最終更新日:2017.09.02
2017年8月31日、事後的な増設(過積載)を制限する省令の改正が公布、即日施行されました。
すでに、7月6日の改正案を読まれた方の中にも、「法律用語ばかりでわかりにくい」と感じられた方も多いのではないでしょうか。そして、実は今回の省令改正は「事後的な増設(過積載)」に注目しがちですが、他にも重要ないくつかの変更点があります。
今回はパブリックコメントの結果とあわせて読み解くことで、どのような考えに基づいてどのような改正が行われたのか、ポイントにまとめました。省令改正のポイントと背景となる考え方を理解することで、次のことがお分りいただけるでしょう。
ーこれからは増設が全くできなくなるか?
ー省令はいつから適用されるのか?
ーパネルが壊れた場合の交換時にどう対処するべきか?
ーすでに増設した設備にも省令改正の影響があるのか?
ー新ルールの中で例外はないか?
最後までお読みいただき、今後のより適切な太陽光発電事業の継続にお役立ていただければ幸いです。
新ルールの大枠を知りたい方は、1〜2章をお読みください。
1章:改正の概要と変更点に加えて、太陽光発電事業者が把握しておくべき重要なポイントがわかります。
2章:資源エネ庁の見解・回答の頻出単語ランキングと、改正案から施行日までのカレンダーを添えて、太陽光発電の固定価格買取制度の大前提と今後に気をつけるべきことがわかります。
より詳しく知りたい方は、ぜひ3章以降もお読みください。
3章以降:パブリックコメントと資源エネルギー庁の回答を抜粋しながら解説を加えています。
本格的に知りたい方は、原文もご参照ください。
資源エネルギー庁のホームページよりダウンロードできます。
パブリックコメントに関する意見概要及び考え方 (pdfファイル)
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則」(pdfファイル)
1.省令改正の概要 これだけは理解しておきたい6つのこと
平成29年8月31日に新ルール(※)がスタート(公布・施行)となりました。4月1日より、改正FIT法でルールが変わったばかりですが新ルールについても正しく理解しておく必要があります。
※「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成二十四年経済産業省令第四十六号)」
1-1. 新ルール(省令改正)|認定取得後のパネル容量変更(増減)に関する3つのルール
改正FIT法及び、省令改正案から変更された3つの内容をご紹介します。
いずれも、認定取得後の事後的な容量の増減に関することですので、しっかりと理解しておきましょう。
省令改正での変更点①
・パネル合計出力を変更する際は、以下の範囲内でないと売電単価が変更される(その年の売電単価に下げられる)ーパブリックコメント41,60より
増設の場合・・・「3kW未満かつ3%未満」の範囲 下図①参照
減設の場合・・・「20%未満」の範囲
※ 認定済みのパネル合計出力は増設の場合「3kW未満かつ3%未満」、減設の場合「20%未満」の範囲であれば増減が認められる(売電単価の変更されない)
図① 認定取得時点より後にパネルの合計出力を増やす(=パネル交換を含む増設や過積載)場合
図② 認定取得時点より後にパネルの合計出力を減らす場合
省令改正での変更点②
・「10kW未満の設備は変更の対象設備から外す」と変更された ーパブリックコメント48より
改正FIT法からの変更点③
・「10kW未満の設備はみなし認定の提出期限が平成29年12月31日」に延長された
※ 10kW以上の提出期限は変更なし(平成29年9月30日まで)
※ パブリックコメントによる変更ではなく、改正FIT法施行時点からの変更ですが重要なので併記します
1-2. 資源エネ庁が明言した3つの重要ポイント
重要なポイント①
遡及(そきゅう)措置はないと明言された
→ 日経BP社による資源エネ庁・新エネルギー課長へのインタビュー記事により「ルールの遡及適用」が話題となりましたが、今回のパブコメへの回答で「遡求措置はない」と否定されました。
重要なポイント②
破損パネルを交換する場合でも、「3kW未満かつ3%未満」を超えて容量が増える場合は価格の変更またはパネル枚数を減らすことが適当という考えが明示された ーパブリックコメント68より
重要なポイント③
事後的な過積載(認定取得後にパネル出力を増やすこと)に制限を加える改正であって、過積載を否定や禁止するものではない
2.今後の改正に備えて理解しておくべき2つのこと
2-1. 単語の頻出回数ランキングTOP10 資源エネルギー庁がもっとも強調したいこと
パブリックコメントに対する回答に出てくる単語の回数は以下の通りです。
順位 | 単語 | 回数 |
---|---|---|
1位 | 変更 | 120回 |
2位 | 負担 | 106回 |
3位 | 国民 | 104回 |
3位 | 価格 | 104回 |
5位 | 改正 | 82回 |
6位 | 調達 | 79回 |
7位 | 再生可能エネルギー | 75回 |
8位 | 認定 | 73回 |
9位 | 抑制 | 71回 |
10位 | 導入 | 69回 |
単語の組み合わせは、「国民 負担」で156回にのぼり最多となりました。公開された111通のパブリックコメントに対して、156回ですので、いかに重要なキーワードであるかがよくわかります。
パブリックコメントと資源エネルギー庁の回答のそれぞれに頻出する言葉を図にするとこのようになります。(回数が多いものは文字サイズが大きい)
2-2. 省令改正までのスピード感
今回の省令改正までを振り返ると、省令改正案から施行日までが54日間でした。2016年末の調達委員会で、事後的な増設に関する指摘は出ていましたが、早い展開に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
施行までのスケジュール | |
---|---|
2017年7月6日 | 省令改正案公開、パブリックコメント募集開始 |
2017年8月4日 | パブリックコメント募集締切 |
2017年8月29日 | パブリックコメント結果発表 |
2017年8月31日 | 改正省令公布、施行 |
今後も、「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立」という前提に適合しないものがあれば、この早さで省令改正があっても不思議ではないということです。
3章以降もお読みいただければ、一層理解が深まるはずです。
3.事後的な過積載の総論 パブコメ:1-31
・該当するパブリックコメントの番号:1から31まで
今回の省令改正で、一番大事な部分です。省令改正の趣旨ですので、必ず理解しておく必要があります。
特に重要なポイント
「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立」のために「事後的な」過積載は買取価格を変更する
パブリックコメントの代表的な意見
「モジュール増設はインフラの有効活用の点からも望ましく、制限されるべきものではない。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「今回の省令・告示改正は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図る観点から、国民負担の増大につながる“事後的な”過積載について、調達価格の変更という一定の制約を設けるものであり、過積載自体を禁止するものではありません。インフラの有効活用の点から、価格を変更した上で過積載をするのであれば問題はございません。」
今回の改正は、認定を受けたあとで過積載(または減設)となる変更を規制するものです。
過積載には設備稼働率の向上、発電量のばらつきの緩和といったメリットがあります。
一方で、制度設計上想定している利益率に影響を与える「認定を受けた設備をあとから過積載にする」行為は、国民負担の増大につながるため制限するというのが基本的な考え方です。
過積載や蓄電池の併設自体は、否定されていません。
4.事後的な過積載の数値基準等 パブコメ:32-46
・該当するパブリックコメントの番号:32から46まで
売電単価の確定後の増設(過積載)は、全てがダメというわけではありません。何故なら、太陽光発電は10年20年という長期事業であるため、自然災害や盗難、イタズラなど外部からの原因で破損・故障・劣化する場合があり、その場合は交換するのが自然です。
改正案で示された具体的な数値の基準に変更があったので必ず押さえておきたいポイントです。
特に重要なポイント
性能の向上や故障時の交換を考慮に入れた上での「3kW未満かつ3%未満」という基準
パブリックコメントの代表的な意見
「3kWと3%の基準は何が根拠となっているのか。厳しすぎる。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立という趣旨に鑑みると、出力を増加させる場合については数値の条件なしにすべからく価格変更の伴う変更申請とすることも考えられますが、関係事業者・関係団体へのヒアリングを行った結果、低圧施設での大規模な故障等が起きた際に効率化されたパネルを使用することを考慮して、一定程度の余裕を持たせることが適切と判断し、3%の要件を設けました。一方で、比率要件だけでは低圧施設が高圧施設よりも不利になるため、100kW(事業用太陽光の認定案件におけるおおよその平均)の場合に3%となる3kWの要件も課しました。」
太陽光パネルの性能は毎年よくなっています。
自然災害で故障し、やむを得ず太陽光パネルを交換する場合でも、設置当初の物よりパネル1枚当たりのw数は大きくなってしまいます。そのための余裕を考慮した上で、「3kW未満かつ3%未満」という数値基準が決められました。
5.事後的な過積載の適用対象等 パブコメ:47-68
・該当するパブリックコメントの番号:47から68まで
資源エネ庁の考え方と方針がわかりやすく出ている回答です。
特に重要なポイント
「10kW未満の太陽光発電は”事後的な”過積載の規制対象外」
「認定申請時に過積載で申請するのは問題なし」
パブリックコメントの代表的な意見
「40円や36円案件といった。高い調達価格を取得している設備に対してのみ規制をするべき。」
「24円の案件等が見直されるとファイナンスがつかなくなる」
「パワコンに対する太陽電池パネルの過積載案件(パワコン容量が上限値の場合)に関しては、蓄電池を併設する形で発電を平準化、ベース電源が振られず安定して電力網へ逆潮流する。その様な電力会社の持つ既存発電所への負担を減らす制御が効く技術を採用する事で過積載が可能として欲しい」
「10kW未満の太陽光発電設備は、今までの認定出力の変更において価格区分の見直しから除外されていた。今回の改正で10kW未満のパネルの増設を対象とすると矛盾が起きるのではないか。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「24円案件等であっても、元の調達価格を維持したまま、安価に設備を設置すれば、国民負担の増大につながるため、再生可能エネルギーの大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るという、今回の省令・告示改正の趣旨に鑑み、一律に規制をすることとします。」
「今回の改正は、国民負担の抑制を図る観点から、“事後的な”過積載について、調達価格の変更という一定の制約を設けるものであり、事後的な過積載自体を禁止するものではなく、FIT認定当初からの過積載を否定するものではありません。従って、御指摘の蓄電池の活用や系統安定化のため、FIT認定時に予め過積載を行うことを否定するものではありません。」
「御指摘を踏まえ、10kW未満の太陽光発電設備におけるパネルの合計出力の変更については、調達価格の変更を伴う変更認定の対象からは外すこととします。」
様々なケースを想定した質問が「事後的な過積載の適用対象等」としてまとめられています。
高い売電単価を確保している設備で過積載を行うと、制度で想定している以上の国民負担が生じてしまいます。
そのため、売電単価を確保してから太陽光パネルの容量を増やす”事後的な”過積載(増設)には単価変更という制限を加えます。
過積載は否定しないけれども、認定申請時点で行ってほしいというのが資源エネ庁の立場です。
6.電源接続案件募集プロセス パブコメ:69-71
・該当するパブリックコメントの番号:69から71まで
特に重要なポイント
電源接続案件募集プロセスに参加中でも、「本改正省令・告示の施行日以降に太陽電池の合計出力を3%又は3kW以上増加させる場合は、調達価格の変更を伴う変更認定申請が必要となります。」ということ
パブリックコメントの代表的な意見
「系統入札募集プロセスに参加している案件に関しては、現在みなし認定の申請も行えず、また募集プロセス次第で容量も変わるおそれがある。経過措置等はないのか。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「電源接続案件募集プロセスに参加中の案件についても、本改正省令・告示の施行日以降に太陽電池の合計出力を3%又は3kW以上増加させる場合は、調達価格の変更を伴う変更認定申請が必要となります。当該プロセスに参加中の案件は、系統増強費用の負担額を調整しているところであり、未だ接続契約を締結していないことから、事業の実施が確定しているものではありません。再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るという今回の改正の趣旨に照らせば、むしろ接続契約締結時の最新の調達価格で事業を行っていただくことが適切であり、経過措置を置くことは適当ではないと考えます。」
7.事後的な過積載と国民負担 パブコメ:72-82
・該当するパブリックコメントの番号:72から82まで
特に重要なポイント
「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図る」ということ
パブリックコメントの代表的な意見
「FIT制度による国民負担は、既に当初の想定を超えて極めて重いものとなっており、今後とも増大していく見通しである。わが国経済の競争力を確保するに足る、国際的に見て遜色ない電気料金水準の実現に向けて、FIT制度の不断の検証と見直しを継続していただきたい。」
「国民負担が増えると言えば、なんでも規制してしまうような政策運営は疑問。既設発電所の再エネの発電量を増やす有効な施策であるのに、それを規制するデメリットもあるはず。規制後に当該規制が適正に機能しているか、振り返りをされてみてはどうか。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「FIT制度について不断の検証を行いつつ、運用で対処可能なものについては運用改善により機動的に対処するなど、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向け、適切な制度運用にしっかりと取り組んでいく考えです。」
「今回の改正は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制を図る観点から、“事後的な”過積載について、調達価格の変更という一定の制約を設けるものであり、事後的な過積載自体を禁止するものではなく、FIT認定当初において様々なリスクを考慮して過積載をすることを否定するものでもありません。」
8.新ルールの施行時期 パブコメ:83-85
・該当するパブリックコメントの番号:83から85まで
特に重要なポイント
「みなし認定移行手続き中に変更の手続きを行えるように運用変更を行っているので、速やかに改正を行う。」ことです。
パブリックコメントの代表的な意見
「事業者の責によらず移行手続が遅延しているために、変更届での提出を行えない。このままでは、価格が見直されてしまい事業が成り立たなくなる。施行時期を見直すべき。あるいは、一定期間の猶予を設ける等、救済措置を設けるべき。」
「ある程度猶予期間を設けて、申請内容と実態を是正するタイミングを与えないと、申請せずに増設するという方、申請内容と異なる設置を行うという方が増えるだけではないか。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「50kW未満の太陽光以外の発電設備については7月21日から、50kW未満の太陽光については7月30日から、みなし移行認定手続き中に変更の手続きをできるよう、運用の変更を行っております。」
「変更認定申請や変更届出をせずに太陽電池の合計出力を増加させて事業を行えば、認定された事業計画に従って事業を行っていないこととなり、認定の取消しの対象となる可能性があります。」
9.新ルールの遡及適用(事後法) パブコメ:86-92
・該当するパブリックコメントの番号:86から92まで
特に重要なポイント
「遡求適応(過去に遡っての規制)はしない」ということ
パブリックコメントの代表的な意見
「平成29年4月1日以降に変更認定を受け付けたものに加え、3月31日以前に合計出力の増加を行った案件についても、今回の省令の適用対象とすべきである。」
「遡及して適用するのは、問題である。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「遡及措置に関しては、既に増設している案件の投資回収を極めて困難にし、事業者の不利益が過大になる可能性があるため、講じないこととします。」という明確な回答をしています。
10.接続の同意に係る主要な事項の変更 パブコメ:93-97
・該当するパブリックコメントの番号:93から97まで
特に重要なポイント
「改正前のFIT法や実際の運用にあわせるための条文」を追加したということ
パブリックコメントの代表的な意見
「従来の実務において、接続契約に(実質的に新規の契約締結とみなされるほどの)重大な変更が生じた場合には、当該変更がなされた日の属する年度のものに調達価格が変更される取扱いとなっていた点を反映させるためのもの、との理解でよいでしょうか。」
「これまでの実務において調達価格の変更を生じさせなかった程度の接続契約の変更は、「主要な事項の変更」には該当せず、調達価格の変更事由とはならないという理解でよいでしょうか」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「基本的に、御理解のとおりです。具体的にどのような場合に主要な事項の変更に当たるかは、「変更内容ごとの変更手続の整理表」に記載します」
一体何の話なのかわかりにくい項目です。
改正FIT法では、電力会社との接続契約の扱いが変わりました。事業計画認定を取得した後で、電力会社との接続契約を大きく変更しても売電単価が変わらないように解釈もできました。
実際には旧制度と同様に接続契約を大きく変更したら売電単価も変更となります。
これまでは変更認定の規定や制度運営で対応していましたが、今回の改正で明文化されました。
11.添付書類 パブコメ:98-99
・該当するパブリックコメントの番号:98から99まで
特に重要なポイント
「認定手続きの円滑化を図るため、認定申請に係る添付書類が緩和された。」ということ
パブリックコメントの代表的な意見
「認定申請に係る添付書類は、戸籍謄本と印鑑証明(法人の場合、登記事項証明と印鑑証明)が、住民票、戸籍謄本、戸籍抄本と印鑑証明(法人の場合、登記事項証明と印鑑証明)に緩和された点について、認定手続きの円滑化に貢献できると考えるため、適切な改正だと思います。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「御指摘の趣旨での改正となります。」
12.事業計画の提出期限 パブコメ:100
・該当するパブリックコメントの番号:100
特に重要なポイント
みなし認定手続きの締め切り期日が10kW未満と10kW未満以外で異なるということ
パブリックコメントの代表的な意見
「みなし認定手続きがうまく行っていない。周知徹底が不十分であることから、10kW以上の事業計画提出期限についても12月末まで延長する等の措置を講じるべき。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「10kW未満太陽光以外の発電設備については現行通り9月30日を締め切りとします。」
経産省としては、これまでハガキや新聞広告、改正FIT法説明会等で説明を行っているので、延長の必要はないという考え方です。
13.設備の詳細情報の公表 パブコメ:101
・該当するパブリックコメントの番号:101
特に重要なポイント
「太陽電池の合計出力を標識の記載内容に入れることは現時点ではない」ということ
パブリックコメントの代表的な意見
「太陽電池の出力公表も大歓迎。標識の記載事項にも追加することで、抑制効果が上がり、不適切案件かどうかも容易に把握可能。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「太陽電池の合計出力を標識の内容に入れることは現時点では求めません。」
14.意見公募手続き等 パブコメ:102-111
・該当するパブリックコメントの番号:102から111まで
特に重要なポイント
今回の改正を「可能な限り速やかに公布・施行することが重要である」という考え方です。
パブリックコメントの代表的な意見
「パブリックコメントの案が曖昧すぎて判断できない。現場が混乱してしまうので、具体的な内容を提示した上で、意見を求めるべきではないか。毎回混乱が起きているのは、この時点で現場が意見を言える内容になっていないからではないか。」
「省令等改正案の内容及び施行日の確定に当たっては、パブリックコメントの結果を踏まえて、改正前に審議会に確認するべきではないのか。」
資源エネルギー庁の回答・考え方
「本省令・告示の改正については、事前に審議会に諮ることは必須とはされておりません。再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、可能な限り速やかに公布・施行することが重要であると考えます。」
パブリックコメントの案がわかりづらい点については、「御指摘を踏まえ、今後の意見公募手続に活かしてしてまいりたいと考えます。」
まとめ
平成29年8月31日の改正で重要なポイントは6つです。
① パネルの合計出力を変更する際は「3kW未満かつ3%未満」の増加または「20%未満」の減少という範囲でないと売電単価が変更される
② 「10kW未満の太陽光発電」は売電単価変更の対象外
③ 10kW未満の太陽光発電はみなし認定の提出期限が平成29年12月31日に延長された(10kW以上は延長なし)
④ 遡及措置はない
⑤ 故障パネルを交換する場合でも、「3kW未満かつ3%未満」の増加という範囲を超えてしまうと売電単価が変更される
⑥ 事後的な過積載(認定取得後にパネル出力を増やすこと)に制限を加える改正であって、過積載を否定や禁止するものではない
改正の目的は「再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立」です。今後もさらなる改正が予想されます。法律の趣旨と目的に沿った事業計画を立てて、情報収集を怠らないようにしましょう。