通り、東北〜山陰、西日本を中心に大雪となりました。
太平洋側でも大雪となり、慣れない雪に苦労した、という方も多いのではないでしょうか。
それでは、岐阜県、三重県、愛知県の日照時間と発電量を見ていきましょう。
2. 岐阜県の日照時間と発電量
岐阜県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、岐阜県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
岐阜 | 182.4 | 114% | 105% |
高山 | 92.4 | 97% | 97% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「岐阜」の日照時間は、平年より14%増、昨年より5%増、になりました。
一方の「高山」は平年・昨年より3%減となっています。
同じ岐阜県内ですが、「岐阜」の日照時間は「高山」の倍近くあります。大きく日照時間が異なりますので、比較の際はご注意ください。
それでは、岐阜県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
岐阜県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
岐阜県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 71.4 | 99% | ||
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
大垣市 | 26.00 | 29.7 | 1541.2 | 95% |
大垣市 | 40.28 | 29.7 | 1617.6 | 97% |
不破郡 | 29.95 | 27.5 | 2418.6 | 99% |
安八郡 | 64.60 | 49.5 | 5388.3 | 97% |
安八郡 | 44.00 | 39.6 | 2950.7 | 92% |
安八郡 | 59.00 | 49.5 | 3924.4 | 97% |
安八郡 | 50.00 | 49.5 | 3497.3 | 96% |
羽島郡 | 57.42 | 49.5 | 4722.9 | 96% |
羽島郡 | 43.56 | 38.5 | 3596.9 | 99% |
羽島郡 | 42.40 | 39.6 | 2748.7 | 92% |
羽島郡 | 63.00 | 49.5 | 6303.0 | 101% |
海津市 | 22.53 | 16.5 | 1344.1 | 93% |
岐阜市 | 13.50 | 11.0 | 750.5 | 92% |
岐阜市 | 12.72 | 11.0 | 740.6 | 88% |
岐阜市 | 46.19 | 36.9 | 3026.9 | 87% |
岐阜市 | 38.16 | 29.7 | 3018.1 | 96% |
岐阜市 | 35.19 | 33.0 | 2283.7 | 93% |
岐阜市 | 61.20 | 49.5 | 4267.4 | 96% |
岐阜市 | 14.84 | 11.0 | 658.9 | 97% |
岐阜市 | 54.32 | 49.5 | 3876.1 | 99% |
山県市 | 10.80 | 11.8 | 515.7 | 95% |
瑞穂市 | 27.04 | 22.0 | 1498.1 | 89% |
本巣市 | 15.90 | 15.4 | 952.7 | 87% |
本巣市 | 33.15 | 29.7 | 1671.0 | 94% |
本巣市 | 20.14 | 19.8 | 1282.3 | 88% |
揖斐郡 | 44.52 | 39.6 | 2311.4 | 91% |
揖斐郡 | 53.04 | 49.5 | 4246.0 | 100% |
揖斐郡 | 33.18 | 29.7 | 1791.4 | 89% |
揖斐郡 | 24.03 | 20.2 | 1066.1 | 90% |
揖斐郡 | 16.9 | 16.5 | 1368.5 | 104% |
関市 | 30.60 | 19.8 | 2165.9 | 121% |
関市 | 45.39 | 36.9 | 2349.0 | 92% |
関市 | 59.40 | 49.5 | 3553.4 | 111% |
加茂郡 | 27.00 | 23.2 | 2249.0 | 101% |
加茂郡 | 18.50 | 16.5 | 1592.2 | 96% |
可児郡 | 58.14 | 49.5 | 5733.7 | 124% |
可児郡 | 48.96 | 39.6 | 4419.1 | 102% |
可児郡 | 61.20 | 49.5 | 3356.0 | 105% |
中津川市 | 66.30 | 49.5 | 4366.1 | 109% |
中津川市 | 63.60 | 49.5 | 4871.8 | 108% |
中津川市 | 42.27 | 36.3 | 3320.5 | 108% |
瑞浪市 | 62.22 | 49.5 | 4536.5 | 99% |
土岐市 | 34.00 | 29.7 | 2977.3 | 99% |
岐阜県の発電量は昨年比で約1%減、という結果になりました。
おおよそ昨年と同じような発電量です。
1月は晴れた日が多く、日照時間は多くなりましたが、1月13日〜16日頃は、積雪で発電量が低下する発電所が多かったことが理由です。
表の一番下には、「岐阜県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
岐阜県では「71.4(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 71.4 × 8.0 = 571.2(kWh)
1月の月間発電量は、571.2(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
3. 三重県の日照時間と発電量
三重県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、三重県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
津 | 179.9 | 110% | 104% |
上野 | 153.2 | 124% | 105% |
尾鷲 | 191.1 | 107% | 108% |
四日市 | 158.6 | 104% | 99% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
三重県は4箇所全ての観測地点で平年以上の日照時間でした。
特に「上野」は平年比24%増と、かなり日照時間が多くなっています。
もっとも少なかった「四日市」も、昨年比は99%と下回ったものの、平年比4%増でした。
それでは、三重県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
三重県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
伊勢市 | 45.05 | 36.9 | 2839.1 | 102% |
桑名市 | 22.00 | 19.8 | 1236.8 | 86% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 3611.6 | 91% |
三重郡 | 54.00 | 49.5 | 3957.9 | 94% |
津市 | 64.26 | 49.5 | 5581.6 | 88% |
津市 | 31.86 | 27.5 | 1937.2 | 92% |
津市 | 39.27 | 31.9 | 2777.0 | 101% |
津市 | 24.00 | 22.0 | 1634.3 | 100% |
鈴鹿市 | 42.84 | 38.5 | 2908.2 | 97% |
三重県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 70.2 | 95% |
三重県の発電量は昨年比で約5%減、という結果になりました。
発電所によって、昨年比との差が異なっています。
桑名市の発電所は昨年比14%減なのに対し、伊勢市の案件は2%増でした
1月13日の雪によって、発電量が下がった状態が続いた発電所は発電量が少なく、雪の影響をあまり受けなかった発電所は、昨年と同じ、もしくはやや多くなっています。
表の一番下には、「三重県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
三重県では「70.2(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 70.2 × 8.0 = 561.6(kWh)
1月の月間発電量は、561.6(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
4. 愛知県の日照時間と発電量
愛知県の日照時間(今月と昨年の比較)
下の表は、気象庁が発表した、愛知県内の観測地点における今月の日照時間です。
また、日照時間の平年比(※)、昨年比を算出しています。
観測地点 | 日照時間(h) | 平年比 | 昨年比 |
---|---|---|---|
名古屋 | 187.4 | 110% | 101% |
伊良湖 | 183.5 | 102% | 102% |
気象庁(報道発表資料)より作成
※平年比とは、1981年から2010年までの30年間の平均日照時間との比較した数値。太陽光発電のシミュレーションは、多くの場合この「平年比」を用いて予想発電量を算出します。
「伊良湖」も「名古屋」も、ほぼ昨年と同程度の日照時間になりました。
「名古屋」は、平年よりやや多め(10%増)となっています。
2つの観測地点の間で、日照時間の差はあまりありませんでした。
それでは、愛知県内の実際の発電量と昨年比を見ていきましょう。
愛知県の発電量(今月と昨年の比較)
※ご紹介するデータは、遠隔監視装置を設置して1年以上経過(昨年同月と比較するため)している太陽光発電所のものです。
※特殊な条件で設置している発電所を除いた平均的な太陽光発電所から無作為に抽出したデータです。
※架台の設置角度や方位によって発電効率は変わりますが、大まかな目安を得ることが目的なので無視します。
設置場所 | パネル(kW) | パワコン(kW) | 今月の発電量(kWh) | 今月/昨年 |
---|---|---|---|---|
一宮市 | 15.39 | 11.8 | 1103.2 | 92% |
一宮市 | 51.67 | 38.5 | 4049.3 | 93% |
一宮市 | 53.00 | 49.5 | 3394.7 | 95% |
一宮市 | 58.66 | 49.5 | 4273.9 | 98% |
稲沢市 | 55.00 | 49.5 | 5345.8 | 101% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 3570.1 | 95% |
稲沢市 | 41.00 | 29.7 | 2463.2 | 124% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3965.9 | 94% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3427.8 | 84% |
稲沢市 | 54.00 | 49.5 | 3359.6 | 85% |
稲沢市 | 55.08 | 39.6 | 4116.5 | 97% |
稲沢市 | 55.90 | 39.6 | 4526.8 | 115% |
稲沢市 | 65.31 | 49.5 | 4880.6 | 105% |
西尾市 | 54.00 | 49.5 | 2140.4 | 92% |
西尾市 | 28.00 | 29.7 | 3160.1 | 70% |
大府市 | 62.64 | 49.5 | 4374.4 | 100% |
弥富市 | 24.91 | 19.8 | 1834.3 | 101% |
弥富市 | 19.08 | 19.8 | 1241.0 | 96% |
愛知県に設置した太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh) | 72.7 | 96% |
愛知県の発電量は昨年比で約4%減という結果になりました。
岐阜県、三重県と同じく、積雪による発電量の低下が多くの発電所でみられました
設置角度や周囲の状況(遮蔽物など)によって、積雪の量や溶け方が異なるため、発電所ごとの発電量の差が大きくなりました。
表の一番下には、「愛知県に設置された太陽光パネル1kWあたりの月間発電量(kWh)」を記載しております。
愛知県では「72.7(kWh)」ですので、あなたの太陽光発電のパネル容量を掛け算して、実際の発電量と比べてみてください。
(例)あなたの太陽光発電システムが8.0kWだった場合。
【計算式】 72.7 × 8.0 = 581.6(kWh)
1月の月間発電量は、581.6(kWh)前後のはずです。
この計算式で求めた結果より20%以上も下回る場合は、太陽光発電システムに不具合や故障があるかもしれません。
1月の天気と発電量のまとめ
積雪で発電量が少なくなった発電所は多いですが、昨年1月の発電量とはそれほど差がありませんでした。
晴れた日が多く、日照時間が多かったからだと考えられます。
とはいえ、冬は1月あたりの発電量が春、夏と比べると少なくなりがちです。
発電量の「多い・少ない」は、比較する対象と、算出の基準によって変わります。
シミュレーションよりも発電量が多くても、他の似た条件の発電所と比べると少ない、ということもあり得ます。
太陽光発電を長期・安定稼働させるためには、次の3つが絶対に必要です。
- 発電量の見える化(どれだけ発電しているか)
- 発電量の監視(今、発電しているか)
- 他所との比較(比べて少なくないか)
この3つを実行することで、発電量に関してより正しい評価をすることができます。
また、無駄なメンテナンス費用を投入することも回避できますので是非実行してみてください!