野立て太陽光発電と台風|被害軽減のために知っておくべき3つのこと

野立て太陽光発電と台風|被害軽減のために知っておくべき3つのこと

8月~9月。太陽光発電がよく発電する月ですが、台風の多い月でもあります。
2016年8月には3つの台風が発生し、各地で浸水や土砂災害などの被害をもたらしました。
固定価格買取期間の20年、さらにその後を考えると、台風の天候のリスクもきちんと考える必要があります。
もし、あなたが太陽光発電の地面設置をご検討中であれば、台風被害をなるべく抑えるために必要な3つのことをご紹介しますのでこのページをブックマークしておいてください。

1.太陽光発電の設計と強度

倒壊した太陽光発電所
群馬で風害にあった太陽光発電設備(単管パイプ基礎)

何事もそうですが、100%の安心というものはありません。
ある程度のところを越えると、かけた費用と効果が合わなくなってきます。
今回は、ひとつの基準を知っておきましょう。

1-1. 架台の設計強度

意外に思われるかもしれませんが、2016年現在、太陽光発電の架台の強度には「こうしなさい」という強制的な基準がありません。
安全を確保するためには、何を基準としていてどれくらいの余裕があるかを知ることがポイントです。
そして、ほぼ全ての物は品質と価格がトレードオフの関係にあることを思い出しましょう。
もし、あなたに低価格・高品質を主張する営業マンがいれば、裏付けを取りましょう。
特にパッケージ化された架台は基準にご注意ください。
(見積書を見るときに、パネルとパワコンとkW単価だけに注目している方はご注意ください。)
架台の強度については、近いうちに公的な基準が設けられることになると思います。
現時点では、一般的に建築基準法の定める基準を守っていると安心できると思いますので国交省のHPより「構造の安定に関すること(pdfファイルはこちら)」の記述をご紹介します。

耐風等級(構造躯体の倒壊等防止及び損傷防止)
<事項の説明>
暴風に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさ及び構造躯体の損傷(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさ
<等級の水準の説明>
等級2:極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力(建築基準法施行令第87条に定めるものの1.6倍)の1.2倍の力に対して倒壊・崩壊せず、稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力(同条に定めるもの)の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度
等級1:極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力(建築基準法施行令第87条に定めるものの1.6倍)に対して倒壊・崩壊せず、稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力(同条に定めるもの)に対して損傷を生じない程度 

今後、大型の台風が増えるという予想を踏まえて、等級1に準じた発電所であれば特に安心です。

ちなみに、架台は基礎フレームで構成されています。
よく使われる基礎の種類は以下の4つです。
・スクリュー基礎
・コンクリ基礎
・単管パイプ基礎
・置き基礎
一概に、どれが良いかは設置する地面の状況や部材の品質によって異なります。
上記の基準に沿ってなければ、どんな基礎でも倒壊する可能性は十分にあります。

1-2. 地上から十分な高さを取っている

太陽光発電所の最低地上高 太陽光パネルから落ちる雪 雑草により悪影響を受ける太陽光パネル

大雨が続くと浸水被害が起こります。
水の逃げ場がなくなると、パネルやパワコンが水に浸かることになります。
当然、太陽光発電は水に浸かってはいけません。壊れます。
そのため、保険会社によっては「何cm以下だと保険料が高くなる」ということもあります。
つまり、パネル、パワコンは地面から十分な高さ(最低でも60cm)を確保する必要があります。

太陽光発電架台の最低地上高が高いと良い点

・雑草が伸びても影になりにくい。
・除草がしやすい。
・地上に積もった雪とパネルに積もった雪が一体化しにくい(設置角度次第では雪による倒壊リスクが減少)
・風通しが良くなりパネルの表面温度が下がりやすい。
・地表の照り返し熱の影響が少なくなる。
・周りの遮光物から影の影響を減らすことができる。

良いことばかりです。
(ただし、架台の一番高いところは4m未満にしてください。)

では、何故、地面スレスレからの設置事例があるのかというと、よほど特別な事情があるか、設置業者の仕入れ金額の問題です。

架台の背が高くなる=部材の金属が増える

つまり、金額が若干高くなるのです。
繰り返しになりますが、見積書のパネルとパワコンとkW単価だけに注目している方はご注意ください。パネルメーカーが変わって増える発電量よりも架台の低さが原因で減る発電量の方が大きいからです。
売りっぱなしの施工業者は、あなたが得る実質的な利回りにそれほど興味を持っていないのかもしれません。

2. 台風はこれからも発生し続ける

当然といえばそれまでですが、台風はこれからも発生し続けます。
気象庁の「異常気象リポート2014」で過去のデータから分析しても発生数に大きな変動はないそうです。

台風の発生の長期的な変化傾向を算出する際は、台風の発生には年々から数十年スケールの変動 が含まれていること、また、前年のデータとの間に相関(自己相関)がある場合、それは長期変化 傾向の値に影響を及ぼすことに注意が必要である。これらを考慮して、台風の発生数について 1951 ~2013 年の期間で長期変化傾向をみると、現時点で変化傾向はみられなかった。

つまり、過去20年に日本に上陸した大きな台風と同程度のものが、将来の売電期間20年の間にも訪れる可能性があるとも考えられます。

3. 台風による太陽光発電への影響

台風によって、太陽光発電が受ける影響は大きく分けて2つあります。

3-1. 強風による被害

台風により倒壊した太陽光発電所
強風で倒壊した太陽光発電設備(架台は単管パイプ)

台風に伴って強い風が吹きます。
建築基準法では、50年に一度クラスの台風を基準風速としています。
地域によって異なりますが、東京郊外ですと高さ10mの位置で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/sの暴風に相当します。
これは、伊勢湾台風(昭和34年)の時に名古屋気象台で記録された暴風と同じ強さです。
風によって、パネルが外れて飛んでしまったり、架台が壊れてしまったりする可能性があります。

3-2. 大雨・長雨による被害

増水している河川
長雨で増水した河川

大雨が続くと、土砂崩れや河川の氾濫が起こる可能性があります。
家などの建物と条件は同じですが、地盤が緩むと太陽光発電が被害を受ける可能性があります。
また、河川が氾濫して発電所が水に浸かった場合、電気機器(パワコン等)が故障したり、泥水によってパネルが汚れたりします。
最近は、台風が来ていなかったとしても、将来はどうなのかを考えましょう。

まとめ

予防策の考え方いかがでしたでしょうか。
20年間という長期間で収支を計算する太陽光発電
太陽光発電は、手に入れておしまい、という商品ではありません。
発電開始してからが本番です。(しかも長丁場)
太陽光発電の導入を検討しているという方はパネルとパワコンだけでなく、架台や保険も確認し、20年間安心して設置できるようなものを選んでください。