遅くなる!太陽光発電の事業計画認定申請・ルール変更2つのポイント

2018年8月に、改正FIT法の運用ルールが変更されました。
事業計画認定申請(売電単価確保に必要な手続き、設備認定申請)の手順が変わります。

対象となる発電設備は、全ての再生可能エネルギー設備です。
住宅用の10kW未満の太陽光発電や、地面設置の50kW未満の太陽光発電も対象です。
手順を間違えると予定外に時間がかかったり、来年度の単価になることもあり得ます。

運用ルール変更のポイントまとめ

ルールの変更前であれば、とりあえず先に事業計画認定を申請することもできましたが、今後はできなくなります。

この記事では、次の2点について詳しく解説します。

・2つの運用ルール変更点は何か
・ルール変更による実務上どのような影響があるか

最後まで読んでいただければ、今まで通りに売電価格を確保し、無駄な時間を節約することができます。
改正後も計画通りの売電事業を行いましょう。


1. 運用ルールの変更点は2つ

今回変更となった運用ルールは2つあります。

①資源エネルギー庁へ認定申請を提出する時に、電力会社の接続同意書類を添付することが必須になった
②資源エネルギー庁へ申請してから認定されるまでの目安の期間が1ヶ月程度長くなった

①の影響で、電力会社との手続きが終わるまで資源エネルギー庁への認定申請手続きを始めることができなくなります。
②の影響で、認定をもらえる時期をこれまでより1ヶ月遅くなると考える必要があります。

次の章から、それぞれを詳しく解説します。


2. 資源エネルギー庁へ認定申請を提出する時に、電力会社の接続同意書類を添付することが必須になった

これまでは例外として、認定申請してから遅れて電力会社の接続同意書類を提出することが認められていました。

下の図は、売電単価が決定されるまでの手続きの流れを、今までとこれからで比較したものです。(画像をタップで拡大されます。)

変更された太陽光発電の認定申請手続き手順の図

それが今後は認められなくなります。

2-1. 変更の実施時期(低圧太陽光:2018年12月1日、その他の発電設備:2019年4月1日)

この変更の実施時期は、低圧(50kW未満)の太陽光発電とそれ以外で異なります。

発電設備の区分 実施時期
低圧(50kW)の太陽光発電
(10kW未満住宅用・10kW以上産業用)
2018年12月1日
それ以外の発電設備 2019年4月1日

低圧の太陽光発電は、2018年度単価の途中から実施となります。
それ以外の発電設備は、2019年度単価の途中から実施となります。

2-2. 認定申請のルールの変更で発生する影響は「時間」

この変更で次のような影響が出ます。

・資源エネルギー庁と電力会社の手続きを並行して行うことができなくなる
(並行して行うと認定取得までの時間が節約できたが、それができなくなる)
・出力の変更など、接続同意書類の再発行と提出が必要な変更認定申請にこれまで以上に時間がかかる

接続同意書類の提出が必要な手続きの時間短縮ができなくなるということです。


3. 資源エネルギー庁へ申請してから認定されるまでの目安の期間が1ヶ月程度長くなった

行政に何かの申請をしてから、許可や認定の結論が出るまでの目安の期間を「標準処理期間」と言います。
「手続きするためにこれぐらい時間がかかります」という期間です。

標準処理期間が設定されていても、その期間内に必ず結論を出す義務はありません。

しかし、再生可能エネルギーの認定手続きは、標準処理期間を大幅に超える状態が1年以上続いてきました。
この変更は、標準処理期間と実際に必要な期間の不一致の辻褄を合わせるための変更です。

本来であれば、当初の標準処理期間内に手続きが完了するように処理の仕組みを変更するべきものです。

3-1. 発電設備の種類と規模別の手続きごとの標準処理期間一覧(変更前後の比較)

手続きごとの標準処理期間は次のように変わります。

手続き名 改正前 改正後
10kW未満の太陽光発電の新規認定申請及び変更認定申請 1〜2ヶ月 2〜3ヶ月
10kW以上の太陽光発電、風力、中小水力、地熱発電設備の新規認定申請及び変更認定申請 1〜2ヶ月 3ヶ月
バイオマス発電の新規認定申請及び変更認定申請 2〜3ヶ月 4ヶ月
2MW以上の太陽光の入札参加可否の通知 1〜2ヶ月 2ヶ月
バイオマス発電の入札参加可否の通知 規定なし 4ヶ月

2018年8月31日 資源エネルギー庁「FIT 制度に係る標準処理期間及び運用ルールの一部見直しについて」より
手続き名を簡易に書き換えております。

いずれも1ヶ月程度標準処理期間がのびます。

3-2. 変更の影響

この変更による実務上の影響はありません。

実態として標準処理期間内に処理できていませんでした。
制度と現実のズレを、制度側を変更して合わせたためです。

 


まとめ

今回の運用ルール変更は比較的地味な印象ですが、手続きにかかる時間が確実に伸びます。
これまで並行して進められた電力会社への売電手続きと経済産業省への認定申請を、一つずつ行うことになるからです。

固定価格買取制度(FIT制度)で売電するためには避けられない手続きです。

早めの手続きを心がけましょう。