太陽光発電を導入したけれど「太陽光パネルが盗まれないかな?」や「発電所の盗難が心配」といった不安はありませんか?
せっかく導入したのに、太陽光発電が不安の種になってしまってはいけません。
そこで今回は、太陽光発電所の盗難被害と、どのようなものが盗まれやすいか、防犯(盗難対策)には何が有効なのか、盗難リスクを軽減することはできるか等の疑問を持った方に読んでいただきたいと思います。
この記事を読んで少しでも「悩みの種」を解消し、お役立てできれば幸いです。
1.太陽光発電所の被害情報(東海3県)
1-1. 警察に聞いた被害情報ー岐阜県内ー
岐阜県内では、平成28年5月〜8月で30件の被害が発生しており、30件全ての発電所で「ケーブル」だけが盗まれております。
※私達、ソラサポも一度だけケーブル盗難の被害に遭いました。連系の前日だったのでバタバタしたのを覚えています。
1-2. 愛知県内の被害情報
愛知県内では、太陽光発電所に限らず、盗難・窃盗被害が非常に多く、平成27年度は5万件以上の犯罪が発生しております。
(※愛知県の人口は700万人で岐阜県の3.5倍になります。)
そのため、太陽光発電所に限定した統計は出していないとの回答でした。
1-3. 三重県内の被害情報
三重県内では、平成28年1月1日〜平成28年9月30日までで24件の盗難被害が発生しております。
24件の盗難のうち22件が「ケーブル」で2件が「太陽光パネル」が盗まれたとのことです。
警察がおすすめする防犯対策
・柵やフェンスの設置
・防犯カメラの設置
・警備会社へ協力を要請する
→発電所の敷地内への立ち入りを感知したときに、警備会社へ通報するシステム
※あくまでも「防犯を目的」としていますので、費用対効果は考慮しておりません。
2.太陽光発電所で盗難被害が多いものは「ケーブル」!
・ケーブルが一番盗まれやすい
太陽光発電所で一番盗まれやすいものは「ケーブル」です。
「あれ、パネルじゃないの?」と思われた方もいるでしょう。
実は盗難被害が多いのは圧倒的にケーブルなのです。ケーブルが盗まれやすい理由は下記の通りです。
・銅製で換金しやすい
・運びやすい(外しやすい・軽い)
・盗む時の作業が簡単
・シリアルナンバーがないので追跡しにくい
・夜間は発電してないので危険性が少ない
このような理由からケーブルは狙われやすいのです。
・太陽光パネルは盗まれにくい
太陽光パネルが盗まれた例もありますが、以下の理由から避けられる場合が多いです。
・1枚約20kgあるので運搬が大変
・太陽光パネルの中古市場規模が小さい
・パネル1枚1枚がシリアルナンバーで管理されている
・パネルを外す際に大きな音が出ることが多い
このような理由から窃盗団は太陽光パネルではなく、ケーブルを狙う傾向があります。
また、ケーブル・パネル以外でも盗まれることはありますので設置工事中などは十分注意が必要です。
・岐阜県内の太陽光発電ケーブル盗難被害(新聞記事)
この新聞記事は、2016/5/14と2016/5/17の新聞記事です。
同じ発電所で連続して盗難事件が発生しました。
狙われたのはやはりケーブルであり、上述のように追跡が困難なため、盗まれやすいと考えられています。
ちなみにこの犯人は岐阜県警に逮捕されたようです。
盗難速報:茨城県鹿嶋市の太陽光発電所で1200万円相当のケーブルが盗難被害
平成29年7月25日、茨城県鹿嶋市の太陽光発電所で長さ1900メートル(1200万円相当)のケーブルが盗まれました。
発電所はフェンスに囲まれていましたが、フェンスを切断して侵入したとのことです。
『茨城・鹿嶋市の太陽光発電施設で、およそ1200万円相当の銅線ケーブルが盗まれました。鹿嶋市の太陽光発電施設で25日午後、分電盤に接続されていた銅線ケーブル、合わせておよそ1900メートル、およそ1200万円相当が盗まれているのが見つかりました。警察によりますと、何者かが金網のフェンス2か所を切断して敷地内に侵入し、犯行に及んだとみられるということです。』
引用元:1200万円相当の銅線ケーブル、太陽光発電施設から盗難(TBSNEWS/2017.7.26)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3114754.html(リンク切れ)
3.太陽光発電所の防犯対策
太陽光発電所の防犯対策には様々なものがありますのでご紹介していきます。
3-1. フェンス
フェンスは太陽光発電所に限らず、防犯対策の代表的なものです。フェンスと言っても様々なものがあり、数百円/m程度のものからあります。(左図:ステラPフェンス8,000〜10,000円/m)
しかし、フェンスを設置したからといって防犯対策に大きな効果があるとは言えません。1mや2mのフェンスは簡単に登れますし、手慣れている窃盗団などは金網カッターなどで切ってしまいます。
フェンスはあくまでも防犯意識の意思表示とお考えいただければ良いのではないでしょうか。
また、フェンスは防犯対策効果だけではなく、獣害の軽減や子供の侵入を防ぐ役割もあります。
3-2. 防犯カメラ
防犯カメラもフェンスと並び、防犯対策の代表的なものです。防犯カメラは比較的高価なものですが、発電所の盗難が夜中に起きていることが多いので暗視カメラや防犯ライトと組み合わせて使用すると良いでしょう。
しかし、泥棒は顔をさらけ出している場合は少ないでしょう。何かしら顔が識別できないようにニット等を被って盗みを働かれては防犯カメラの効果は薄くなってしまいます。
遠隔で監視でき、記録ができる防犯カメラでは盗難等が発生した場合、発見しやすくなります。
本物そっくりのダミーカメラも売られています。
3-3. 防犯ライト(感知ライト)
住宅などに多く設置してある防犯ライトです。泥棒は光を気にすると言われておりますが、無人の発電所の防犯ライトは住宅に設置してあるライトに比べて効果は薄いとも言われております。
3-2でご紹介した防犯カメラとの組み合わせで効果アップが期待できます。
3-4. 泥棒が嫌がるものは?
・光
泥棒は明るい場所を嫌います。他の人から見られることを恐れていることから犯行は夜間が多いと思われます。
・目
泥棒は「目」を気にします。人の目もそうですが、「監視カメラ」や「防犯カメラ作動中の看板の絵」等、「見られている」と感じることを嫌がる傾向があります。
・注意喚起看板で、設備への侵入を牽制しましょう。
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・音
感知センサーによって音を発生させる防犯グッズがありますが、泥棒は音も嫌がる傾向があります。
・時間
泥棒は盗みを働く時に時間がかかることを嫌います。そのため、発電所で盗みを働く時に時間がかかってしまうような対策をすれば一定の効果が期待できます。
4.防犯対策の効果は?
前章で防犯グッズを紹介しましたが、「効果はあるのか?」と疑問を持つ方はいるでしょう。
ソーラーサポートセンターが考えるには、泥棒にも様々なケースがあり、どの防犯対策が一番効果があるとは言い切れません。
また、泥棒は本気になれば前章の防犯対策など関係なしに盗みを働きます。
そのため、防犯対策よりも、「盗まれたことを早期発見できる」ことが重要です。
5.パネル・ケーブルの盗難被害額とおすすめの対策
太陽光発電所の盗難に遭った場合、盗難被害に加えて発電損失が発生します。
盗難被害はその言葉通り、盗まれた物の被害額です。
パネル1枚あたり2万円~4万円程度
ケーブル1本あたり数千円~数万円
※ 記載している金額は「被害額」です。
実際に新しいものと交換するには、設置費用や送料などが発生する場合があります。
パネル1枚あたり10万円以上してしまう場合もあります。
ケーブルも同様で、埋設配管をしていると交換費用が被害額より遥かに高くなってしまう場合もありますのでご注意ください。
それに加え、ケーブルを断線された場合やブレーカーを壊された場合は、次の日の発電が停止してしまいます。
50kW規模の発電所は、発電量の多い時期は1万円以上発電する日もあるでしょう。
発電所の盗難被害に気付かず、数日、数十日経過したときの発電損失(逸失利益)は数十万円にのぼります。
そのため、発電量監視装置の設置を検討してみてはいかがでしょうか。
ここでソーラーサポートセンターで取り扱っている監視装置を1つご紹介します。
・エコめがね
エコめがねは、パワーコンディショナと繋ぐことにより、発電監視をする装置です。常時2時間前までの発電データがリアルタイムで表示されます。
例えば夜中に盗難被害に遭い、ケーブルが断線して発電量が著しく低下したとします。すると次の日の夜にはアラートメールで発電量の低下を知らせてくれる機能があります。
※設定した低下率に達しない時にはアラートは来ません。
※天候によっては、不具合が発見できない場合もあります。
そのため、上記の場合、盗難から1日程度で発電所の異変に気が付くことができます。
しかし、エコめがねはあくまでも不具合発見の手段の一つとして考えてください。エコめがねでも感知できないエラーはあります。
例えばパネル1枚のみ盗まれた場合は、エコめがねで発見することは困難です。
そのため、エコめがねにより、盗難被害を100%発見するのは不可能と言えるでしょう。
エコめがねと定期的な現場の確認により、被害の発見を早めることは可能です。
遠隔監視装置について詳しく知りたい方はこちら:あなたの太陽光発電は大丈夫?遠隔監視装置でできることできないこと
6.発電所の保険
太陽光発電所の保険にはご加入されていますでしょうか。保険会社にもよりますが、太陽光発電所の保険には大きく分けて2つあります。
1.「財産保険」
財産保険は、家などと同じく財産としての保険なので、盗難までカバーされるプランにご加入を頂くと盗難被害の際は保険対応ができる可能性(※1)があります。
2.「休業保険」
休業補償は、発電所が盗難などで発電が出来なくなってしまった場合、盗難を含めたプランにご加入いただいていれば本来発電していたはずの売電収入をカバーできる場合(※1)があります。
※1【 注意 】 保険事故による保険金の支払いには審査がありますので、一概に保険が適用される、されないと言うことはできません。
事故ごとに審査がありますのでご注意ください。保険についての詳しい情報は【保険サービス】をご覧ください。
まとめ
太陽光発電所の盗難被害はこれからも発生するでしょう。
事前に盗難対策として今回記載したことを実践してみてはいかがでしょうか。
盗まれやすい発電所の特徴は2つです。
・人里離れた(人や交通量が少ない場所も含む)場所に設置している
・雑草が生えっぱなしで管理が行き届いていない
紹介した監視装置の「エコめがね」と「太陽光発電所の保険」は、ソーラーサポートセンターでも取り扱いをしております。
また、発電所の定期点検や緊急時の駆け付け対応も承ります。
少しでもご興味を持たれた方は1度下記お問い合わせページより必要事項をご記入のうえご送信ください。