③太陽光発電の工事・業者に関するQ&A
Q1. 台風で太陽光パネルが飛ばされることはありますか?
正しい施工と定期的なメンテナンスを行えば、太陽光パネルが飛んでいくことはほぼありません。
①設計基準以上の風速で風が吹いた場合
②経年劣化等でネジが緩んでいた場合
③設置業者がメーカーの指示を守らなかったなど、工事にミスがあった場合
上記3つのような場合、パネルが飛ばされる可能性はあります。
Q2. パネルの重さで建物が壊れることはないですか?
建築基準法を守って建てられた建物であれば、まず問題ありません。
既に雨漏りしている、垂木が痛んでいるなど、建物の強度に問題がある場合、太陽光発電を設置できません。
耐震補強などの対策が必要になります。
Q3. 太陽光パネルを屋根に設置した後、瓦が割れませんか?
太陽光パネルの重みなどが原因で設置後に瓦が割れることは、ほとんどありません。
太陽光パネルは瓦の下にある垂木に固定し、瓦に負荷はかけません。
(設置時に瓦に穴をあける等の加工をすることがあります)
施工やメンテナンスで瓦の上に人が乗った時に、割れる可能性があります。
通常、瓦工事を行う場合は、万が一瓦が割れた時のために、業者が予備の瓦を用意しています。
Q4. 太陽光パネルは屋根の瓦に穴をあけて設置しますか?
設置工法によって瓦に穴をあける場合とあけない場合があります。
①瓦に穴をあける「アンカー工法」
②瓦の端をけずる「差し込み工法」
③瓦を取り付け穴のある専用瓦に付け替える「支持瓦工法」
瓦を加工する際に、瓦が割れてしまうことがあります。
他の工法よりコストがかかりますが、支持瓦工法がオススメです。
Q5. 太陽光パネルを設置した事で屋根瓦がずれたり、雨漏りしませんか?
正しい施工方法だと、瓦がずれたり、雨漏れする心配はありません。
太陽光パネルの架台は、瓦の下にある野地板の、さらに内側にある垂木に固定します。
瓦に負荷はかからないので、太陽光パネルの重さで瓦がずり落ちることはありません。
設置可能な屋根や施工手順は、各メーカーが指定しています。
メーカーの指示をきちんと守れば、通常は雨漏りしません。
Q6. 漏電しませんか?
漏電が起きないように施工します。
(絶縁キャップを取り付けたり、PFD管というカバーで配線を保護します)
また、万が一に備えて漏電遮断器(漏電ブレーカーとも言います。漏電した時に電源を強制的にオフにします)やアース線をつけて、感電しないようにします。
※電気が設計外の場所へ流れてしまう事を「漏電」と言います。
電線のビニールが破れたり、水にぬれたり、工事でミスをしたりすると起こる可能性があります。
漏電していることに気付かずに触ると感電してしまうため、危険です。
Q7. 古い建物にも設置できますか?
建物がどれくらい古いかによります。
瓦などの屋根材には問題なくても、野地板や垂木といった屋根裏の木材が痛んでいたら設置できません。
また、古くからある土葺という工法の場合、設置できるメーカーと設置できないメーカーがあります。
詳しくはお問い合わせください。
Q8. どんな形の屋根にも設置できるのですか?
基本的には屋根の形に関係なく設置できます。
設置できるかできないかを分けるのは
①屋根の勾配(何度くらいの傾きの屋根か)
②屋根材(瓦、ガルバリウム鋼板など)
③建物の構造(屋根裏換気など)
④屋根の状態(汚れ、破損など)
です。
屋根の勾配、屋根材、屋根の構造は建設時の図面でも確認できますが、屋根の状態は実際に屋根を見ないとわかりません。
Q9. テレビアンテナが屋根についていますが、太陽光パネルを設置できますか?
テレビアンテナがあっても設置できます。
アンテナの下にはパネルを設置できないので、設置枚数が減る可能性があります。
また、アンテナの影で発電量が下がります。
使っていないアンテナは撤去したり、移動させるのをオススメします。
Q10. 屋根に設置した太陽光パネルからどうやって屋内に繋ぎますか?
太陽光パネルの裏には、接続用のケーブルが付いています。
このケーブルに延長用ケーブルをつなげ、壁に沿って屋内に繋ぐ場所に下ろします。
換気扇や床下の通風孔を利用したり、壁に穴をあけて屋内のパワコンや分電盤に繋ぎます。
10kW以上で全量売電の場合、屋内に繋がずメーターから電柱に繋いで売電します。
Q11. 太陽光パネルの工事は屋根にパネル乗せて、配線を通すぐらいのイメージしかありません。他に触るところはありますか?
他にもパワーコンディショナーを取り付ける、接続箱を取り付けるという工事があります。
屋根以外にも、配線や屋外用パワーコンディショナーを取り付ける外壁部分に、固定用のビスを打ちます。
パワーコンディショナーから分電盤まで繋ぐために、屋内の壁に穴をあけたり、分電盤の配線を組み替えたりします。
屋内にパワーコンディショナを取り付ける場合、外から引き込んだ部分と分電盤までの間に配線を設置します。
流れる電気が増えるので、分電盤から電力メーターまでの配線を付け替えることもあります。
(配線を付け替えない場合もあります)
Q12. 設置工事は何日くらいかかりますか?
設置容量や工事のしやすさによって異なります。
10kW未満の場合、目安として2日から3日程度かかります。
電力会社の連系作業(太陽光発電を電柱に繋ぐ作業)を設置工事と同じ日に行えなかった場合、+半日程度です。
10kW以上50kW未満の場合、2週間〜1ヶ月かかります。
Q13. 契約したらすぐに工事してもらえますか?
一般的に、ご契約から工事開始までに3ヶ月~4ヶ月程度かかります。
太陽光発電を設置する前に必要な書類手続きと、パネルやパワコンといった部材の納品に必要な時間です。
契約前に書類手続きを進めていた場合、その分早く取り付けができます。
太陽光発電の契約から発電開始までの流れ
Q14. 設置工事中も電気は使えますか?
工事中も電気を使えます。
分電盤とパワコンを繋げる作業と、電力会社による電力メーターの付け替え作業に、停電が必要となります。
既築の建物で、設置容量が多い場合は分電盤から電力メーターまでの電線を付け替える作業が加わることもあります。
通常、1時間程度で終了する作業です。
Q15. 工事は電力会社がやってくれるのですか?
太陽光発電の設置業者が行います。
電力会社は行いません。
電力会社は、電力メーターの設置・付け替え(アナログメーターの場合)と太陽光発電設置完了の点検を行います。
Q16. 工事の時に、大きな音や振動はしますか?
太陽光発電の設置時には、屋根の上などで、ネジを締めるための電動ドライバーを使います。
そのため、「ガガガガガ」という音が響きます。
近くにいたら振動を感じるかもしれません。
一般的な建築工事と同じような音なので、特別問題になるような音や振動ではありません。
Q17. 現在設置しているパネルを新しいパネルに取り換えることはできますか?
同じ大きさのパネルであれば可能です。
違う寸法のパネルの場合、パネルを固定する金具や架台も取り換える必要があります。
Q18. 太陽光パネルを設置したら、屋根の塗り替えはできなくなるのですか?
パネルを一時的に取り外すことで、塗り替えを行うことができます。
取り外している間は、発電できませんが、固定買取期間の10年間に含まれます。
取り外してから再度取り付けるまでの間、パネルを保管しておく場所が必要になります。
また、取り外し、再設置の工事費用がかかるため、あまりオススメしません。
Q19. 一般的な住宅屋根に乗っているパネルの発電量ってどのくらいになりますか?
一般的な住宅屋根に設置された太陽光発電の容量は、平成26年度の全国平均で4.56kWです。
大まかな目安として、太陽光発電を1kW設置した場合年間で1000kWh程度の発電量となります。(方位・角度によって異なります)
全国平均の4.56kWを設置した場合、年間で4560kWh程度の発電量になります。
Q20. 太陽光発電システムはどこで購入できますか?
電気屋や、太陽光発電の専門業者から購入できます。
インターネットなどで業者の検索が可能です。
Q21. どうすれば信頼できる業者を見つけることができますか?
複数の業者を比較してください。
見積もりを取り、それぞれの業者の営業担当者に会ってください。
心配なこと、不安なこと、ちょっとした疑問、どんなことでも聞いてみてください。
太陽光発電の販売業者とは10年20年の付き合いになります。
見積もりの金額だけで判断せず、実際に会って話して考えましょう。
Q22. 電話勧誘や訪問販売の業者って大丈夫ですか?
ひとくくりに信頼できる・できないとは言えません。
電話勧誘や訪問販売に限らず、地元の業者でも実際に会って心配なことや不安なことを聞いて確認してください。
太陽光発電は、設置後10年、20年と長く使うものです。
設置が終わった後も安心して任せられる業者かどうか、確認してください。
訪問販売がきっかけで太陽光発電の設置を検討されている方はこちらの記事もご参照ください。
太陽光発電で後悔したくないあなたに送る7つの失敗事例と5つの秘訣
Q23. 設置した太陽光発電設備に欠陥がありました。業者に責任を取ってもらえますか?
どこに原因があるかによります。
工事の瑕疵の場合、設置業者に補償や改修を求めることができます。
パネルやパワコンといった機器に欠陥があった場合、製造メーカーの責任となりますので、設置業者が責任を取ることはできません。
Q24. 太陽光発電はクーリングオフを使えますか?
クーリングオフは「何を購入したか」ではなく、「どんな売り方の業者から購入したか」で適用されるかが決まります。
訪問販売や電話勧誘は、クーリングオフが適用されます。
家電量販店で購入した場合や自ら問い合わせて営業に来てもらった場合は適用されません。
くわしくは消費生活センターにお問合せください。
太陽光発電の解約について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
太陽光発電 契約したけどやっぱり解約したい!
Q25. 機器の欠陥が原因で、建物への損害があった場合、業者に賠償を請求できますか?
機器の欠陥が原因だった場合は、設置業者に請求することはできません。
メーカーへお問合せください。
Q26. 太陽光パネルの反射光でトラブルになったりしませんか?
問題になることは少ないですが、裁判になった例があります。
太陽光パネルの表面で反射した光は上方向に向かいます。
反射光の向かう先に住宅などありますと、問題になる可能性はあります。
太陽光発電の反射光について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
太陽光パネルの反射光!裁判事例とオーナーが設置前に知っておくべき回避方法
Q27. 近所に太陽光パネルが設置されるようです。太陽光発電が近隣にできて困ることはないですか?反射光が差し込んでトラブルになったと聞いて、不安です。
正しく設置された太陽光パネルでしたら、特に困ることはありません。
太陽光発電の反射光について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
太陽光パネルの反射光!裁判事例とオーナーが設置前に知っておくべき回避方法
Q28. 鳩が太陽光パネルの下に巣を作ってしまい、糞やゴミで困っています。どうしたらいいですか?
巣の撤去、鳥よけネットなどで対策が必要です。
鳥獣保護法の関係で許可が必要な場合があります。
Q29. ソーラーパネルの設置枚数はどうやって判断しているのですか?
建物の図面や実際に測量した寸法を元に判断します。
メーカーに指定された、屋根の周囲にあけるべき隙間や、アンテナ、雪止め金具など屋根の付属物を考慮してパネル配置を決めます。
Q30. 日あたりが悪い場所でも設置してメリットはありますか?
どの程度日当たりが悪いかによります。
日あたりを考慮したシミュレーションを行い、導入費用と売電収入の釣り合いが取れるかで検討してください。
屋根の北面は反射光が発生する恐れがあるため、設置をオススメしません。
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